桜を詠んだ短歌4 鎌倉鶴岡八幡宮の段葛,源平池の桜は,まさに満開.妙本寺の桜も見応えがありましたが,本覚寺の八重桜は早くも散っていました. さくらさくら美(うま)しさくらの幻惑にのめり込めたる日本浪曼派 道浦母都子  わが胸をのぞかば胸のくらがりに桜森見ゆ吹雪ゐる見ゆ 河野裕子   日本的美意識なぞの埒の外咲きたくて桜うすべにを吐く 松平盟子  愛恋はさくらはなびら散りぬれば散りぬるあとの風のなごりよ 紀野恵

今日は,鎌倉鶴岡八幡宮の桜を見に行って来ました.

段葛の桜,源平池の桜,今がまさに見頃.ほぼ満開でした.


宝戒寺,妙本寺の桜も満開.特に妙本寺の桜はなかなか見応えがありました.

 

本覚寺の八重桜は,かなり散ってしまっていて、やや残念.今年の桜は見頃の時期が短いようです.


桜を詠んだ短歌4

(古今短歌歳時記より)

 

さびしからぬと思ふや桜花の領に入りひとり春たつ祝祭をなす  稲葉京子 桜花の領

 

たてがみをなびかせ駆け出す馬ありと思わるるまで桜花吹雪ける  松坂弘 石の鳥

 

さくら花散る夢なれば単独の鹿あらはれて花びらを食む  小中英之 翼鏡

 

さくらさくら美(うま)しさくらの幻惑にのめり込めたる日本浪曼派  道浦母都子 風の婚

 

夜ざくらを見つつ思ほゆ人の世に暗くただ一つある〈非常口〉  高野公彦 雨月

 

旺然と花みだれ降る桜木(こ)原に佇ちゐて行き処(ど)あらぬこの身か  成瀬有 遊べ桜の園

 

さくらばな散る墓石にこしかけている父のしろがねの脳天  伊藤一彦 瞑鳥記

 

わが胸をのぞかば胸のくらがりに桜森見ゆ吹雪ゐる見ゆ  河野裕子 桜森

 

日本的美意識なぞの埒の外咲きたくて桜うすべにを吐く  松平盟子 シュガー

 

愛恋はさくらはなびら散りぬれば散りぬるあとの風のなごりよ  紀野恵 フムフムランドの四季