シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ.
今日は第三回.
近くの花屋では,ここ二三年あまり見なくなったような気がしますが,シソ目クマツヅラ科には,このバーベナとランタナという,園芸品種が属することがよく知られています.
バーベナで検索すると,色鮮やかな花の画像が沢山検索されてきます.
https://www.google.com/バーベナsearch
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-267
「バーベナは日本では園芸的に一年草として扱われる品種と,比較的耐寒性があって多年草となる品種とがあります.
花が少ない真夏の炎天下でも生育おう盛で,春から晩秋まで咲き続けます.」とあります.
品種の名前と画像も紹介されていて,かなり沢山の品種が開発されていることがわかります.
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-267
園芸品種以外にも,日本ではバーベナを見ることができます.
一つは侵入植物として.
ヤナギハナガサとアレチハナガサがこれに相当します.どちらも南アメリカ原産とのこと.
ヤナギハナガサには,かつてお目にかかったことがあります.名前も花も結構美しいのですが----.
https://en.wikipedia.org/wiki/Verbena_bonariensis
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤナギハナガサ
https://biodiversity.pref.fukuoka.lg.jp/invasives/アレチハナガサ
https://ja.wikipedia.org/wiki/アレチハナガサ
日本で見ることができるもう1種は,在来種.科と属の名前もこの植物に由来するクマツヅラ.
「茎を葛(つづら)の蔓(つる)のように密生する様子を熊にたとえた」とのこと(https://www.mukogawa-u.info/botanic/database/ka/003/file_264.html).
クマツヅラは,日本だけではなく,「アジア,ヨーロッパ,北アフリカの暖帯から熱帯に広く分布し,原野や道端に生える」(https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusodb/detail/006441.php)とのこと.
そして,日本,中国,ヨーロッパで,薬草として用いられてきました.
生薬名,並びに中国名は馬鞭草.
https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusodb/detail/006441.phpによれば,
「解毒,消炎,利尿作用があり,黄疸,下痢,尿閉,月経不順などに用いる.
中国では腎炎の浮腫や肝硬変の腹水,マラリアやフィラリアなどの治療に応用されている.
欧米では神経痛や頭痛,肝胆系の治療に利用している.根は下痢に用いる.皮膚病や腫瘍には生の葉のしぼり汁あるいは煎液を外用する.」
日本・中国だけではなく,ヨーロッパでも薬用に用いられてきたため,
(古代には“聖なるハーブ”として,清め,祭礼に用いられてきました.https://www.lab2.toho-u.ac.jp/phar/yakusou/herb/ba-beinn.html )
今でも英語の研究論文が専門誌に投稿されています.
以下はその一例で,ある総説の要約です.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32937665/
(DeepL翻訳)
Review Planta Med
. 2020 Nov;86(17):1241-1257. doi: 10.1055/a-1232-5758. Epub 2020 Sep 16.
Verbena officinalis (Common Vervain) - A Review on the Investigations of This Medicinally Important Plant Species
Verbena officinalis (Common Vervain) -この薬用として重要な植物種研究に関する総説
クマツヅラ(Verbena officinalis)は世界に広く分布する薬用植物で、伝統的な漢方薬を含む各国の民間療法によく用いられている.
Verbenae herba は、2008年より欧州薬局方に,1995年より中国薬局方に収載されている.
その化学組成ーイリドイド,フェニルプロパノイド配糖体,フェノール酸,フラボノイド,テルペノイド,精油を豊富に含んでいるーに関する現在の知識を概説し,本論文の大部分は,伝統的な薬用用途と,バーベナハーブ抽出物および個々の代謝産物の新たな重要な用途,例えば抗酸化剤,抗菌剤,抗炎症剤,神経保護抗がん剤,鎮痛剤,抗けいれん剤などを証明する専門的な薬理学的in vitroおよびin vivo研究を要約したものである.
さらに,特に抗酸化作用,抗菌作用,抗炎症作用,魅力的な香りを持つエッセンシャルオイルの存在から,食品や化粧品産業におけるバーベナオフィシナリスの利用に重点を置いている.本稿では,この種のバイオテクノロジー研究の現状も紹介する.