阪神・淡路大震災24年目. 犠牲者を夜通し追悼(NHK NEWS WEB ), 阪神・淡路「人間の復興」問う 老いと震災障害の証言映像(神戸新聞NEXT ). 災害復興住宅「独居死」70人 18年合計 02年に次ぐ多さ(神戸新聞NEXT ). 「高齢者追い出し命に関わる」借り上げ復興住宅問題を一冊に(神戸新聞NEXT ).

1月17日.阪神・淡路大震災24年目.

NHK神戸新聞の記事をそのまま引用し,犠牲者への追悼と今なお被災と闘っている方々へのエールとしたいと思います.

なお,「阪神淡路大震災1.17のつどい」等の情報は

阪神淡路大震災1.17希望の灯り(hands) - ホーム | Facebook

慰霊と復興モニュメントについては

阪神・淡路大震災慰霊と復興のモニュメント - 兵庫県 神戸市 - 記念碑、公園 | Facebook

 

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NHK NEWS WEB

阪神・淡路大震災あす24年 犠牲者を夜通し追悼

2019年1月16日 18時56分

阪神・淡路大震災あす24年 犠牲者を夜通し追悼 | NHKニュース

 

阪神・淡路大震災から17日で24年になるのを前に,兵庫県伊丹市の公園では震災で犠牲になった人の数と同じ6434本のろうそくを一晩中ともし続けて祈りをささげる,「追悼のつどい」が行われています.

「追悼のつどい」は,地元のボランティア団体が震災の翌年から毎年,地震の発生した時間の半日前から伊丹市の「昆陽池公園」で行っています.

 

ことしも震災で犠牲になった人の数と同じ6434本のろうそくに明かりがともされ,地震が発生した時刻のちょうど12時間前にあたる午後5時46分に全員で黙とうをささげました.

1本1本のろうそくには,「ご冥福を祈っています」とか「安らかに眠ってください」などと書かれていて,参加した人たちは,震災で犠牲になった人たちに静かに祈りをささげていました.

伊丹市の72歳の男性は「震災から24年がたちますが,多くの人が傷ついたことをはっきり覚えています.震災を忘れないよう今後も参加し続けたい」と話していました.

ろうそくの火は17日午前5時46分までともされ続けることになっています.

 

神戸新聞NEXT 記事特集

 2019/1/7

阪神・淡路「人間の復興」問う 老いと震災障害の証言映像

神戸新聞NEXT|連載・特集|阪神・淡路大震災|震災24年目|阪神・淡路「人間の復興」問う 老いと震災障害の証言映像

 

 阪神・淡路大震災の被災者支援に取り組むNPO法人阪神淡路大震災よろず相談室」(神戸市東灘区)が,震災障害者や被災高齢者の証言映像を収めた記録集の製作を進めている.22人計20時間以上のインタビュー映像には,24年前の震災で生活が一変し,今なお不安や孤独にさいなまれる被災者の姿が映し出されている.同法人は「人間の復興とは何かについて思いを巡らせてもらえるよう広く発信したい」という.(金 旻革)

 

 よろず相談室は,理事長の牧秀一さん(68)が発足.災害復興住宅の高齢者を訪ねるほか,行政の支援から漏れた震災障害者の苦境を訴え続けている.

 震災直後,高校教諭だった牧さんは自宅近くの御影北小学校の避難所に駆け付けた.「家がつぶれた」「焼け出された」といった被災者の不安に耳を傾け,仮設住宅や復興住宅に生活が移った後も孤独死や自殺を防ぐため訪問を継続した.

 年2回,被災者とボランティアによる“同窓会”を開き,交流を心待ちにする人々が顔を合わせる場を設ける.震災20年となった4年前,信頼関係を築いてきた被災者の肉声を後世に伝えようと,証言を映像に記録することにした.

 

 証言者22人の半数は70歳以上の高齢者で,ほかに震災障害者とその家族ら.震災前後の人生の変化,震災から20年が過ぎた心境を牧さんが聞き取り,昨年11月までに全ての撮影を終えた.1人当たりの撮影時間は約1時間半~2時間.ほとんどの人が日々の生活の中で感じる寂しさやつらさを吐露した.

 ある女性は倒壊した自宅の下敷きになり車いす生活となった.人と会う時は明るく振る舞うが,1人になると「もう死んでもいい」と自暴自棄な気持ちに襲われることを打ち明けた.ピアノが頭部を直撃し脳に障害を負った女性の母親は,震災後の歩みを気丈に語る中で,不意に泣き崩れた.

