昨日のアンドロメダーに続いて取り上げるのは----
余りにも有名な天馬です.
星座とギリシャ神話2
ペーガソス.
英語読みでペガサス(Pegasus)が最も知られている呼び方かもしれません.
私を含め,ギリシャ神話を知らない日本人でも,鳥の翼を持ったこの馬の姿と名前は知っている!?
海の王ポセイドーンとメドゥーサの子で,クリューサーオールと兄弟.
ポセイドーン 三叉槍 - Wikipedia
星座になっていますが,日本での正式な星座名はペガスス座というそうです.
星座図鑑・ペガスス座に詳しい記載があります.
また,ペーガソス - Wikipediaの記事は簡潔によくまとまっていると思います.
(日本語版ウィキペディアは,外国の項目に,やや〜かなりの難がある場合場多いのですが---)
ペーガソスについて知りたければ,上記二つのサイトで十分かと思いますが----
自分の勉強のためも含め,
Theoi project PEGASOS (Pegasus) PEGASUS (Pegasos) - Winged Horse of Greek Mythology
の「ENCYCLOPEDIA」にある記述を,一部,訳してみることにしました.例によって拙く間違いだらけと思いますが,
なお,この記事はDictionary of Greek and Roman Biography and Mythology. が原典とのことです.
PEGASOS (Pegasus) ENCYCLOPEDIA
PEGASUS (Pegasos) - Winged Horse of Greek Mythology
有名な翼を持った馬.出生については,次のように語られています.
ペルセウスがメドゥーサの頭を刺し切った時,クリューサーオールとペーガソスが生まれました.
Pegasus in Greek Mythology - Greek Legends and Myths
ポセイドーンがメドゥーサと交わったとき,馬や鳥に姿を変えていたので,翼を持った馬がうまれたのです.ペーガソスという名前は,オケアノス(:大陸を取り巻く大海流)の源流(sources: pêgai)近くで生まれ出たためつけられました(訳注1).
ペーガソスは成長して不死の神格の位置を得て,ゼウスの宮殿に住み,雷や雷光をゼウスのために運ぶことになりました.
この記述は最も古いものなので,ペーガソスはゼウスの“the thundering horse (雷をつくりだしている馬?)”だったことになります.
しかし,後の作家は,ペーガソスを暁の女神エーオースの馬として記述し,また,天空の馬として,星々の中に置きました.
ペーガソスは,また,英雄ベレロポーンがキマイラ(キメラ)と闘った時に,卓越した役割を果たします.
PEGASUS (Pegasos) - Winged Horse of Greek Mythology
キマイラと闘うために,ペーガソスを手に入れようとして果たさず,といろいろ悩んでいたとき,コリンス(コリントス)で予言者のポリューイドスの教えを乞いました.予言者はアテーナーの神殿で一晩過ごせと告げます.
そこで,ベレロポーンが神殿で寝ているとアテーナーが夢に現れ,ポセイドーンへ生け贄(いけにえ)を差し出すようにといい,ベレロポーンには金のくつわと手綱を与えました.目を覚ますとくつわと手綱があったので,言われたとおり生け贄を捧げPeireneの泉で水を飲んでいたペーガソスを捕まえました.
別の話によれば,アテーナー自身が飼い慣らして,くつわや手綱をつけ,ベレスポーンに引き渡した,もしくはポセイドーンから受け取った,とも記されています.
ベレスポーンはキマイラに打ち勝った後,ペーガソスに乗って天に昇ろうとしますが,地面にたたき落とされます.怖れのためともめまいのためともいわれています.また,ゼウスが送り込んだウシアブのせいで激しく動いてしまったペーガソスによってふるい落とされたともいわれています.
ベレスポーンが落ちてしまったにもかかわらず,ペーガソスは飛び続けました.
ペーガソスは,最後にムーサ(ミューズ)の馬になったともいわれています.(以下略)
訳注1)
ペーガソスもギリシャ以前からの神の名前だったかもしれません.
pegasus | Origin and meaning of the name pegasus by Online Etymology Dictionary
によれば,
ペーガソスという名前は,「オケアノス(:大陸を取り巻く大海流)の源流(sources: pêgai)近くで生まれ出たため」という説は,広く信じられていますが,「folk etymology 俗説の語源」である可能性が強いようです.
言語学的には語尾が他言語由来を示していて,近年の「ルウィ語(紀元前16世紀〜紀元前7世紀の資料が残っている)」の研究から,ルウィ語の天候の神のギリシャ語名に関連している可能性が指摘されています.