あらたまの年,年立つ,新年(にいどし)を詠んだ短歌2  今日はご近所の龍口寺,常立寺,諏訪神社へ初詣.  年の立つあかとき起きの星かげに堅き雪ふみて心ととのふ 中村憲吉  新年(にひどし)の新日(にひひ)来にけりと長寝(ながね)よりさめてぞ一人酒瓶(みか)の酒のむ 尾山篤二郎  あたらしき年を迎へて平凡といへども我はしづかに居たし 鹿児島寿蔵  追ふべくもなき時ゆきて老(おい)づきし日をつむために年改まる 佐藤佐太郎  すすき野の冬のさびしさあたたかさ音なく人なく年新たなり 馬場あき子

正月二日.

今日はご近所の,龍口寺,常立寺,諏訪神社へ初詣.

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龍口寺は,日蓮の弟子・日法が室町時代初期に日蓮「龍口法難」の刑場跡に草庵を開いたことに由来しています.

https://shonan-el.co.jp/rekishitansaku/200627-rekishi/

https://www.yoritomo-japan.com/gyoji-maturi/botamoti3.htm

https://temple.nichiren.or.jp/0061029-ryukoji/

その後,篤信者であった島村采女が慶長6年(1601)に土地を寄進したことで,諸堂・境内地が整い,現在まで連綿と法灯を継承しています.

日蓮は文永8年(1271)9月12日の夜に,「龍ノ口」で鎌倉幕府の命令で処刑されそうになりました. この出来事を「龍口法難」と呼び,毎年9月11日~13日を「龍口法難会」として大法要が行われます.12日の夜には万灯が奉安され,門前には夜店が並び,法要の後に名物の「ご難ぼたもち」が堂内にまかれます.

 

実をたわわにつけた栴檀の向こうが常立寺.明治19年まで住職がいなかった龍口寺の輪番寺の一つ.

境内はとてもきれいに整備されているお寺で,坐る場所もあって,ゆっくり休むのにお薦めのお寺.しだれ梅でも知られています.

 

 

 

諏訪神社は,奈良時代に建てられたと言われる由緒のある神社.諏訪大社の御分霊をまつり,諏訪大社と同じく上社・下社があります.

こちらが上社.階段を上らないと本殿まで到達しません.本殿と言ってもとてもかわいらしいお社ですが.

 

下社の鳥居はとても立派.

お社は,上社ほど小さくありませんが,鳥居のわりには小さいように思います.

 

 

 

 

あらたまの年,年立つ,新年(にいどし)を詠んだ短歌2

(古今短歌歳時記より)

 

年かへる日に逢ふ今日か。旅にして 巷の人を出でゝ 見むとす  釈迢空 遠やまひこ

 

年の立つあかとき起きの星かげに堅き雪ふみて心ととのふ  中村憲吉 しがらみ

 

新年(にひどし)の新日(にひひ)来にけりと長寝(ながね)よりさめてぞ一人酒瓶(みか)の酒のむ  尾山篤二郎 まんじゅしゃげ

 

あたらしき年を迎へて平凡といへども我はしづかに居たし  鹿児島寿蔵 麦を吹く嵐

 

水仙を挿せる李朝(りてう)の徳利壺かたへに据ゑて年あらたなり  吉野秀雄 寒蝉集

 

追ふべくもなき時ゆきて老(おい)づきし日をつむために年改まる  佐藤佐太郎 形影

 

年明けの星みな青く静けくて長き夜道の果に垂れたり  宮柊二 多く夜の歌 

 

水平線(うみのうえ)深紅に染めて新年は海より来たる希望(のぞみ)の帆はらみ  赤尾鈴子 甲斐の国うた日記

 

新年の岩おこしゐる山人(やまびと)ら掛け声さやに陰処(ほと)(ほ)むる唄  前登志夫 霊異記

 

すすき野の冬のさびしさあたたかさ音なく人なく年新たなり  馬場あき子 月華の節