星座の名前とその起源: 国際天文学連合で認められた星座の総数は88個あるそうで,学名はラテン語.人類がはじめて地球を歩き回って以来ずっと,空に見える天体に大きな意味が与えられ,名前や神話物語が,夜空の星のパターンによるものとされてきました.このようにして,私たちが星座として知っているものが生み出されました.考古学的な研究は,17300年前ごろの南フランスのラスコー壁画に,天文の模様とみられるものを確認しています.

このブログで,昨日/一昨日に取り上げたくじら座

yachikusakusaki.hatenablog.com

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この名前は,学名のCetos(ラテン語)を日本語に訳したもので,私たちが知っているクジラではなく,ギリシャ神話の怪獣ケートスに由来するものでした.

 

星や星座は,世界各地でそれぞれの名前がつけられていたと考えられます.

例えば「すばる」はもともとある日本名であることはよく知られていますね.プレアデス星団に相当する名前.

しかし,現在の学名とされているものは,“1928年の国際天文学連合IAU第3回総会中の委員会で承認されたもの”

国立天文台トップページ > 新天体関連情報 > 星座名・星座略符一覧 星座名・星座略符一覧(略符順) )

IAUの承認を受けた星座の総数は88個あるそうで,学名はラテン語略符としてアルファベット3文字で表すこともあるそうです.

 

例えば,秋の星座の名前の一覧に,この略符とラテン語名をつけて示してみます.

星座図鑑・秋の星座 星座名・星座略符一覧(星座名順) https://www.iau.org/public/themes/constellations/

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https://www.study-style.com/seiza/autumn.html

(上記図中の四角で囲った星座,下記アンダーラインは,今までこのブログで取り上げた星座)

アンドロメダ座 And/Andromeda                うお座 Psc/Pisces

おひつじ座 Ari/Aries      カシオペア座 Cas/Cassiopeia

くじら座 Cet/Cetus                      ケフェウス座 Cep/Cepheus

けんびきょう座 Mic/Microscopium                  こうま座 Equ/Equuleus

さんかく座 Tri/Triangulum                          ちょうこくしつ座 Scl/Sculptor

つる座 Gru/Grus                           とかげ座 Lac/Lacerta

ぺガスス座 Peg/Pegasus                            ペルセウス座 Per/Perseus

ほうおう座 Phe/Phoenix                            みずがめ座 Aqr/Aquarius

みなみのうお座 PsA/Piscis Austrinus                 やぎ座 Cap/Capricornus

ろ座 For/Fornax

 

このような星座の起源について,上記,国際天文学連合IAU)のサイトでは,次のように記載しています.

2/3ほどなんとか訳してみました.間違いがあるかもしれませんが----

 

現在,私が興味を持っているギリシャ神話と星座については,

国際天文学連合IAU)が認めている88の星座のうち,半数以上は,古代ギリシャに起因する」としています.

私としては,思ったより少ないな,という印象ですが---

 

星座の起源

Origin of the Constellations

https://www.iau.org/public/themes/constellations 

人類がはじめて地球を歩き回って以来ずっと,空に見える天体に大きな意味が与えられてきました.

人類の歴史を通して,そして,多くの異なった文化を横断して,名前や神話物語が,夜空の星のパターンによるものとされてきました.そして,このようにして,私たちが星座として知っているものが生み出されました.

Ever since people first wandered the Earth, great significance has been given to the celestial objects seen in the sky. Throughout human history and across many different cultures, names and mythical stories have been attributed to the star patterns in the night sky, thus giving birth to what we know as constellations.

 

最初の星座はいつ書き留められたのでしょうか?

考古学的な研究は,南フランスのラスコー壁画に,天文の模様とみられるものを確認しています.私たちの先祖は,17300年前ごろの洞窟の壁に,彼らがみた夜空の眺めを記録したのかもしれません.プレアデス星団がヒアデス星団の横に並んで示されていると考えられています.星のパターンの最初の描写は,17000年前になされたのでしょうか?(Rappenglück 1996)

When were the first constellations recorded? Archaeological studies have identified possible astronomical markings painted on the walls in the cave system at Lascaux in southern France. Our ancestors may have recorded their view of the night sky on the walls of their cave some 17 300 years ago. It is thought that the Pleiades star cluster is represented alongside the nearby cluster of the Hyades. Was the first ever depiction of a star pattern made over seventeen millennia ago? (Rappenglück 1996)

 

国際天文学連合IAU)が認めている88の星座のうち,半数以上は,古代ギリシャに起因し*,これらは,それ以前の古代バビロニア人,古代エジプト人,アッシリア人の働きをまとめたものです.

私たちが知っている48の星座は,クラウディオス・プトレマイオスアルマゲスト第7巻,第8巻に記録されています.しかし,これらの星座の正確な起源は,依然としてはっきりしていません.

Over half of the 88 constellations the IAU recognizes today are attributed to ancient Greek, which consolidated the earlier works by the ancient Babylonian, Egyptian and Assyrian. Forty eight of the constellations we know were recorded in the seventh and eighth books of Claudius Ptolemy’s Almagest, although the exact origin of these constellations still remains uncertain.