新型コロナ対策のまん延防止等重点措置が,すべての地域で今月21日の期限で解除されるとのこと.
私の周りの,おそらくは,日本全体の雰囲気からして,半分納得してしまいますが,かなり危険を伴う方針といえるでしょう.(別の言葉で言えば,高齢者の死には半分目をつぶる措置)
現在の日本の感染者数,死亡者数は,ともに,第5波までの最高値を上回っているからです.
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その上,国内での数々の目安も「まん延防止」解除をすすめる状況にはありません.
17日の東京都のモニタリング会議は都内の感染状況の警戒レベルを4段階のうち最も深刻なレベルで維持しました。( 東京都 新型コロナ 22人死亡 8461人感染 前週より1600人余減 | 新型コロナ 国内感染者数 | NHKニュース )
最重要項目とされる「病床の逼迫度」すらも改善しているとは言いがたい状況.
例えば,「確保病床の使用率」が千葉県、神奈川県、滋賀県、大阪府、奈良県でそれぞれ50%以上で、政府の分科会が示す「対策を強化すべきレベル」の目安を上回っています!( 「確保病床使用率」 5府県で“対策強化レベル”の目安上回る | 新型コロナ 国内感染者数 | NHKニュース )
「経済を回す」「生活を元に戻す」ことが優先されたということでしょう.
しかし,このまま感染が収まり,死亡者も順調に減っていくと安易に考えるのは間違いと思われます.
世界と比較して,日本は,第5波の一時期を除き,感染をより低いレベルに保ち,死亡者は,常に世界平均より少なく抑えてきた国でした.
しかし,現在は感染者数,死亡者数共に世界平均を上回っています.
日本の感染者,死亡者の減少の傾きは非常に緩やかで,むしろ,上昇に転じる恐れがあるレベルと考えた方が良いのでは?
日本より低レベルにある世界の感染者・死亡者数も,減少の傾向は見せてきたものの,押さえ込んだとは言い難い状況で,感染者数は再び上昇に向かいはじめています.
地域別の感染状況と比較するとーーー
日本は,ヨーロッパより低いものの,アジアの平均よりも,感染者・死亡者共にかなり高いレベルにあります.アジアの平均は,中国という人口世界一の国がゼロコビットをすすめている影響もあって低く抑えられていますが,不気味なのは感染者が上昇に転じてきていること.そして死亡者のレベルが下がらないこと.同じ傾向はヨーロッパの状況にも見て取れます.
北アメリカが感染者をかなり押さえ込んでおり,日本もこのようになればいいのですが---
アジア,オセアニア地域の国々は,欧米を比較すると感染を押さえ込んできた国が多い印象があります.
しかし,現在は油断できない状況にあります.
その象徴が,今まで優等生であった韓国,ニュージーランド.感染者,死亡者を抑えるのに汲々とした状況にあります.
日本も,決して油断できる状況にはありません.
世界保健機関(WHO)のコロナウイルス対応技術リーダーであるMaria Van Kerkhove博士は、次のように述べています。
「私たちは膨大な量の誤った情報を持っています。オミクロンは穏やかだという誤報、パンデミックは終わったという誤報、これが我々が対処しなければならない最後の亜種だという誤報"......。」 Covid News: 35 Companies Sign on to Produce Generic Versions of Pfizer’s Covid Pill - The New York Times