時々小雨が降る曇り空. 買い物ついでにまた鎌倉おんめさま(大功寺)へ.
1週間ほど前に来たときには,蕾だったイワフジが開花していました.優しい好感の持てる花姿を見るのは初めて.
蕾だけを見たときには,ハギかと思ってしまいました.葉はハギに似ていますよね?そして,ピンクの蕾.ハギ?
でも季節が---? と思っていたら,きちんと植物名の札が.
このイワフジという名前.実は別名扱いで,標準和名は「ニワフジ(庭藤)」のようです.
マメ目 Fabales,マメ科 Fabaceae,マメ亜科 Faboideae,コマツナギ属 Indigofera,
ニワフジ 庭藤 Indigofera decora
別名 イワフジ(岩藤 イハフヂ以波布知)
中国名は庭藤 ting teng .英名はChinese indigo
私は萩に似ていると思ったのですが,藤の花に似ていると思われて,この名前になったとか.
また,コマツナギ属とは妙な名前に思いましたが,コマツナギは駒繋で,ニワフジによく似た植物.
イワフジは岩藤とも書かれていますが,GZK植物事典が「古語」としている「以波布知」も広く使われているようです.古事記に出てきそうな漢字ですが----いつ頃使われていたのかは調べきれませんでした.
この花は知らなかったことだらけで,その中でも「そうだったのか」と思ったのが,コマツナギ属の学名 Indigofera.
「ラテン語のindigo(=藍)とfero(=有する)の合成語からで、藍染めの染料を取るため」とのこと.
この属には,二つの有名な「木藍」が属しています.
ナンバンコマツナギ(インドアイ)Indigofera suffruticosa Mill.
タイワンコマツナギIndigofera tinctoria L.
日本の伝統的な藍染めは,タデアイ(アイ/藍/藍草 タデ科イヌタデ属)を用いますが,世界的にはこの2種の木蘭からとれるインディゴが主役でした.
おんめさまには,初めて出会う花がほかにも.
PictureThisは「ボタンクサギ(牡丹臭木)」と判定.多分正解ですね.