ナーイアス3
サルマキス
昨日とりあげたアイギーナ.
ゼウスの愛をうけアイアコスを産むナーイアスですが,彼女の場合は,その愛の形は受け身のようにも思えます.なにせ,ゼウスにより掠われて島に連れてこられたのですから.
ゼウスの愛は多くの場合一方的,騙したり力ずくで連れ去ったり---
しかし,ニンフたちは,いつも受け身でいるわけでは決してありません.
むしろ,恋に関しては積極的なのがニンフ.
中務哲郎氏によれば,
ニンフたちは狩りの女神アルテミスに従って山野に遊び暮らすが,処女神とは正反対に,恋に対しては非常に積極的で(病理学用語ニンフォマニアnymphomaniaはこれにちなむ),ゼウスやアポロン,ヘルメスなどの有力な神々の愛を受ける一方,パンやシレノス,サティロスといった好色な牧神たちとも戯れ,人間の美青年にも恋をしかけた.(日本大百科全書 ニンフとは - コトバンク )
今日取り上げるサルマキスは,非常に積極的に恋を成就させます.
恋する人と一体になりたいと願い,実際に姿を一つとしてしまうのですから.
相手は,アプロディーテーがヘルメースの度重なる誘いを最後は受け入れ,もうけた美少年エルマフロディトス(ヘルメスとアプロディーテーをつなげた名前になっています).
オウィディウス 転身物語が,この物語の出典.
概要を,転身物語に沿って紹介するのは次回として,今日の所はthe Theoi projectの解説
SALMACIS (Salmacis) - Carian Naiad Nymph of Greek Mythology
をDeepL翻訳したものを紹介するにとどめさせていただきます.
SALMAKIS
SALMACIS (Salmacis) - Carian Naiad Nymph of Greek Mythology
サルマキスは,アナトリア南西部のカリアにあるハリカルナッソスの町の泉のナーイアスでした.
彼女はハンサムな青年エルマフロディトスに恋をし,彼と永遠に結ばれますようにと神々に祈りました.
彼女の祈りは文字通りの意味合いを持ちすぎていました.
二人の姿が一つになり,最初のエルマフロディトス(hermaphrodite両性具有者)が誕生しました.
Sleeping Hermaphroditos | Louvre Museum | Paris
サルマキスの名前の由来となった泉は,その水を浴びた男たちを女性のようににすると信じられていました.
SALMAKIS (Salmacis) was the Naiad-nymph of a spring of the town of Halikarnassos (Halicarnassus) in Karia (Caria) (south-western Anatolia). She fell in love with the handsome youth Hermaphroditos and prayed to the gods be united with him forever. Her prayer was taken a little too literally for their forms were merged as one to create the first hermaphrodite. Salmakis' namesake fountain was believed to make men who bathed in its waters effeminate. SALMACIS (Salmacis) - Carian Naiad Nymph of Greek Mythology