美しい赤い実をつけるガマズミ属(ビバーナム Viburnum)の植物たち.
yachikusakusaki.hatenablog.com
ガマズミ属が属するレンプクソウ科は,小さな科で三つの属で構成されていますが,
https://www.mdpi.com/2223-7747/9/9/1143/htm
ガマズミ属のすぐお隣さんがニワトコ属 Sambucus.
こちらもかわいらしい実をつけることがよく知られていて,その実はelderberryと呼ばれているとのこと.
そしてelderberryで検索してみると---
植物としての実の画像と共に,瓶詰めの画像が.
日本の輸入代理店の広告で,その内の一つを例示すると
https://www.amazon.co.jp/Natures-Way
「子供用 サンブカス グミ 標準化エルダーベリー味 60 グミ (海外直送品) .自然の良さをそのままサプリメントに詰め込みました.」
瓶詰めの多くは,エキスを使ったグミ.健康食品として売られている?
また,植物としてのelderberryの解説は,例えばこのように.
The Elderberry: Growing, Harvesting, and Using the Tree
(DeepL翻訳)
「エルダーベリーは,庭でも野生でもよく育つ,とても人気のある植物です.庭に野生動物を呼び寄せるのに最適な木であり,花や実を収穫して様々な用途に利用することができます.
美味しいエルダーベリージャムやワイン,パイから,効果的で自然なインフルエンザ対策まで,エルダーベリーは非常に有益な植物です.いくつかの注意点もありますが,ぜひ知っておいていただきたい植物です.」
インフルエンザ対策??
アメリカの健康食品熱は日本以上.インフルエンザに効くという怪しげな説が一部に流布しているようですね.
ただし,次のような注意書きもありました.熟した実を食べること.できるだけ調理して.熟していないものは,毒があるようです.要注意.
The Elderberry: Growing, Harvesting, and Using the Tree
(DeepL翻訳)
エルダーベリーの花と実は,一部の人にアレルギー反応を引き起こすことが知られています.
完全に熟していないエルダーベリーの果実は絶対に収穫しないでください.未熟な果実には毒があり,吐き気を催すことがあります.
同じ理由で,生で食べるよりも調理することをお勧めします.誘惑に負けて,木から取ったばかりの実を食べないようにしましょう.
エルダーベリーを他の実のなる木と混同しないでください.見た目は似ているかもしれませんが,同じような種類の赤い実には強い毒性があることが知られています.ブラックベリーに似た濃い紫や青の実を探してください.
以上の解説がつけられたelderberryの種は,Sambucus nigra.
単にelderberryといえば,この種を指すようですが,Black elder,European elderとも.
Sambucus nigra Sambucus nigra - Wikipedia
; elder, elderberry, black elder, European elder, European elderberry, and European black elderberry
Sambucus canadensis Sambucus canadensis - Wikipedia
; the American black elderberry, Canada elderberry, or common elderberry,
elderberryは,日本にも生育しています.
Sambucus sieboldiana Sambucus sieboldiana - Wikipedia
; the Japanese red elder.
Sambucus sieboldiana - Wikipedia
そして,このJapanese red elderの和名が,ニワトコ.
ニッポニカ ニワトコとは - コトバンク
本州から九州、および朝鮮半島に分布し、北海道には花序の粒状突起が長い変種エゾニワトコがある。庭木として植えられ、早春の切り花とする。葉は発汗、利尿に効果があり、民間薬とする。髄は顕微鏡観察用の切片をつくるのに用いる。
ニワトコ属は北半球、アフリカ北部、東南アジア、オーストラリア東部、ニュージーランド、南アメリカに約20種分布する。セイヨウニワトコS. nigra L.はヨーロッパに産し、花を薬用とし、果実でワインをつくる。
精選版 日本国語大辞典 接骨木とは - コトバンク
接骨木を慣用漢名としているが、正しくはセンリョウの漢名。たずのき。こもうつぎ。きたず。にわとこぎ。
そして,ニワトコは,万葉集,古事記にも登場します.「ヤマタヅ」として.
この話題は明日.