庭の片隅にローズマリーの花が.
ほとんどほったらかしの状態で植木鉢を置いていたので,いつ咲いたのかはっきりしません.
小さな苗を購入して3年目.以前二度ほど育てたときには,かなり大きくなったと思ったら,突然根腐れで枯れてしまう,の繰り返しでした.
今回もそうなる予感がしますが,それまではしっかり楽しませてもらいます.
花もかわいらしいのですが,何と言っても香.料理にはなかなか使い切れていませんが,ふれるだけで手に香りが移って,シャキッとします.
この香は放って置かれず,紀元前5000年のくさび形文字に記録があるとか(英語版ウィキペディア Rosemary - Wikipedia).
その後の記録ははっきりしませんが,古代ギリシャ・ローマ時代以降,たくさんの記述があるそうです.
日本大百科全書によれば,
・古代のローマで栽培され、花冠に編み、ギリシアでは体を暖める薬として飲用した。
・古代ギリシアの時代からヨーロッパではこのローズマリーが頭脳を明晰(めいせき)にし、記憶力を増す力があると信じられ、また魔女や悪魔除(よ)けにも使われていた
・中世のイギリスやフランスでは死者に持たせ、葬儀には小枝を持って参列し墓に投げ入れた。結婚式には、香水をかけ、金粉をまぶして飾った。
・シェークスピアは『ハムレット』でオフィーリアにローズマリーを持たせ「忘れないでね」と語らせる。
・花言葉の一つは「変わらぬ愛と思い出」
(他に,「remembrance記憶」「fidelity忠実」 ランダムハウス英語辞典)
ローズマリーという名前もステキです.初めて聞いたときには女性の名前だと思っていましたが---
“海の露/雫(しずく)”を意味するとのこと.
ラテン語 rōs「露」+marīnus「海の」,または rōs maris「海の露:英語では語尾の-s が複数形のものであると誤解されて消滅した. ランダムハウス英語辞典
マンネンロウ属 Rosmarinus,ローズマリー R. officinalis
(マンネンロウ 迷迭香 は,ローズマリーの日本語名.漢字は中国での呼び名)
と思っていたら---
2017年以降,サルビア属(アキギリ属)へ.
現在は,
シソ目 Lamiale,シソ科 Lamiaceae
サルビア属 Salvia,ローズマリー Salvia rosmarinus
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.12705/661.7 Sage, rosemary, and chia: three gifts from the wisest genus (Salvia) | The Botanist in the Kitchen https://academic.oup.com/aob/article/122/4/649/5045153 https://species.wikimedia.org/wiki/Salvia
花の形状は,たしかにサルビアの花と同じです.
Sage, rosemary, and chia: three gifts from the wisest genus (Salvia) | The Botanist in the Kitchen