シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十一回/シソ科第六回.
コリウス(Common Coleus,Coleus scutellarioides)
&コリウス・フォルスコリ(Plectranthus barbatus,シノニム:Coleus forskohlii、C. barbatus)
コリウス(Coleus scutellarioides)
これから秋にかけて,色彩豊かな葉で庭を彩ってくれます.
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-264
現在は栄養系といって,さし木でふやしたやや大柄になる品種が人気を呼んでいます.
栄養系品種は,花が咲きにくい性質をもっているので大きくなりやすく,摘心を繰り返して仕立てるスタンダード仕立てやツリー仕立てなどにすることができます.成長がおう盛なので,5月から6月に苗を入手して栽培すれば,秋には見事に仕立てることができます.
コリウスの歴史
https://rosydawngardens.com/pages/coleus-history
(抜粋 DeepL翻訳)
https://mink.nipponkayaku.co.jp/product/di/in_file/sedi_adei_in.pdf
なお,日本では,コリウス・フォルスコリが,痩身、体脂肪率減少をうたった健康食品として出回り,厚労省が要注意成分を含む食品(*)に指定しています.
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000843609.pdf
(*正式には「食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物であって、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定したもの(第3項 及び第64条1項において「指定成分等」という)を含む食品」)
ただし,このコリウス・フォルスコリン抽出物には,死に至るような毒性は見られないとする研究結果もあります.
Evaluation of toxic effects of Coleus forskohlii extract on ...
コリウス・フォルスコリン由来急性心不全の治療薬(アデール点滴静注用,コルホルシンダロパート塩酸塩製剤)の開発の経緯,試験結果の一部を以下に転載します.
急性心不全治療剤
アデール点滴静注用5mg
コルホルシンダロパート塩酸塩製剤
https://mink.nipponkayaku.co.jp/product/di/in_file/sedi_adei_in.pdf
1.開発の経緯
インド地方に自生するシソ科植物 Coleus forskohlii は,古代ヒンズー医学書に,心臓病,腹痛,呼吸器疾患,排尿痛などの治療に有効であることが記載されている.
この Coleus forskohlii の根から抽出されたジテルペンに強心効果を伴う降圧効果があることが見出され,フォルスコリンと名付けられた.1978 年には Lindnerらにより,陽性変力作用と血管拡張作用を有すること,1981 年には,Metzger らにより,β受容体を介さずにアデニル酸シクラーゼを活性化することが報告された.
このような結果に基づき,Baumann らはうっ血性心不全患者にフォルスコリンの適応を試み,血行動態が改善することを報告した.当初,フォルスコリンはヘキスト社(イツ)により,心不全治療薬として開発が試みられたが,水に難溶性であり注射剤としての臨床適用が困難であったため,開発を中止した.その後日本化薬とヘキスト社は共同で水溶性誘導体の探索研究を開始し,1988 年に日本化薬が合成したアデール注を見出すに至った.
1989年から臨床応用を開始し,1998年10月製造販売承認を受け,1999年1月上市に至った.
1.効能又は効果
急性心不全で他の薬剤を投与しても効果が不十分な場合
2.用法及び用量
本剤は,用時生理食塩液等で溶解し,コルホルシンダロバート塩酸塩として通常成人には1分間あたり0.5μg/kg を点滴静脈内投与する.
カテコラミン併用による検討
ドパミン,ドブタミンで心係数,肺動脈楔入圧等の血行動態が改善しない心不全患者10 例に0.4~0.6μg/kg/分投与した.血行動態が改善し,本剤がカテコラミ ン抵抗性の心不全患者にも有用であることが示唆された.(「V.治療に関する項 目」の「(5)検証的試験 3)安全性試験」を参照)
全般改善度(「改善」以上)は至適用量群で70.4%(19/27), 低用量群では26.7%(8/30)であり,至適用量群が低用量群に比べ有意(U 検定 p=0.001,χ2検定 p=0.001)に高く,有用度(「有用」以上)もそれぞれ70.4%及び23.3%であり,対象群に比べ有意(U検定p=0.000,χ2 検定 p=0.000)に優れていた.
試験2は,全般改善度(「不変」以上を改善維持率)は実薬群で83.3% (10/12),プラセボ群で8.3%(1/12)であり,実薬群で有意(U検定 p=0.001,χ2検定 p=0.000)に高かった.