ゲッケイジュ(月桂樹 laurel)のリース/冠:誰もが知る,勝利と名誉の象徴.
http://greekmythology.wikia.com/wiki/File:How-to-Make-a-Laurel-Wreath.jpg
英語に”laureate”という言葉があります.
中期英語の月桂樹 laurerに由来する言葉で
「(優れた業績を上げ)名誉を受けた人,受賞者」を意味します.(ランダムハウス英語辞典)
古代ギリシャでは,月桂樹はアポローン(アポロン / ローマ神話アポロー,英語アポロ)に捧げられた樹木. Laureate - Wikipedia
アポローンは,ギリシャ神話では予言・芸術・音楽・医療の神にして,光明神.
後にヘーリオス(太陽)と混同され,古代ローマでは太陽神として有名.
しばしば,月桂冠とともにデザインされます.
Goldberg Coins and Collectibles
そして,月桂樹の冠やリースは詩人や英雄の名誉を讃えてきました.Laureate - Wikipedia
この習わしは広がって,ローマ皇帝やナポレオン皇帝は,月桂冠を戴いてコインとなっています.
“桂冠詩人“と訳される英語 poet laureate は,(王室付きの)優れた詩人.
Laureate lettersといえば,勝利を伝える至急報,bacca-laureateといえば,修士号を意味する言葉になっています.Laureate - Wikipedia
そして,ノーベル文学賞の裏側の図柄は,
歌を歌うミューズ(女神)と月桂樹の下に座って歌を書き留める若い男がデザインされています.文学賞のみということは,芸術の神としてのアポローンを意識したものでしょう.
現代オリンピックゲームのメダルにも月桂樹がデザインされることは多いようです.
例えば,2016年リオデジャネイロオリンピックのメダルのデザインは---
Rio 2016: Olympic Games and Paralympic medal designs revealed - BBC Sport
では,2004年アテネオリンピックで,勝者の頭上にあった冠も月桂冠?
Olive branch ends Olympian battle of ancient trees - Telegraph
当時,何気なく映像/画像を見ていた私.聞かれれば月桂樹と答えたでしょう.
しかし,この時は,「古代ギリシャオリンピックに因んで」---オリーブのリースが頭上にありました.
しかし,古代ギリシャで月桂冠で勝者を讃えた競技会,すなわちアポローン神を讃えた競技会は,別に開かれていていました.
その名前は,ピューティア大祭.
オリンピックの二年後に聖地デルポアで開かれ,勝者は月桂樹で讃えられました.
ピューティア大祭 - Wikipedia Pythian Games - Wikipedia
続く