くじら座の学名はCetos
「ケートス(古希: κῆτος, kētos)はクジラ類やアザラシなどの『海獣』を意味するギリシア語だが、ギリシア神話においては本来の姿をやや離れ、一種の怪物として登場する。」ケートス - Wikipedia
the Theoi Projectの解説は次の通り:
“THE KETOS AITHIOPIOS”として取り上げています.
ETHIOPIAN CETUS (Ketos Aithiopios) - Sea-Monster of Greek Mythology
前回の英語版ウィキペディア “アンドロメダー” からの引用と内容と重なりますが----
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/09/24/001326
yachikusakusaki.hatenablog.com
拙訳で:
エチオピアのケートス(海獣)は,海の怪獣.娘のアンドロメダーがネーレイデスより美しいと,傲慢にも自慢したカッシオペアに対する罰として,エチオピアの地を破壊させるためにポセイドーンによって送られました.
海の神の憤怒を和らげるため,娘のアンドロメダーは,怪獣のための生け贄の食物として,岩に鎖で縛り付けられました.
ちょうどその時,ペルセウスが,メドゥーサの首を持って,ギリシャに帰るために空を飛んできました.
彼は,娘をみかけ,空から降りてきて怪獣を殺し,彼女を解き放って花嫁としました.人によっては,この英雄は,怪獣を石に変えたといいます.古代の旅人がしばしば訪れたJoppaのレバノンの町の近くの岩に.
この怪獣は,ペルセウス,アンドロメダーと彼女の両親;王ケフェウスと女王カッシオペアとともに,星座として,天の星々の間に置かれました
ETHIOPIAN CETUS (Ketos Aithiopios) - Sea-Monster of Greek Mythology
THE KETOS AITHIOPIOS (Cetus Aethiopius) was a sea-monster sent by Poseidon to ravage the land of Aithiopia (Ethiopia) as punishment for Queen Kassiopeia's (Cassiopeia's) hubristic boast that her daughter Andromeda was more beautiful than the Nereides. To assuage the wrath of the sea-gods, the girl was chained to a rock as a sacrificial feast for the monster. It was at this time that Perseus was winging his way back to Greece with the head of Medousa (Medusa). He spied the girl, flew down, slew the monster and carried her off as his bride. Some say the hero turned the monster to stone--a rock near the Lebanese town of Joppa frequented by ancient tourists.
The Sea-Monster, along with Perseus, Andromeda, and her parents King Kepheus (Cepehus) and Queen Kassiopeia, were placed amongst the stars of the sky as constellatons.
このペルセウスとアンドロメダーの物語は,多くの古代ギリシャ神話作家/歴史家が描いていますが,よく知られている古代ギリシャ原著にアポロドーロス「ビブリオテーケー」があります.
(現在ではアポロドーロスが書いたのではないとされ,“Pseudo-Apollodorus, Bibliothecaと書かれます.日本語では偽アポロドーロス「ビブリオテーケー」でしょうか)
日本語に訳されていますので,さかのぼってゴルゴーン退治の場面から転載させて頂きます.
アポロドーロス (著), 高津 春繁 (翻訳) より
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(ペルセウスは)ニムフの所へ行ってその欲するところの物を得,キビシスを身の纏い(まとい),(翼のある)サンダルをば踵(かかと)につけ,(ハーデースの)帽子を頭にかぶった.
この帽子をかぶっていると自分の欲する物は見ることができるが,他の者からは見られないのである.
また,ヘルメースから金剛の鎌を得て空を飛んでオーケアノスに来たり,ゴルゴーんたちが眠っているところを見つけた.
ゴルゴーンたちはステノー,エウリュアレー,メドゥーサである.メドゥーサのみが不死ではなかった.それゆえペルセウスはこの女の頭を取りにやられたのである.
ゴルゴーン達は龍の鱗(うろこ)でとり巻かれた頭を持ち,歯は猪のごとく大きく,手は青銅,翼は黄金で,その翼で彼女らは飛んだ.そして彼女たちを見た者を石に変じた.
ペルセウスは彼女らが眠っている上に立ちふさがって,アテーナーに手を導かれ,面をそむけつつ,それによってゴルゴーンの姿を眺める青銅の盾の中を眺めながら,彼女の首を切った.首を切り取るやゴルゴーンより有翼の馬ペーガソスとゲーリュオーンの父クリューサーオールが飛び出した.これはメドゥーサが,ポセイドーンによって生んだのである.
ペルセウスはキビシスの中にメドゥーサの首を入れ,再び立ち戻った.ゴルゴーンたちは眠りから起きて,ペルセウスを追ったが,帽子のために彼を見ることができなかった.これによって隠されていたからである.
彼はケーペウスが支配していたエティオピアに来て,その娘アンドロメダーが海の怪物の餌食として供えられているのを見出した.
というのは,ケーペウスの妻カッシエペイアが海のニムフよりも美しいと誇ったからである.そこで海のニムフたちは怒ったし,ポセイドーンは彼女らとともに憤慨し,高潮と怪物とを送った.
アムモーンが,もしカッシエペイアの娘アンドロメダーが怪物の餌食として供えられるならば,禍から救われるだろうと予言したので,ケーペウスはエティオピア人に強いられて,これを行い,娘を岩に縛り付けた.
ペルセウスは彼女を見て恋し,もし救われた少女を彼に妻にくれるつもりならば,怪物を退治しようとケーペウスに約束した.この条件で誓いが交わされたので,彼は怪物を待ち伏せて殺し,アンドロメダーを解放した.
しかしケーペウスの兄弟で最初のアンドロメダーの婚約者であったピーネウスが彼に対して陰謀をこらした.しかしその陰謀を知って,ゴルゴーンを見せて彼をその共謀者たちとともに忽ち(たちまち)石と化してしまった.
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