桜が終わり,そろそろ藤が咲き始めているのでは?と光則寺まで行ってきました.
藤は咲いている?光則寺へ1
山門の手前の藤棚.まだ満開とまでは言えないまでも,十分見応えのある姿で迎えてくれました.
藤は咲いている?光則寺へ2
山門をくぐって境内を入ると
本堂の左手に,かなり大きな藤が植えられています.
山門手前の藤と違って,藤棚となっていないところが,魅力.
絡みついている木はヒバ?
いずれにしても自然の姿にとても近く,神社仏閣でこのような姿の藤は少ないのではと思います.
古歌では「松にかかれる藤」がよく詠まれているそうです.自然の中で藤を観賞していたのでしょう.例え境内に植えられている場合でも,かつては藤棚ではなく,樹木に絡みつかせたのかともしれませんね.正確なところは調べ切れていませんが.
“藤“が詠み込まれた歌.
恋しければ形見にせむとわが宿に植ゑし藤波いま咲きにけり (万葉集・八・一四七一) 山部赤人
藤波の影なす海の底清み沈(しづ)く石をも玉ぞわが見る (万葉集・十九・四一九九) 大伴家持
緑なる松にかかれる藤なれどおのがころとぞ花は咲きける (新古今集・春下・一六六) 紀貫之
夕月は円く大きく空にあり藤の花芽はほぐれかかれり (庭苔)一九二六 岡麓
蜜蜂が花粉に足を太くして咲きにぎはへる藤のなかとぶ (三齢幼虫)一九七九 奥村晃作
以上,古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)より