我が家には三本のツバキの木があります.どれもまだそれほど大きくはないのですが,私が植えた木ではないので種類はよく分かりません.
その内の二種類目が咲きました.
お茶をたしなむ友人が,「ワビスケだね」っていいます.多分合っているのでしょうが,私には区別がつきません.
改めてツバキについて調べようと検索してみたら---
日本人が古来からツバキを愛してきて今があることがよく分かりました.サイトの数の多いこと!そして立派なものページがいくつも.
まず,これがワビスケかどうか:もう一度明日調べてみないと定かではありませんが,ワビスケの画像の中に似たものがありました.
ワビスケ(侘助)ってなかなか良い名前.茶道の世界でも一般にもとても人気のある種だとか.ワビスケには次の「定義」があるとのことです.ワビスケ
A.ウラクツバキ(‘タロウカジャ’=‘ウラク’)から生まれたものであること(ウラクツバキの子、あるいは子孫)
注:以前「他のサイトでは「ウラクツバキが母木と推測される」の記載もツバキとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸.定義とまで断定してしまうのは疑問かもしれません」
と記載したところ,改めてコメントを頂きました(下欄参照).
Aは「定義」として確立されているとのことでした.
B.葯(やく・雄しべの先端の花粉を作る器官)が退化して花粉を作らないこと
名前の由来もこのサイトで紹介しています.定まっていないようですが.
・「侘数奇(わびすき)」が転じたとする説
・文禄・慶長の役の際、侘助という人物が朝鮮半島から持ち帰ったからという説(『広辞苑』などはこの説を採用している)
「----利休と同じ時代に泉州堺に笠原七郎兵衛、法名吸松斎宗全といふ茶人があつて、後に還俗侘助といつたが、この茶人がひどくこの花を愛玩したところから、いつとなく侘助といふ名で呼ばれるやうになつたといふのだ」
ツバキ一般については---
園芸種の基本情報を得るには,いつものことですが,NHK出版のサイト「- 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸」が信頼度が高いと思います.
例えば,「ツバキとは 」の説明は:
学名:Camellia japonica 和名:ツバキ(椿)その他の名前:ヤブツバキ、ヤマツバキ
科名 / 属名:ツバキ科 / ツバキ属(カメリア属)
「ツバキはツバキ科ツバキ属の常緑中高木で、光沢のある濃い緑の葉をもちます。名前の由来には諸説があり、厚みのある葉の意味で「あつば木」、つややかな葉の「艶葉木(つやばき)」、光沢のある葉の「光沢木(つやき)」、ほかにもまだありますが、花より葉の美しさが名前の由来とされる説が多いのもおもしろいところです。和名としてのツバキは野生種のCamellia japonicaのことですが、一般的に本種を交配親にもつ園芸品種も単にツバキとして扱われることもあります。さらにツバキ属全体を指してツバキと呼ばれることもあるため、流通の現場では間違いを避けるため、ヤブツバキと呼ぶこともあります」
いくつかのサイトが日本から渡ったツバキがヨーロッパでとても人気を得たことを書いています.例えばhttp://www.7key.jp/data/vegetation/menu_t/camellia.html
には,次のような説明が.
18世紀、イエズス会の助修士(ジェスイット会の旅行家との説もある)ゲオルク・ジョセフ・カメル【G. J. Kamell】(チェコ・スロバキア)がフィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介(エンゲルベルト・ケンペルとの説もあり:1712年の廻国奇観)。その後、カール・フォン・リンネがカメルにちなみ、「カメル」と名付けた。19世紀には、冬にでも常緑で日陰でも花を咲かせる性質が好まれ、園芸植物として大変な人気を博した。ジュゼッペ・ヴェルディ【G. Verdi】のオペラ『椿姫』【La Traviata:1853年】にも主人公の好きな花として登場する。
ツバキに関しては他に美しく充実したホームページが沢山あります.
例えば「公益財団法人 東京都公園協会技術管理課研究開発係」が運営しているサイトは本当に立派.
ツバキの美しい画像も沢山見ることができます.解説も簡潔明瞭.例えば「伝統園芸植物 椿」の説明:伝統園芸植物 椿 | 庭園都市 東京トラベル&ヒストリー
「ツバキは、日本(本州以南)に自生する植物で暖地・沿岸部にヤブツバキ、積雪地帯にユキツバキが見られます。種子(椿油)や材は今から2300年以上前の縄文時代からから人々の生活に利用され、花も古くから貴族に愛され日本書記(685)にツバキを天武天皇に献上した記録があります。室町時代以降(1338~)武士に価値を見出されツバキが庭園、華道、茶道で使われるようになり園芸化が進みます。
江戸時代、徳川将軍家は、初代家康から3代続いて花好きでした。とりわけ2代秀忠はツバキを好み、諸大名らに広がり「寛永のツバキ」(1624)の流行が起こりました。また、江戸時代後期には、プラントハンターやシーボルトに紹介され、1830年頃冬のバラとしてヨーロッパで日本のツバキのブームが起こりました」
その下には,調布の神代植物公園で見ることができる25種類の写真も掲載されています.(他のサイトの記事からもこのようなたくさんの園芸種はすべて「やぶつばき」を交配親に持つそうです.ツバキとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸)
別ページ伝統園芸植物の歴史 | 庭園都市 東京トラベル&ヒストリーには
「伝統園芸植物の歴史」も「江戸開府(1603)以来、時の将軍や江戸の町づくりと密接に係り、寛永(1661)のツバキ、元禄(1688)のツツジ、正徳(1711)のキク、享保(1716)のカエデ、寛政(1789)のタチバナ等々、様々な園芸植物にブームが起り、楽しみ方も多様化しました」と紹介され,その下には美しい年表が!一部切り取って拝借します.ぜひ実際にこのサイトを訪れてみて下さい.
沢山の品種を調べたいときには次のサイトが便利そうです.どちらもなんと沢山のツバキを集めていることか(特に前者)
なお,「ツバキが椿でない」ことは以前触れましたが(ショウブは菖蒲ではない.アジサイは紫陽花でない.長田弘「花の名を教えてくれた人」 - yachikusakusaki's blog),中国で「椿」の漢字を使っている植物を一つみつけました.「センダイ」の仲間で,日本の椿とは似ても似つかない「チャンチン(香椿)」という大木になる樹木.チャンチン(香椿) - 庭木図鑑 植木ペディア
「チャンチンという奇妙な名前は中国名「香椿」の音読み。椿との直接的な関係はない。なお、中国では椿は「山茶花」と表記し、椿は単独でチャンチンを指す」との解説が.
椿は日本原産ですが,本州にある二種類のもう一方ユキツバキについて紹介しているサイトを載せておきます.
ユキツバキ [雪椿] - みんなの花図鑑(掲載数:3,406件)
http://town.aga.niigata.jp/gyousei/about/01symbol/img/yukitsubaki.pdf