「さあ,始まりました.農家メシでございます.今回は,福島県の須賀川市にやってきました」「はい」
「梅沢さん.福島県と言えば---」「私ですよ」
「梅沢さんのふるさとですよね」「福島が生んだ300年に1人の俳優さんですよ」
「はははははは」
馬鹿言ってる.どうも友近です.
まんぷく農家メシ! 今回頂くのは,きゅうり.
https://www.amazon.co.jp/NHKBS 番組紹介 - 梅沢富美男と東野幸治のまんぷく農家メシ! - NHK
生で食べるだけではありません.農家さん,とっておきのおいしいレシピは,まさに目からうろこ.アイデア満載です.
夏にぴったりのきゅうり料理が目白押し.これは見ないと損ですよ.
毎年7月には,神様にきゅうりをお供えして健康を祈るお祭り「きうり天王祭」が開かれるんです.
http://sukagawa-kankoukyoukai.jp/blog/?p=4573 きうり天王祭/須賀川市公式ウェブサイト
福島県は夏/秋きゅうりの生産,日本一!
街の東西を二つの川(阿武隈川と釈迦堂川)が流れていて,水に恵まれていることが,きゅうりの栽培に適しているんですって.
さて今回頂く農家メシはこちら.
▽きゅうりでクールダウン!「じゅうねんの冷やだれ」
「じゅうねんの冷やだれ?何なんですか?」「冷やだれね.もしかしたら,おばあちゃんが僕に食わしてくれてた,お味噌汁の冷たいやつ?母斑にぶっかけるってやつがあるんですよ」「お味噌汁にきゅうりって,俺,あんまりぴんとこないですね」
▽女手ひとつできゅうり作り!「かっぱのカルテット巻き」
▽簡単!おいしい!ミニきゅうりの○○○.
「ミニきゅうりね.漬け物には最高じゃないですか?」
それでは出発です.っと思いきや?
「こんにちは,どうも.福島の恥さらし,梅沢富美男が帰ってきました」「英雄だから」
「握手します.握手,握手.せっかくやから.鎌で二回なら切って良いですよ」「いやいやいや,いいから」
「今,おかあちゃん.何作ってるの」「やさい.きゅうり」
「きゅうり,じゃあここでいいじゃん」「いやいや違うんですよ.残念ながら,今回3軒なんで」「じゃあ,お母さん.写真撮ろう」
そうですよ,農家さん待ってますから.
運転はいつものように梅沢さんです.
▽きゅうりでクールダウン!「じゅうねんの冷やだれ」
「立派なハウスじゃないの.何棟あるんですか?10棟以上ある」
「すみません.おじゃまします」
迎えたのはきゅうり農家40年の小川明夫さん・妻レイ子さん.
「毎日どれくらい収穫,きゅうり何本ぐらいされるんですか?」
「3000本ぐらいはやるね」「3000本!毎日?」「毎日」
「ねえ,ほんとに.体の方,大丈夫ですか?」「大丈夫じゃなくても,これで通すしかないんです」
「しんどくても,通すしかないんです?」「そうです」
ハウスの中を見せていただきましょう.
「あれ,これ,何か---お米の--」「もみ殻,乾燥防止」「乾燥防止になるんだ」
きゅうりは乾燥に弱いので,水分管理がとても大切なんだそうです.
「温度は30度超えてますね.34-35度」
「これ,まっすぐや.これ収穫できるポイントは,どういう?」「はさみの長さ,これは長さは良いのよ.でも太さがもう少し足りない」
「これは,もう,十分できるんですね.収穫」
「これぐらいで良いの?」「すばらしい」
「トゲトゲが着いてる」「ほんまや.ちょっと触ってください.トゲトゲ痛いですか?」「痛い」「でもこれ,トゲトゲある方が,おいしいっていう」「とげとったところから水分が蒸発していくからな.だんだん.そうすれば鮮度が落ちていく」
「そのままかじってみたら」「でもとげがあるのに食っちみろっていうのも」
「あ,みずみずしい」「大丈夫?うまい?」「みずみずしい,おかあさん」「おいしいでしょ.香りも良いでしょ?「香りも良い」「みずみずしい.これはうまいわ」
「一回出ましょうか」「入っててください」「暑いのばれました」「でも気をつけないと脱水症状起こしますよね」「そうなんです.はい」
きゅうりはとても成長が早い野菜.この時期は,一日で約3cm大きくなるそうです.そのため,朝と夕方二回収穫するんですって.
