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ディプロマット Diplomate
「外交官」という,不思議な名前が付いたフランスのパティスリー.
「間違いなく、その誕生が最も驚くべきデザート」と言われています.
(「外交官クリーム crème diplomate」というものもある!! こちらについては明日.)
diplomate Pâtisserie française
このデザートの由来については,ネット上でも,沢山の解説がみつかります.いくつか見た中で,最も良くまとまっていると思ったものを,そのままDeepL翻訳して掲載します.
https://www.parisvox.info/2016/10/25/gastronomie-diplomate-plus-quun-dessert-revolution/
GASTRONOMIE
LE DIPLOMATE, PLUS QU’UN DESSERT, UNE RÉVOLUTION !
ディプロマット(外交官),デザート以上の革命!
掲載 :2016年10月25日
掲載カテゴリ:ヘッドライン / 文化
Paris Vox (via Radio Libertés) -
これは間違いなく,その誕生が最も驚くべきデザートである.実際,この「ディプロマット」は,ヨーロッパの歴史の中で決定的な時間帯に,非常に特別な条件の下で作られた.
1815年,ウィーン会議の年であり,ナポレオン1世はワーテルローの戦いに敗れて退位した.ヨーロッパの主要国がオーストリア・ハンガリーの首都に集まり,ヨーロッパ大陸における新たな平和秩序を決定し,確立するための会議が開かれた.
フランスは,ルイ18世から派遣されたベネヴァン公シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴールという最高の外務大臣を通じてこの会議に出席した.
タレーランは,彼のような地位のある王侯と同様,メートル・クー,つまり料理長を伴わずに旅行することはなかった.
この会議では,敗戦国フランスは何も要求する権利はなく,むしろ提出されたすべての提案を受け入れる権利しかなかった.
そこで,優れた戦術家であったタレーランは,シェフのアントナン・カレームに,出席したすべての代表者に合う料理を作るように頼んだ.もちろん,その料理は塩味でも甘口でもよかったのだが.......
結局,アントナン・カレームは,議論が長引き,大使,大臣,王子たちが食事を忘れていることに気づいた.そこで彼はあるアイデアを思いつき,タレーランに提出した.
「いつでも食べられる,甘くて冷たい料理を作ろう」!王子はその独創的なアイデアに魅了された.
しかし,このデザートの名前,ウィーンで開催される象徴的な会議を要約できる名前を見つけることが不可欠だった.その名前が「ディプロマット」だった.
ディプロマットとは,カスタードやスポンジケーキと砂糖漬けのフルーツで作った冷たいデザートで,ブリオッシュやスプーン・ビスケットのスライスがディップされている.このデザートには,グラン・マルニエかキルシュがかけられる.
ディプロマットはウィーンで生まれた!200年経った今でも,ウィーンとパリの菓子店の店頭を飾っている.
フランス菓子図鑑(山本ゆり子)は,「上品なフランス風プディング」と紹介しています.
ディプロマットは,端的にいうと,パンプディングを,パンではなくケーキ生地で作ったものだ.
ケーキ生地は,フィンガービスケットやスポンジ生地,ブリオッシュなど.
これらを好みの大きさにして,アパレイユ(卵,砂糖,牛乳で作る液体状の生地)と合わせ,型に流し入れてオーブンで焼く.
しっかり冷やしてから,カスタードクリームを添えて供する.キルシュやラム酒などで香りをつけることも忘れずに.