「春近し」「春寒し」  青果店に菜花がありました.春近しを感じさせてくれます.“こまやかに思ひはかけて春待ちぬ菜畑の上のうす黄なる雲 斉藤史“ 流れにも青空が “水ぐるま春めく聴けば一方にのる瀬の音も輝くごとし 北原白秋”  梅の花は,「春近し」を思わせる「春待つ」花.同時に「春寒」「春寒き」を感じさせる花.“春寒のふた日を京の山ごもり梅にふさわぬわが髪の乱れ 与謝野晶子” “草も木もふりまがへたる雪もよに春待つ梅の花の香ぞする 源通具”

今日は一日中晴れ.

寒い日と,晴れた日が交互にやって来る中,日に日に春が近づいているのでしょう.

 

朝,連売(鎌倉市農協連即売所)の店先を覗いてみると,まだまだ冬野菜が並んでいましたが---

菜花もありました.春近しを感じさせてくれます.

 

こまやかに思ひはかけて春待ちぬ菜畑の上のうす黄なる雲  斉藤史 朱天

 

ただ,ネットで見ると,菜花の収穫は11月から始まっているとのことです.野菜で季節を感じることが難しくなっている---

https://www.mboso-etoko.jp/top/goodlife/disp_A.asp?id=14762&group=122

 

今日は夕方来客があって散歩ができないため,少し回り道をして午前中に妙本寺まで足をのばすことに.

途中の川の流れにも青空が映り込んでいて,ここでも春近しを感じさせてくれました.

 

以前の日本の山里ならば,川には水車があって,その音から春を予感することもあったのでしょうが,現代の,しかも都市部の川にその光景を望むのは無理ですね.

https://www.worldfolksong.com/songbook/japan/morinosuisha.htm

 

水ぐるま春めく聴けば一方(ひとかた)にのる瀬の音も輝くごとし  北原白秋

 

森の水車 

清水みのる(詞) 米山正夫(曲) 並木路子(唄)

https://www.youtube.com/watch?v=uijiy4_qR5I

緑の森のかなたから 陽気な唄がきこえましょう

あれは水車の廻る音 耳をすましておききなさい  

コトコトコットン フアミレドシドレミフア

コトコトコットン コトコトココットン

仕事にはげみましよう

コトコトコットン コトコトコットン

いつの日か 楽しい春がやって来る

 

 

 

クロガネモチの実を食べに来ているのはヒヨドリ梅の花の蜜を吸うのはメジロ

(全身を捉えた写真は撮れず,『隠れた鳥を探せ!』といった画像になってしまいました)

 

明日は暖かいそうですが,月曜はまた寒いという予報です.

 

梅の花は,「春近し」を思わせる「春待つ」花.同時に「春寒」「春寒き」中、咲く花でもあります.

 

 

春寒(はるさむ)のふた日を京の山ごもり梅にふさわぬわが髪の乱れ  与謝野晶子 みだれ髪

 

 

春寒の宵の灯かげや衣ずれや暗の香ゆらぐ紅梅の殿  釈迢空 釈迢空短歌綜集・拾遺

 

 

春寒き梅の疎林をゆく鶴の高く歩みて枝をくぐらず  中村憲吉 軽雷集

 

 

梅の花春待ちわびて咲きにけり今はにほひの添はるばかりぞ  壬生忠見 只見集

 

 

草も木もふりまがへたる雪もよに春待つ梅の花の香ぞする  源通具 新古今集

 

 

春近くなるをもしらぬ山住(やまずみ)をおどろかしつる梅の初花  小沢蘆庵 六帖詠草