日本人はカボチャをどれだけ食べているか?
カボチャは,日本人にとってとてもポピュラーな野菜.しかし,実際にはどれだけ食べているのでしょうか?
国民健康栄養調査(厚労省)の数値を元に,日本人が沢山食べている野菜のランキングが発表されています.
日本人がたくさん食べている野菜は? |報道発表資料|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000096137.pdf
2012年のデータに基づくとされるこのランキングでは---
カボチャは,きゅうりの次,レタスの上で第9位.
その他,農水省の“指定野菜”がズラリと並ぶ中,“指定野菜に準じる野菜”として唯一カボチャが顔を出しています.
統計局ホームページ/統計FAQ 07A-Q06 野菜の収穫量及び出荷量
なお,
厚労省の調査では,ジャガイモ・サツマイモは,野菜としてではなく,いも類として統計値が出されています.
ジャガイモ・サツマイモの数値を入れると,カボチャは第10位.サツマイモよりは多く食べられているようですね.
(ややこしいことに,農水省はジャガイモは野菜として,またサツマイモは「かんしょ」として,別立てで統計値を出しています)
カボチャの栄養.
カボチャの栄養価が高いことは,よく知られています.
しかし,どれ位?
以前,ホウレンソウの栄養と取り上げたときと同じやり方,
「他の野菜との比較」
で,カボチャの栄養を調べてみました.
「日本人が沢山食べている野菜トップテン」内での比較
まずは,先に挙げた「日本人が沢山食べている野菜トップテン」で比較してましょう.
トップテンで多くの栄養素のランクが1位なのはホウレンソウ.
しかし,カボチャも健闘しています.
カボチャが1位にランクされている栄養素等
エネルギー,炭水化物.ビタミンE(α-トコフェロール),食物繊維
エネルギー,炭水化物は比較対象が野菜ということで,当然であり,予想通り.
注目されるのは,ビタミンE,ビタミンC.
どちらも,最近注目の抗酸化性ビタミン.ビタミンCは,種々の体内合成酵素と協調して働く多機能なビタミンであることはご存じの通り(風邪予防は眉唾ですが).
ビタミンCが多い野菜に,カボチャがあげられることはあまりありませんが,キャベツやホウレンソウより多いんですね.
食物繊維も重要です.しかし,比較対象のトップテンの野菜には食物繊維が豊富な物があまりないことから割り引いて考える必要あり.
ナイアシン,ビタミンB6,パントテン酸も同様.しかも注目するには数値が小さすぎる気がします.
カボチャが2位にランクされている栄養素等
栄養素等の数は沢山-----.
しかし,どれも数値としてそれほどでもありません.これも比較対象が野菜ということから生じた----.
ただ,他の野菜に比較して,沢山の種類のミネラル・ビタミンを一定量含んでいることは,注目すべきでしょう.
カボチャが3位にランクされている栄養素等
銅,カロテン(β-カロテン当量),ビオチン
特に注目されるのは,カロテン.
緑黄色野菜の代表の一つとしてカボチャがあげられるゆえんは,このカロテンが豊富なこと.ホウレンソウとほぼ同等でニンジンの1/2.
穀類・いも類との比較
カボチャは,エネルギー/炭水化物が豊富.同様の栄養特性を持つ穀類・いも類と比較してみましょう.
カボチャのエネルギー/炭水化物は多い.
とはいえ,食パン,ごはん(水稲めし),さつまいもよりずっと少なく,ジャガイモとほぼ同等.
特徴であるカロテン.圧倒的に多いことが分かります.ビタミンCは.当然のことながら,この比較でもトップ.
カルシウム,食物繊維も,この中ではまあまあの数値.
カボチャは栄養豊富!
カロテンばかりか,ビタミンCも沢山含みます.
そして,豊富とまでは言えないものの,それなりの量を含むミネラル・ビタミンの種類が多い!
さらに,ビタミン・ミネラルと同時にエネルギー源としても十分機能するだけの量をもつ.
その上,一定程度の食物繊維も摂ることができる.
カボチャを嫌いという人にはあまりお目にかからないように思います.
もっともっとカボチャを!