最もよく見かける落葉樹の1つ,ケヤキ.
特に関東地方に多いように思いますが,これは,江戸時代に幕府が奨励したためとのこと.
(関東近郊に立派なケヤキが多いのは、徳川幕府がその植栽を奨励したことにちなむ。江戸時代には橋げたや船、海苔を養殖する粗朶(そだ)作りに使われ、その後も立派なケヤキのある家は格式が高いとされた
https://www.uekipedia.jp/落葉広葉樹-カ行/ケヤキ/ ).
古名はツキ(槻)で,古事記では歌謡に詠われ,万葉集にはつきを詠んだ歌が七首あります(https://art-tags.net/manyo/flower/tsuki.html).
樹勢がさかんで,大木になるためか,古来,神聖視されていたとのこと(日本国語大辞典).現代でも特別天然記念物1,天然記念物15.(植物天然記念物一覧 - Wikipedia).
古事記 雄略記
https://blog.goo.ne.jp/katodesuryoheidesu/e/f1bd831b4456b3c5bb92d4c78567b14f
つき(槻) 日本国語大辞典
語誌
樹勢が盛んでしばしば大木になるためか、古来神聖視され、その樹下も聖域とみなされたらしい。特に、法興寺(飛鳥寺)の槻の木の下では重要な儀式や行事がたびたび行なわれたことが「日本書紀」に記されている。「万葉集」では斎槻の意で「ゆつき」 「いつき」などとよまれている。
ケヤキと呼ばれるようになったのは,ウエキペディアによれば,16世紀頃.
語源には,いくつかの説がありますが(日本語源大辞典),「木目が美しいことから“ケヤケキキ”に由来する」との説(大言海等)が広まっています.
なお,ケヤキの漢字「欅」は,中国ではシナサワグルミを表す字(ニッポニカ,ウエキペディア).
けやきの落葉を詠んだ歌
とく来ても見てましものを山背(やましろ)の高(たか)の槻群(つきむら) 散りにけるかも 高市連黒人 万葉集 巻三 二七七
(早く来てみればよかったものを。山背(やましろ)の多賀(たか)の槻(つき)の林は紅葉が散ってしまいました。 楽しい万葉集)
落葉せる大き欅の幹のまへを二人通りぬ物言いながら 島木赤彦 氷魚
うらさむき今朝の日和に風たちて欅の枯葉散り騒ぐなり 若山牧水 くろ土
たかだかと宅地まはりの欅の木みな落葉して日に照れりけり 古泉千樫 青牛集
今日の風に森の欅が葉を落とすさかんなるさま出でて眺むる 長谷川銀作 木原
参道の欅の落葉吹きまろび人の多くが踏みゆきにけり 高田浪吉 家並
秋もなか空に漂う欅落葉は言葉のごとく人にとびつく 岡部桂一郎 戸塚閑吟集
いづこより地下室にまぎれ来しならむひろひあげたり欅の落葉 外塚喬 昇天