雨の合間に,鎌倉宝戒寺へ.昨日のこと.
萩の寺として有名.
本堂の両脇の緑.下半分は萩です.
まだ,花は見えません.
しかし,本堂前の庭をぐるりと取り囲む萩の中に,花をつけている一枝を発見.
今年の第一号ですね.
“秋はもうすぐです.でも,まだですよ” といった風情.
萩は,秋の七草の中で,ススキと並んで最も秋らしい花.
姿も,咲く時期も.
寺院の庭園に,秋の気配は,まだ,余りありません.咲いている花は,夏の花.
本堂前の水鉢の中の睡蓮.一花だけでしたが,見事な花をつけていました.
そして,サルスベリ.
半分散りかけて,夏の終わりを感じさせます.
庭園が萩で満たされるのも,もうすぐ.
ハギは萩ではない.
(この話題は,かつて取り上げましたが,再掲します
ショウブは菖蒲ではない.アジサイは紫陽花でない.yachikusakusaki's blog
くさかんむりに秋=萩(はぎ)/万葉集 ''まくずがはら,なびくあきかぜ,ふくごとに, - yachikusakusaki's blog)
ショウブは菖蒲ではない.
アジサイは紫陽花でない.
それから,ハギも萩ではない.
樹もそうなのだ.ケヤキは
欅でない.シラカバは白樺でない.
ボダイジュも菩提樹でない.
日本の草や花や樹に当てられた
漢字は,古いむかしの中国で
まったく別の花や樹をいう名だった.
--- (花の名を教えてくれた人 長田 弘)
ハギは,万葉の時代には「波疑」「芽子」などと表記されていました.
その後,秋に咲く代表的な花なので,くさかんむりにに秋=「萩」があてられるように.
しかし,漢字「萩」は,中国では別の植物で,ハギを示す中国語漢字表記は「胡枝花(胡枝子)」.
植物の漢字表記 湯浅浩史
http://taka.no.coocan.jp/a5/cgi-bin/dfrontpage/fudemakase/SYOKUBUTUkanmei.htm
「俳句で植物名を表すのは,近代になって西洋から渡来した植物以外は,ふつう漢字が使われます.
ハギは萩,カエデは楓と書かれています.ハギもカエデも日本語です.
しかし漢字は中国で作られたため,本来は中国の植物をもとにしています.そのため混乱や誤解も生じています.
『万葉集』のハギの歌一四二首の中に,「萩」の字は全く使われていません.多くは「芽子」とか万葉仮名で「波疑」のように表記されています.
中国名の萩はキク科のヨモギのような草だそうです.ハギは胡枝花(胡枝子)と綴られます」