我が家のアヤメが盛りになりつつあります.
先週の金曜日に今年初めて開花し,今が見頃.
まだ4月だというのに.
万葉集から芭蕉に至るまで,アヤメ / アヤメグサと呼ばれているのは「ショウブ(菖蒲)」.
ややこしいことに,今でも,漢字「菖蒲」は.かなり異なる二つの植物に当てられることになります.「ショウブ」と「アヤメ」
アヤメとショウブについては,以前本ブログでも取り上げましたが,
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/05/18/000840
yachikusakusaki.hatenablog.com
あやめの語源も含め,日本大百科全書に簡潔に記されていますので,改めて引用しておきます.
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
アヤメ [学] Iris sanguinea Hornem.
文化史
葉が並列して立っている姿が文目(あやめ)(紋様)をなすとみなされ,アヤメの名の由来とされている.
『万葉集』にアヤメ草の名で12首詠まれているものの多くが,ホトトギスとの組合せであるが,これはホトトギスが,胸の縞(しま)模様から「文目鳥(あやめどり)」の別名をもつこととも関連している.
平安文学以降,芭蕉(ばしょう)に至るまで,アヤメ,アヤメ草,アヤメ吹きなどとあるのはサトイモ科(APG分類:ショウブ科)のショウブのことである.
現在のアヤメは,花アヤメとよばれていた.元禄(げんろく)時代(1688~1704)にサトイモ科のアヤメが,ショウブの名に置き換わって,アヤメ科のアヤメをさすようになり,その後「花」がとれ,単にアヤメとよばれるようになったものである.
さらにややこしい話があり,
重井薬用植物園 | 園内花アルバム ショウブ(ショウブ科)Acorus calamus
実は中国において「菖蒲」と表記される植物は「セキショウ(石菖)」で,「菖蒲」について記述された書物が日本に伝わった際,誤って本種が「菖蒲」とされたようです.中国では日本のショウブは「白菖」と表記されます.
セキショウ - Wikipedia 水草通販 > テラリウム用水草 > アコルス(セキショウ) POT CuoreFarm - クオレファーム
我が家にはアヤメ属(Iris)に属する植物が4種類.そのいずれもが今咲いています.
今年の春は例年より一二週間早く到来しましたが.その傾向は4月の後半になってもそのまま続いていて,初夏に咲くアヤメ属の花々も続々開花しました.