暑い中大変ですね.
ではそのきゅうりを使った農家メシ.
「家で料理とかしないんですか?お母さん任せ?」「はい,食うだけで」「食うだけね」
「お母さんの作る料理で,一番好きなのは何ですか?」「なんだろ.みんなおいしいから」「あら,良いじゃないですか」
「お母さんとは,どこで知り合ったの?」「それは内緒」「内緒!」「言えばいいべよ」「いくら梅ちゃんだって内緒」
ところでじゅうねんの冷やだれって何でしょうね?
「じゅうねんって何なんですか?」「いまはやってる,エゴマって」「エゴマ!」「今,はやりで,エゴマって言ってますよね」
「あれ,『じゅうねん』っていってたんですか?」「昔は,『じゅうねん』っていってたんです」
エゴマは栄養が豊富なしそ科の植物.古くから福島県で作られてきました.
「食べると十年長生きする」という意味で,エゴマを「じゅうねん」と呼ぶようになったそうです.
まずはエゴマの種をすりつぶします.
「昔よくでっかいすり鉢,すらされたな」「なるほど,お手伝いでね」「ばあちゃん,持ってて」「持ってろって」
「とみ,とみ,すり鉢持ってろ」「『とんこ』って」
「とんこ,とんこ.すり鉢持ってろ.とんこ」「うん.懐かしいな.とんこなんて言葉」
こちらはきゅうりの冷やだれ.これをすったエゴマにかけるんです.
▽じゅうねんの冷やだれ
https://www.amazon.co.jp/NHKBS
材料(作りやすい分量):
水---400ml,
A〈和風だしの素---大さじ2.5,酒---60ml,みりん---30ml,砂糖---30g,〉
みぞ---120g,きゅうり8〜10本,えごまの種・薬味(ねぎ,しょうが,みょうが,大葉などお好みで)---適量
作り方:
1.鍋に湯を沸かし,Aを入れて一煮立ちさせる.
2.火を止め,味噌を溶かし入れて再びひと煮立ちさせ,冷蔵庫で冷やす.
3.きゅうりは半量を小口切りに,残りを蛇腹切り(上下に細かく切れ目を入れる)にして一口大に切る.(*ポイント)
4.食べるまえに,2に3を入れる.
5.エゴマの種をすりつぶして器に入れ,4をよそって完成.
**そうめんやうどんのつけ汁としていただく.お好みで薬味を加えて召し上がれ.
「ごはんにかけてもうまそう」
「あ,すんません.とんこ,ありがとう.とんこ,お前,東京で何か,役者してるんだって?何か,お前,大根なんだって?」「何が,大根だよ」
「いただきます.めちゃめちゃうまそう.うわ,すごいわ.どうです?」
「うまい!たまらんね」「暑いときは最高だね」「最高だよ」
「うまい!めちゃめちゃうまい」
「この,きゅうりの,これまたしゃきしゃきがたまらないね.母ちゃんこのきゅうりの切り方,また変わってるね」「蛇腹に切ったので」
「蛇腹に切った?嫁さんが?細かい芸が,食べやすいもん」
「下まで切り落とさないようにキュウリの半分から2/3ぐらいの深さに細かく切れ目を入れる.そして反対側からも切れ目を入れる」
「おやじさんもこれ大好き?」(無言)(笑い)
「あれ」「何だこの男は?何で急に返事しないのよ?」
「おめさん.あんま,好きじゃないのか?うんじゃないよ.ホントに.嫁さんが,一生懸命作ってくれたんだから」「嫌いなものは食べない」
「違う,違うやん,好き嫌いじゃなくて.息子の嫁さんがわざわざ作ってくれたんやから---」
「冷やだれ食うんだったら,ビール飲んだ方がいいべ」
「ビール飲みながら,これ食えばいいべや」
「頑固ですね」「頑固.福島県人頑固ですから」
「あと,20年ぐらいの辛抱やと思います」「いや,あはははは」(笑い)