カブ/蕪(4) カブは,中国を経て日本にやってきた野菜ですが,原産地は,ヨーロッパあるいはシベリア温帯に渡る地域とされ,世界中で食べられています.和・中華・米英の料理を調べてみると---米英ではローストやグラタンにも.カブの栄養を大根・ほうれん草と比べてみると,根(胚軸)には,カリウム・ビタミンC,カルシウム,食物繊維が大根と同程度あります.一方,葉にはほうれん草と同等の栄養が.根と一緒に食べたいものですね.  前畑にふかぶかと山の日がぬくし老(おい)が着ぶくれて蕪(かぶら)をひくも 臼井大翼

今では一年中食べることができる「カブ/かぶ(蕪,蕪菁)」ですが,11〜12月のものが甘くて最も美味しいと思います.皆さんは?

 

カブは,中国を経て日本にやってきた野菜ですが,原産地は,ヨーロッパあるいはシベリア温帯に渡る地域とされ(ニッポニカ),世界中で食べられています.

 

どのような料理が人気があるか?

グーグル検索で調べてみると:

 

日本のレシピ

カブ レシピ

①カブのガーリックぽん炒め(ガーリックとオリーブオイル炒め.味付けをポン酢で)

②ほくほく 焼きカブの味噌田楽(電子レンジ処理した蕪を油なしでフライパンで焼き,甘味噌をかけていただく)

③かぶの煮物(あんかけ)

他に:かぶの炒め煮,かぶソテー,蕪のツナ和えサラダ),かぶのそぼろ煮,かぶの即席漬け 等

 

中華風レシピ

英語と日本語で検索してみました.カブは英語でTunip.ただし,英語でchinese turnipが,大根を指す場合があるようで,英語の検索では大根料理(例えば「大根餅」)が混在してしまいました.

Turnip recipes chinese

中華風 かぶ レシピ

turnip:中華のレシピ1

①簡単煮込み丼 EASY BRAISED TURNIP RICE BOWLS (大根を使っている! ガーリック,小ネギ,挽肉,椎茸を炒めてturnipを煮付ける,味付け:紹興酒Shaoxing wine, salt, dark soy sauce, light soy sauce, oyster sauce,)

②かぶとかぶ菜の生姜味スープ GINGERY CHINESE-STYLE SOUP WITH TURNIPS AND TURNIP GREENS

③大根餅 Chinese Turnip 千切りにした大根をボイルし,米粉と合わせ,様々な具材を入れて焼く

かぶ:中華のレシピ2

①かぶの中華和え  (酢・ごま油・鶏ガラスープの素・黒こしょうのドレッシングで和える.)

②カブの中華風漬け物 (塩もみしてニラとガーリック・ゴマ油・豆板醤で味付け)  

③鶏とかぶの中華蒸し煮 

 

米英のレシピ

Turnip recipes

①カブのタルティフレット Turnip tartiflette (蕪とルブロションチーズ、ベーコン、タマネギを用いたグラタン)

②簡単焼きかぶ Easy Roasted Turnips チャイブ,バター,オリーブオイルでローストする

③カブと青菜の焼き蒸し煮 Braised Turnips with Greens バター&オリーブオイルで焼く.+ビネガー,ハチミツ,コショウ

 

なお,かぶの調理法(下ごしらえを含む)等については,ネット上に沢山の記事があります.

https://www.kagome.co.jp/vegeday/yasai/turnip/

https://www.kurashiru.com/articles/511a2378-2e9f-43df-96d1-ee12139c1d18

https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=35

https://macaro-ni.jp/76622

https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/0511_yasai1.html

 

カブの栄養

大根,ホウレンソウと比べてみました.

食べて美味しいカブの根(植物学的には「胚軸」)の部分は,栄養豊富とは言い難いのですが,大根と同程度の栄養をもちます.カリウムは野菜らしくかなり多いといえます.比較的多いのがビタミンC,カルシウム,葉酸,食物繊維.

一方,葉の部分は,ほうれん草と同程度の栄養があります.同じように栄養豊富な大根の葉は,やや硬いのが難点ですが,カブの葉は,漬物にしても美味しいし,火も通りやすいので根と一緒に食べることがおすすめです.

持統天皇が栽培を奨励した「あをな」ですから.

https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=19214

 

 

 

かぶ,かぶらを詠んだ短歌

 

山県(やまがた)に蒔ける菘菜(あをな)も吉備人と共にし摘めば楽しくもあるか  仁徳天皇 古事記

 

 

地面(じべた)踏めば蕪(かぶら)みどりの葉をみだすいつくしきかもわが足の上  北原白秋 雲母集

 

 

前畑にふかぶかと山の日がぬくし老(おい)が着ぶくれて蕪(かぶら)をひくも  臼井大翼 私燭

 

 

蕪の葉のいたく乱れし朝霜をみつつし居るに心はずみ来(く)  高安国世 真実