 

 「話しにくい本音を語ってもらった.災害が人の心と生活に与える衝撃がどれだけ大きいかが分かる」と牧さん.今後,映像を編集し,発信する計画だ.牧さんは「復興とは被災者が再び前向きに生きられるようになること.映像を通じて,人を支えられるのは人だけだと伝えたい」と話す.

 

2019/1/12

災害復興住宅「独居死」70人 18年合計 02年に次ぐ多さ

神戸新聞NEXT|連載・特集|阪神・淡路大震災|震災24年目|災害復興住宅「独居死」70人 18年合計 02年に次ぐ多さ

 

 阪神・淡路大震災の災害復興住宅に1人で暮らす入居者のうち,誰にもみとられず亡くなる「独居死」が2018年の1年間に70人に上ったことが11日,分かった.兵庫県警の検視結果を参考に神戸新聞社がまとめた.集計を始めた00年以降,最多だった02年の77人に次いで多く,19年間で計1097人となった.(那谷享平)

 

 県内に災害復興住宅は計269棟(18年1月現在)ある.復興住宅でも住民の入れ替わりがあるため,70人の中に被災者が何人いるかは分からない.

 

 70人は44~93歳で,男性39人,女性31人.年代別では80代が28人で4割を占めた.死因は病死が52人で,入浴中におぼれるなど事故死が5人,自殺が4人.地域別では神戸市の49人が最多で,尼崎,西宮市が各6人,伊丹市が5人だった.

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 発見までの時間は,半数の35人が24時間以内.2~10日が23人で,合わせて8割以上を占めた.神戸市中央区の男性=当時(60)=のケースでは,異臭に生活支援員が気付き,通報を受けて駆け付けた警察官らが遺体を見つけたが,死後約3カ月たっていたという.

 

 水道などの使用が長時間ないと作動する警報装置や,読まれずにたまっていた新聞などから発見された例もあった.

 

 

2019/1/16

「高齢者追い出し命に関わる」借り上げ復興住宅問題を一冊に

神戸新聞NEXT|連載・特集|阪神・淡路大震災|震災24年目|「高齢者追い出し命に関わる」借り上げ復興住宅問題を一冊に

 

 阪神・淡路大震災の被災者向け「借り上げ復興住宅」の入居者が,兵庫県神戸,西宮市から裁判で退去を迫られている問題を巡り,神戸市灘区の団体職員市川英恵(はなえ)さん(25)が,入居者や有識者らの主張を示す本「住むこと 生きること 追い出すこと 9人に聞く借上復興住宅」を出版した.「住み慣れた場所からお年寄りを追い出すと,命に関わる.被災者支援は恩恵ではなく権利」.漫画も交え,対話形式で分かりやすく伝える.(小林伸哉)

 

 神戸大在学時,復興住宅の「ふれあい喫茶」で高齢者を支援し,借り上げ復興住宅の退去問題を知った.コミュニティーからの分離や健康上の不安を聞き取り,卒論にまとめた.

 

 著書は,卒論を基に法制度上の問題点などを紹介し,2017年春に出版したエッセー風の「22歳が見た,聞いた,考えた『被災者のニーズ』と『居住の権利』-借上復興住宅・問題」(クリエイツかもがわ)に続く2作目となる.

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 裁判の傍聴支援をしてきた市川さんは,提訴された心労などから体重が22キロ落ちたという被災者らを目の当たりにし,胸を痛めた.借り上げ期間後の被災者に退去を命じる判決が続き「私に何ができるのだろう」と思い悩み,執筆を決意した.

 

 新刊では,住まいを基本的人権とする「居住福祉学」を提唱し,昨年7月に死去した神戸大の早川和男名誉教授や医師らが,裁判で出した意見書を紹介.高齢者の意に反する転居が,転倒や認知症孤独死のリスクを高めると指摘する.

 

 本書に登場する神戸大大学院の井口(いのくち)克郎准教授(社会保障)は,国際人権規約社会保障サービスの平等な受給などを定める「健康権」が「『健康を害する可能性のある』行為を禁止している」として,退去を迫る施策の違法性を主張.全世帯の継続入居を決断した中川智子宝塚市長は「入居者のいのちと暮らしを守る使命が行政にはある」と指摘する.

 

 市川さんは「いつどこで誰が災害に遭うか分からない.健康で文化的な生活を送るために『住まいは人権』と多くの人に知ってほしい」と力を込める.

 

 A5判,92ページ.1296円(税込み).漫画家寺田浩晃さんが前作に続き,イラストを担当.クリエイツかもがわから発行.既に書店に並ぶ.問い合わせは編集に関わった兵庫県震災復興研究センターTEL078・691・4593