暑い8月は,サルスベリの花が美しい季節.
さるすべりの老い立てる木にくれなゐの散りがてに咲く花を惜しみつつ
斎藤茂吉 (白桃)
妙宣寺 豪雨のあとの庭 潔し—。ひろく流るゝ 百日紅のはな 釈迢空 (倭をぐな)
今日も気になる新型コロナ感染爆発.
第6波のピークを越えて三週間あまり.20万人の感染者が続いています.
ただし,ここ二週間あまり,増加はほとんどしていません.
ピークを迎えていると思われます.
とはいえ,世界一の感染者数のまま高止まり.ヨーロッパ全体の感染者数を超えています.
人口あたりの感染者数でも1位をバルバドス(東カリブ海の島国)と争っています.
「G7+豪」の比較では,人口あたりの感染者数でもダントツ1位.ただし,オーストラリア,イタリア,フランスなどは,7月に日本と同程度の人口あたり感染者を出していました.同じような経緯をたどるとすれば,日本もそろそろ感染者数が減少に転じることになる?
問題の死者数.
ワクチンと経口抗ウイルス薬で,死者は抑えられるのではとの淡い期待がありました.
しかし,第6波の二倍強の感染者の下,死者数も急速に増加.第6波のピークを上回るのは時間の問題といった速さです.
既に感染拡大期を終えたオーストラリア,イタリア,フランスは,感染者の増加に遅れて死者の急激な増加に見舞われましたが,その局面を脱しつつある様子です.
感染者数の顕著な増加は報告されなかったイギリスもオーストラリア,イタリアと同程度の死者を記録.イギリスは感染者数の把握をしていないのでは?
日本は,これらの国と比較すると,まだ,人口あたり死者数は低い値ですが,感染者の急増が半月は遅れていたので,死者の増加も半月は遅れておかしくありません.今の速度で,半月死者が増え続けることを想像するとぞっとします.
日本のニュースでは,なぜか死者数の急増をほとんど報じていません.
なぜ???
代わりに必ず報じられるのが重症化した人の人数と,重症者用病床の占有率.重症化した人が少なく,病床に余裕があれば死者も抑えられているはず,と考えている?
病院の逼迫の程度を表す指標として何も考えずに報道だけしているようにも感じますが,この重症者数が死亡者の数を反映していないことは,既に第6波で明らかにされていたこと.
軽症⇒中等症⇒重症⇒死亡のコースをたどらない死が沢山ある!
<新型コロナ>第6波「致死率」が「重症化率」上回る 医学的には重症なのに…「軽症」扱いで亡くなる高齢者相次ぐ:東京新聞 TOKYO Web
下の図を見ても,第5波と第6波では,重症化した人数と死亡者の間の関係は,全く異なっています.
オミクロンが優勢な感染爆発では,重症者数は,死者を予測する数値ではなくなっている.
そのことを知りながら,「重症者用病床には余裕がある」と報道し続け,死者数の増加には目をつぶっているテレビ・新聞の罪は大きいと思います.
なお,別の問題として,病床数は,実際にコロナに使える病床数を反映しておらず,占有率に空きがあるように見えても,実際には満床といった事態が一般的に起こっているという現場からの報は数多くあります.
「占有率」に問題あり:これもまた事実と思います.
病院の逼迫は半端ない.:これも事実.
加えて,病院の見えないところでの死もたくさん起こっている.
悲惨です.