NHKアナザーストーリーズ「“上を向いて歩こう”全米NO1の衝撃」3
NHKアナザーストーリーズ「“上を向いて歩こう”全米NO1の衝撃」4
カリフォルニアの片田舎で,日本語の歌が大ヒットしている.その噂は,大手のレコード会社(CAPITAL RECORDS)のもとに届いた.
「上を向いて歩こう」の全米発売を決めたのは,デイブ・デクスター・ジュニア.
彼は,アメリカ国外の音楽を担当するプロデューサーだった.
実は「上を向いて歩こう」と同じ頃,彼の元には,あるレコードの売り込みがあった.
実は「上を向いて歩こう」と同じ頃,彼の元には,あるレコードの売り込みがあった.
それが,イギリスを熱狂させていた「ビートルズ」の「ラヴ・ミー・ドゥ」
そのビートルズ以上に彼が関心を寄せたのが「上を向いてあるこう」だった.
カリフォルニア大学でアジア音楽を研究する専門家は,デイブ・デクスター・ジュニアのねらいをこう分析する.
アンドリュー・ジョーンズ(カリフォルニア大学教授)「デイブ・デクスターは,戦後の退役軍人に目をつけ,そのマーケットを開拓できると考えていました.彼らの多くは,1945年から50年代前半にかけて,日本で時間を過ごしました.
デイブは,アメリカに戻り,中流階級となっていた彼らの郷愁をこの曲で誘おうとしたのです」
終戦から18年,日本企業の進出も始まり,日本という国がアメリカに受け入れられ始めていた時代.
デイブ・デクスター・ジュニアは,アメリカ人にもなじみのある日本食の名前でレコードを発売した.
「SUKIYAKI」の大ヒットを受けて,ロスアンゼルスに降り立った坂本九.
画像・写真 | 50年ぶりによみがえる“坂本九inアメリカ” 発掘映像今夜放送 5枚目 | ORICON NEWS
彼の到着を誰よりも心待ちにしていたのは,その曲を誇りに思っていた日系人たち.
その足で,全米一の人気音楽番組(スティーブ・アレン・ショー)に出演した坂本は,日本語だけで観客を沸かせていく.
画像・写真 | 50年ぶりによみがえる“坂本九inアメリカ” 発掘映像今夜放送 5枚目 | ORICON NEWS
映像:スティーブ・アレン・ショー.司会者からインタビューを受ける坂本九
「日本のジョークをやってもらえませんか?」
坂本九「やっていいんですか?いいですか?
あるところに,八つぁんと熊さんがおりました.八つぁんや.あそこの向こうに,こう垣根ができたんだってねえ.八つぁんがそしたらば,『へえ〜っ』つって」
(笑いと拍手)
画像・写真 | 50年ぶりによみがえる“坂本九inアメリカ” 発掘映像今夜放送 5枚目 | ORICON NEWS
その堂々とした姿に,日系人たちは胸を震わせた.
画像・写真 | 50年ぶりによみがえる“坂本九inアメリカ” 発掘映像今夜放送 5枚目 | ORICON NEWS
日系アメリカ人デイビット・マス・マスモト
「この曲は,日系アメリカ人そのものをテーマにしたように,僕らの心にぴったりとはまった.
歌詞の喪失感や葛藤も共感できた.
我慢して,頑張って,愛を慈しむ.それが僕らにとっての『SUKIYAKI』だったんだ」
アメリカで多忙なスケジュールの中,坂本は彼らに向けて,こんな言葉を残している.
“在米日系人の皆様の中に飛び込んでゆっくり挨拶したいのですが,日程が許しません.いつの日か,実現したいと思います.
日系人の誇りとなった歌は,ついに全米に響き渡った.
日系人たちの希望となり,全米トップまでに駆け上がった「上を向いて歩こう」
しかし,物語はまだ終わりません.
それから17年後の1980年.「上を向いて歩こう」は,アメリカの黒人デュオによってカバーされ,再びヒットを記録します.
1. http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/02/08/003000
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