今日は,スダジイのあれこれ.
鎌倉源氏山で出会った樹シリーズ2として.
そして,源氏山では,一番大きな木の一つでしょう.
小学校の校庭にあった,比較的小さな木しか知らなかったので,シイの木が巨木になり得るということをつい最近まで余り意識していませんでした.
先日,鎌倉文学館の椎に気づき,認識を改めるまで.
昨日のタブノキ同様,ネット上で見る巨樹ベスト50には入っていませんが,
これもタブノキ同様幹囲10メートルになるような木が全国に沢山あるようです.
https://kyoju.biodic.go.jp/?_action=gtcontents&_command=column032
スダジイという名前の由来ははっきりしておらず,漢字も定まっていないとのことですが(スダジイ - 庭木図鑑 植木ペディア),関東地方で単に「シイ」といえば,このスダジイを指すとのこと.スダジイという名前を知らなかった私の場合はこの木がシイの木でした.
シイノキという木はなく,関東地方で単にシイノキという場合は本種を指し,関西ではツブラジイを指すのが一般的.沖縄では本種をイタジイと呼ぶ.スダジイ - 庭木図鑑 植木ペディア
シイと呼ばれるものには,スダジイ,ツブラジイの他,属が異なるマテバジイがあります.
シイの特徴は,何と言っても実に渋みがないので,食べられるということ.子どもの頃は拾って煎って食べるのが楽しみでした.
「タンニンが少なく生食できるものが多いことから、古代人類にとっては農耕文化以前から重要な食料となっていたと考えられています」(ニッポニカ)
スダジイは,
ブナ目 Fagales,ブナ科 Fagacea,シイ属 Castanopsis,スダジイ C. sieboldii
ツブラジイの変種扱いされてきましたが,近年になって,スダジイとツブラジイは別種とされたとのこと.
シイ ニッポニカ シイとは - コトバンク
大木になっても樹皮が滑らかで堅果は小さく卵円形,長さ約1センチメートルのものをツブラジイ(別名コジイ),若木のうちから樹皮が割れ始め,堅果は大きく狭卵形,長さ約1.5センチメートルのものを変種スダジイ(別名イタジイ)といって区別するが中間形が多く,どちらも単にシイということが多い.
近年は,ツブラジイとスダジイC. sieboldii (Makino) Hatus.は別種とされ、中間形は両種の雑種と考えられている.
椎という漢字は,もともとは,槌を意味する言葉だそうです.
「てっつい」の漢字は,「鉄槌」で決まり!と思ってしまうとやや知識不足.「鉄椎」もOK.
ただし椎は「つち」とは読まないので,「かなづち」は「金槌」または「鉄槌」で「鉄椎」なバツ.
角川新字源を見るかぎり,槌の意味以外に,中国でも「椎」は「シイ」も表しているようにも読み取れましたが----
ニッポニカに,「多くの種が分布する中国では栲の字でこの属を統一している」とありました.
家(いへ)にあれば 笥(け)に盛(も)る飯(いひ)を 草枕 旅にしあれば 椎(しひ)の葉に盛る 有間皇子(万葉集 第二巻-142)