ポワール・ベル・エレーヌ フランスのチョコレートデザート12  「洋梨のベルエレーヌ」.洋梨の皮をむき,白ワイン/水にレモン汁と砂糖でポーチし,冷やして,バニラアイスクリームと熱いチョコレートソースとともに供します.ベルエレーヌは「美しきエレーヌ」の意で,エレーヌは,トロイア戦争の引き金となった絶世の美女ヘレネーのフランス語読み.オッフェンバックのオペレッタ『ラ・ベル・エレーヌ』の初演を祝うために命名したと言われています.「魅力を一新しようとするシェフが後を絶たない」とのこと.

ウェブ・書籍を頼りにスイーツの歴史を調べるシリーズ26

 

フランスのチョコレートデザート12

フランス伝統チョコレートケーキを,フランス伝統菓子図鑑(山本ゆり子)に記載のあるものを順に紹介しています.今日は:

 

ポワール・ベル・エレーヌ poire Belle-Hélène

(チョコレートデザートとは,言えないかもしれませんが,ここでとりあげさせていただきます)

日本では「洋梨のベルエレーヌ」と紹介されます.

https://www.miele.co.jp/domestic/3357.htm

「甘く完熟した洋梨の皮をむき,白ワインまたは水にレモン汁と砂糖を加えたものでポーチします.でき上がったら冷たく冷やして,バニラアイスクリームと熱いチョコレートソースとともに供します」

https://www.google.com/search?client=ポワール・ベル・エレーヌ

https://www.google.com/search? Poire Belle Hélène

 

ベルエレーヌは「美しきエレーヌ」の意.

フランス語名「エレーヌ」と聞いてもあまりピンとこないのですが,「ヘレン」もしくは,「ヘレネ」「ヘレネー」と言えば----

この名前を持つ最も有名な女性の一人が,ギリシャ神話に登場するヘレネー(*)で,彼女の名前を冠したデザートになっています.

(*)へレネーは白鳥に化けたゼウスがレーダーと契って生まれた絶世の美女.スパルタ王メネラーオスの妻でしたが,パリスの審判の後,トロイアの王子パリスとともにトロイアへ.

トロイア戦争の引き金となります.

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/12/02/020557

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/04/18/001413

 

名前の由来として,広く知られている説は

1864年ジャック・オッフェンバックオペレッタ『ラ・ベル・エレーヌ』の初演を祝うため,オーギュスト・エスコフィエがこの料理を創作し命名した」というもの.

実際には「オペレッタが長い間上演され、500回という当時としては膨大な回数を上演していた時期の可能性が高い」

https://www.myparisiankitchen.com/origine-et-histoire-des-poires-belle-helene/

とのことですが---

 

以下,このデザートを紹介したフランス語の記事を,DeepL翻訳で.

 

La poire Belle-Hélène : d'où vient ce dessert et comment le préparer comme les grands chefs

ポワール・ベル・エレーヌ:このデザートはどこから来て,どのようにマスターシェフのように調理するのか?

https://www.cuisineactuelle.fr/culture-food/les-petits-plus-en-cuisine/conseils-et-astuces/la-poire-belle-helene-dou-vient-ce-dessert-et-comment-le-preparer-comme-les-grands-chefs-190584

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オーギュスト・エスコフィエによって有名になった,チョコレートで覆われた洋ナシのポシェにアイスクリームを添えたこのデザートは,今でもその美しさを失わず,私たちの五感を刺激する!多くのシェフがこの洋梨をミューズにしているほどだ.

 

ポワール・ベル・エレーヌは,砂糖シロップでポシェした洋梨,バニラアイスクリーム,チョコレートクーリの組み合わせである.チョコレート・クーリは,ダークチョコレート,ミルク,クリーム,バターを温かく混ぜ合わせたもので,洋梨とアイスクリームをコーティングしている.思いがけない喜びを隠すグルメキルトのように.生クリームとフレークアーモンドを加える美食家もいる.しかし,オリジナルのレシピには何も入っていない!

 

ポワール・ベル・エレーヌの起源は?

この甘い名前の由来は?オペレッタから!より正確には,オッフェンバックのオペラ・ブッフである.

1864年,ゼウスの娘にちなんだその名も『ラ・ベル・エレーヌ』がパリで上演された.この作品の成功を受けて,グラン・ブールヴァールのブラッスリーでは,メニューの料理名をすぐに変更した.ベル=エレーヌのトゥルネド,ベル=エレーヌの鶏肉料理,そしてベル=エレーヌの洋梨料理(ポワール・ベル・エレーヌ)である.このデザートの作者は,料理界で有名なオーギュスト・エスコフィエとされることが多い.

しかし,エスコフィエがレシピを完成させたという証拠はない.何よりも,ヨーロッパの宮殿のメニューに載せることで,この料理は有名になったのである.

 

ポワール・ベル・エレーヌのレシピを進化させるには?

ポワール・ベル・エレーヌの魅力を一新しようとするシェフが後を絶たない.

その筆頭がアラン・デュカスだ!彼のひと手間?ポーチした洋ナシの中にクレーム・パティシエールを入れるだけ.このたっぷりとした甘いフィリングが,果実に気品のある丸みを添えている.

他の候補者の中には,もちろんシリル・リニャックもいる!洋ナシのシロップに,パティシエはレモンとオレンジの皮,スターアニス,バニラのさや,シナモンスティックを加える.------