「星座図鑑」で秋の星座として紹介されている19の星座.
このうちギリシャ神話の原典に記されているものは少なくとも10.Star Myths | Theoi Greek Mythology
アンドロメダ座And/Andromeda,うお座Psc/Pisces
おひつじ座 Ari/Aries,カシオペア座Cas/Cassiopeia
くじら座Cet/Cetus,ケフェウス座Cep/Cepheus
さんかく座Tri/Triangulum, ぺガスス座Peg/Pegasus
ペルセウス座Per/Perseus,みずがめ座Aqr/Aquarius
今日取り上げるのは,そのうちの
おひつじ座.
黄道十二星座の一つで,黄道十二宮に対応し,西洋占星術に用いられてきました.
ラテン語のAriesは牡羊の意味で,英語ではRam.
Ariesは中期英語では用いられていたとのことですが.(ランダムハウス英語辞典)
もとになったギリシャ神話として,ネット上には様々なヴァージョンが紹介されています----.
本ブログでは,今まで同様,ギリシャ/ローマ原典から説きおこしているthe Theoi projectのサイトから.
the Theoi projectのサイトでは,星座となった牡羊の名前が特定されています.
CHRYSOMALLUS (Khrysomallos) - Golden-Fleeced Ram of Greek Mythology
ギリシャ語で,“KRIOS KHRYSOMALLOS”,
ラテン語でCrius Chrysomallus.
(日本語でなんと発音して良いのか分からないので,訳さずこのまま使わせて頂きます.)
このサイトでは,この黄金の毛を持つ牡羊についてのギリシャ/ローマ神話を次のようにまとめています.
KRIOS KHRYSOMALLOS (Crius Chrysomallus)
CHRYSOMALLUS (Khrysomallos) - Golden-Fleeced Ram of Greek Mythology
Crius Chrysomallusは,神話に出てくる黄金の毛をもった空飛ぶ牡羊です.
雲のニンフ,ネペレーによって,彼女の子どもたち,プリクトスとヘレーが神々への生け贄にされそうになった時に送られました.
牡羊はプリクトスを,黒海の果てコルキス(古代グルジアの王国)まで送り届け,少年に自分を神々の生け贄とし,アレースの手袋の中に自分の毛皮をいれるよう指示しました.
この後,Chrysomallusは星々の間に星座として置かれ,光り輝く毛皮は,イアーソーン(ジェイソン)とアルゴナウタイの冒険のゴールとなりました.
KRIOS KHRYSOMALLOS (Crius Chrysomallus) was a fabulous, flying, golden-fleeced ram. It was sent by the cloud-nymphe Nephele to rescue her children Phrixos (Phrixus) and Helle when they were about to be sacrificed to the gods. The ram carried Phrixos all the way to Kolkhis (Colchis) at the far end the Black Sea and then instructed the boy to sacrifice yhim to the gods and lay his fleece in the grove of Ares. Khrysomallos was afterwards placed amongst the stars as the constellation Aries and his shining fleece became the goal of the quest of Iason (Jason) and the Argonauts.
http://www.theoi.com/Ther/KriosKhrysomallos.html
偽ヒュギーヌスによる神話集では,この“黄金の毛を持った空飛ぶ牡羊Crius Chrysomallusは,ポセイドーンとテオパネーから生まれたとされています.
また,偽アポロドーロスによるビブリオケーケー(神話集)では,ネペレーは,この牡羊をヘルメースから受け取ったとされています.
これらの話題については,明日のブログで.