クルミは,日本でもおなじみのナッツ.
そして,世界に広げてみても,最も広範囲の国で,しかも古くから食べられているナッツと言えるかもしれません.
現在,世界で主に食べられているクルミは,種として3種類と言われていますが--- https://en.wikipedia.org/wiki/Walnut
ペルシャグルミ Juglans regia.
世界に流通しているクルミの大部分はJuglans regiaの実.
https://en.wikipedia.org/wiki/Juglans_regia
クルミの漢字は胡桃.4世紀ころに中国へ西方から渡来したのでこの名があり(ニッポニカ),その時の種も,おそらくこのペルシャグルミ.現在中国(世界一のクルミ生産国)で栽培されているのはこの品種です.
https://www.google.com/search? seed of Juglans regia
日本で栽培されているクルミには,テウチグルミ,シナノグルミがありますが,いずれも種としてはペルシャグルミ/セイヨウグルミJuglans regiaの変種,交雑種とされています.
https://arima.co.jp/nutslabo-blog/column/walnut/2023/04/18/23041/
https://www.wilsonbrosgardens.com/juglans-nigra-black-walnut-tree-3-gallon.html
オニグルミ/Japanese walnut(ニホンクルミ)
種としては,Juglans ailantifolia (Juglans mandshurica var. sachalinensis).
日本の山で見られるクルミはオニグルミです.日本では縄文の時代から食べられていたことが知られています.https://www.tomaibun.jp/3c9116ac98a66a48d41f4ac33571fd92.pdf
現代では,自宅の木から,あるいは山で拾って食べることはあっても,大手のお店で売られていることはあまりないでしょう.通販を利用してようやく手に入るかと思います.
ただ,世界的に見ても味のよさはよく知られていて,英語版ウィキペディアでも世界で食べられているクルミの三番目に記載があります.
アメリカでは,鑑賞用クルミの木として栽培がすすんだとのこと.装飾的な葉と春に実る尾状花が好まれたようです.
https://www.google.com/search?オニグルミの木
そして,このオニグルミ(ニホンクルミ)から,食用のheartnutと呼ばれる品種がつくられ,とても美味しいと評判のようです.
https://ja.wikipedia.org/wiki/オニグルミ
heartnut
https://en.wikipedia.org/wiki/Juglans_ailantifolia
ハートナッツはニホンクルミの品種で,果実の断面がハート形で割れにくいことで区別されます.ハートナッツは甘いナッツで,ブラック・クルミやペルシャ・クルミにありがちな苦い後味はありません.この亜種はバターナッツと交雑し,「ブアートナッツ」(Juglans x bixbyi)が生まれました.