性愛と美の女神(ancient Greek goddess of sexual love and beauty)アプロディーテー.
このブログでも何回も取り上げ,今年夏前からは改めて整理しはじめました.
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2021/06/26/235406 〜
今日は久しぶりにその続きと言うことで,introductionめいた文章から再開します.
ヴィーナスの名を知らない人はまずいないでしょう.
美術作品の題材にも多く採り上げられ,ギリシャ神話をほとんど何も知らなかった5年前の私でも「ミロのヴィーナス」と「ヴィーナスの誕生」は知っていました.
ヘレニズム期彫刻の最高傑作とされるミロのヴィーナス.
一般的にはウェヌス/アプロディーテーとみなされているものの,「メロス島に由来することから、ギリシャ神話の海の女神アンフィトリテではないかとも言われている」とのこと.
APHRODITE - Greek Goddess of Love & Beauty (Roman Venus)
Venus de Milo
Venus de Milo | Statue, Characteristics, History, & Facts | Britannica
(DeepL翻訳)
ミロのヴィーナスは、一般的にアフロディーテを表すと考えられている古代の彫像で、現在パリのルーブル美術館にあります。紀元前150年頃、メアンデル川沿いのアンティオキアの彫刻家アレクサンドロスによって大理石から彫られたものです。
1820年4月8日にエーゲ海のメロス島でバラバラになった状態で発見され、その後ルイ18世に献上されました(1821年にルーヴル美術館に寄贈)。立った状態で復元されましたが、腕の部分は発見されませんでした。像と一緒に展示されていない碑文には、"メアンデルのアンティオキア市民、メニデスの息子アレクサンドロスがこの像を作った "と書かれています。メロス島に由来することから、ギリシャ神話の海の女神アンフィトリテではないかとも言われています。
全体の構図は、紀元前4世紀のコリント様式の彫像に由来しています。ねじれた姿と現代的にアレンジされたドレープが、ヴィーナスに高貴さを与えています。この像は、ヘレニズム彫刻の伝統が持つアカデミックな特徴と、古い名作への依存度を示す顕著な例です。
私が以前から知っていたもう一つの美術作品「ヴィーナスの誕生」.
アプロディーテー讃歌がうたう彼女の誕生の場面を,ボッティチェリ(ボッティチェッリ)が見事に描ききった作品.
女神は海に囲まれたキュプロス全島に聳(そび)える城塞を,その領邑(りょうゆう)として知ろしめす.
吹きわたる西風(ゼフユロス)の湿り気帯びた力が,
やわらかな水泡(みなわ)に女神をそっと包んで,
高鳴り轟(とどろ)く海の波間をわたって,この地へ運び来た.
黄金の髪飾りしたホーラーたちが女神を喜び迎え,
神々のまといたもう衣裳を着せ,不死なる頭(こうべ)には,
美しい,黄金造りの見事な細工した冠を載(の)せ,
孔穿(うが)った耳たぶには,真鍮と高価な黄金の花形の飾りをつけた.
柔かなうなじと銀のごとく白く輝く胸を,黄金の首飾りで飾った.
そは黄金の髪飾りしたホーラーたちみずからが,
父君の館で開かれる神々の喜びにみちた歌舞へ行く折に,その身の飾りとして懸けるもの.
かくて身体中すっかり飾り立てると,神々の居並ぶところへ連れていった.
アフロディーテー賛歌(賛歌第六歌) ホメーロスの諸神賛歌(沓掛良彦訳 筑摩書房)より
アプロディーテーの死すべき(=人間の)恋人の中で最も重要なのは,トロイの羊飼いアンキセスで,彼との間にアイネイアスの母となりました.
また,ハンサムな青年アドニス(起源はセム族の自然神で,イシュタル・アスターテの配偶者)は,狩猟中にイノシシに殺され,アドニア(Adonia)の祭りで女性たちがその死を悼みました.
また,アプロディーテーは足の悪い鍛冶の神ヘパイストスと不釣合いになり,結果的にハンサムな軍神アレスとの浮気に明け暮れることになりました(アレスとの間にハルモニア,双子の戦士フォボスとデイモス,愛の神エロスの母となりました).Aphrodite | Mythology, Worship, & Art | Britannica
ヴィーナスの誕生を描いたボッティチェリは,また,アプロディーテーとアレス(アレース)を描いてもいます.
日本大百科全書(ニッポニカ)
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彼はフィレンツェの主権者メディチ家の後援を受けるようになり、サンタ・マリア・ノベッラ聖堂の祭壇画として描いた『東方三博士の礼拝』(1478~80・ウフィツィ)には、メディチ家の人々をモデルとして登場させている。
ボッティチェッリのフィレンツェ美術界における地位や、メディチ家との接触の状況証拠となる作品は、フィレンツェ郊外カステッロの同家別荘に描いた『春(ラ・プリマベーラ)』(1478ころ・ウフィツィ)と『ビーナスの誕生』(1480代初期・同上)で、彼の代表作とされている。また『マルスとビーナス』(1480代・ロンドン、ナショナル・ギャラリー)は様式や寓意の類似から前記2作品に連なるものとされている。
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『マルスとビーナス』(1480代・ロンドン、ナショナル・ギャラリー)
How To Read Paintings: Venus and Mars by Sandro Botticelli | by Christopher P Jones | Medium
(原文 英語 DeepL翻訳)
この絵には何が描かれていますか?
木々や低木に囲まれた草原に、女性と男性が横たわっています。女性は赤い枕に肘を置いて座っており、男性は頭を伸ばして深い眠りについています。二人の後ろでは、サテュロスの子供たち(人間とヤギのハーフ)が男の武器で遊んでいる。
彼女は愛と豊穣の女神であるヴィーナス。彼は戦争の神、マルスです。
寓話として読めば、愛が争いに打ち勝つというメッセージになります。彼の残忍で攻撃的な性格は、愛の恵みによって抑えられます。さらに彼の武装解除を証明するために、脇に置かれた彼の武器は、小悪魔的なサテュロスたちによって運び去られています。
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もちろん,この絵は単なる寓話ではありません.
続きは明日.