ヨーロッパでコロナワクチンの供給遅れる 法的措置検討の国も NHK 2021年1月26日 欧州のワクチン接種,何がうまくいっていないのか BBC NEWS JAPAN 2021年1月28日 政府のワクチン確保,ずれ込む見通し 治験遅れなどで接種スケジュール見直しへ 毎日新聞2021年1月22日 WHO “宣言”から1年 ワクチンの世界的な公平分配呼びかける NHK 2021年1月30日

ヨーロッパでコロナワクチンの供給遅れる 法的措置検討の国も

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210126/k10012833231000.html

NHK 2021年1月26日 11時22分

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ヨーロッパでは,製薬会社からの新型コロナウイルスのワクチンの供給が予定より遅れていて,イタリア政府が製薬会社に対し法的措置も辞さない姿勢を示すなど,各国はいらだちを募らせています.

 

EUヨーロッパ連合ではアメリカの製薬大手ファイザーとドイツのビオンテックが開発したワクチンの接種が先月から始まっていますが,研究者らのウェブサイトによりますと,24日の時点で少なくとも1回,接種した域内の市民は2%未満にとどまっています.

 

EU各国が製薬会社からのワクチンの供給が遅れていると指摘しているのに対し,ファイザーなどは,ワクチンを生産しているベルギーの拠点で生産拡大に伴って工程を変更しているため,一時的に供給量が減少していると説明しています.

 

また,近くEUは,イギリスの製薬大手アストラゼネカのワクチンにも使用許可を出す見通しですが,アストラゼネカも当初の供給量は予定を下回るとコメントしていて,EUは24日,会社側に契約どおりの供給を強く求める書面を送りました.

 

こうした事態にイタリアのディマイオ外相が24日,地元のテレビで「契約を履行させるようあらゆる手段を尽くす」と述べ,製薬会社に対して法的措置も辞さない姿勢を示すなど,感染力が強いとされる変異ウイルスが拡大する中,EU各国はいらだちを募らせています.

 

イギリスもワクチンの供給に懸念

変異したウイルスの感染拡大が深刻なイギリスでは,ワクチンの接種が急ピッチで進められていて,これまでに650万人余りが1回目の接種を受け,80歳以上の高齢者のおよそ78%が接種を受けたということです.

 

政府は,高齢者施設の入所者や職員,70歳以上の高齢者や医療従事者など1500万人への接種を来月15日までに行うことを目指していて,今のところ順調に進んでいるとしています.

 

ただ,イギリス政府はワクチンの供給についてたびたび懸念を示していて,ハンコック保健相は25日,記者会見で,「ワクチンの供給に余裕はない状況だ」と述べ,接種を計画どおり進めていくには,供給が大きな課題になるという見方を改めて強調しました.

 

 

欧州のワクチン接種,何がうまくいっていないのか

欧州のワクチン接種、何がうまくいっていないのか - BBCニュース

BBC NEWS JAPAN  2021年1月28日

 

欧州で新型コロナウイルスのワクチン接種が遅れ,不満が噴出している.欧州連合EU)加盟国は,批判の矛先をEUへと向けている.欧州で一体,何が起きているのか?

 

欧州ではワクチン接種をめぐり,遅れや供給トラブル,EUと英製薬大手アストラゼネカとの対立が生じている.

 

こうした状況を受け,EUは域内で製造されたワクチンについて,域外への輸出規制を強化する可能性があると警告.「加盟国の人々を守るために必要な行動は何でもする」と表明している.

 

EUのワクチン計画

EUは加盟27カ国すべてに行き渡るよう,ワクチンの購入を調整している.国の規模や購入力に関係なく,同じ条件でワクチンを入手できるようにする.

 

EUの行政執行機関である欧州委員会は,この方法によって加盟国間の競争を防止できるとしている.また,大量購入の交渉を通してコスト削減を実現できると説明している.

 

購入したワクチンは,人口に応じて各国に配布する.

 

 

アストラゼネカとの対立

ワクチン製造会社のひとつであるアストラゼネカはこのほど,供給に問題が生じていると発表した.EUは受け取る量が減ると知り,同社を批判した.

 

イギリスとスウェーデンの企業が合併してできたアストラゼネカは,ベルギーとオランダにある工場で製造面の問題が発生したことが,供給に影響していると説明している.

 

欧州医薬品庁(EMA)は今月,英オックスフォード大学が共同で開発したアストラゼネカのワクチンを認可する見通しだ.EUは昨年8月に同社と,3億回分の供給を受ける契約を結んでいる.

 

 

政府のワクチン確保,ずれ込む見通し 治験遅れなどで接種スケジュール見直しへ

毎日新聞2021年1月22日 16時52分(最終更新 1月22日 16時52分)

https://mainichi.jp/articles/20210122/k00/00m/010/214000c

 

 新型コロナウイルス感染症のワクチンを巡り,政府は米英3社から供給を受ける方針だったものの,20日に契約を締結した米ファイザー社以外の供給がずれ込みそうな見通しだ.

 

 政府はファイザーと年内に1億4400万回分の供給を受けることで最終合意.英アストラゼネカ社からは3月までの3000万回分を含む1億2000万回分,米モデルナ社からは6月末までに4000万回分,9月末までに残りの1000万回分の供給を受ける予定だ.ただ治験の遅れなどで,両社とも予定通りに実用化できるかどうかは不透明だ.

 

 このため,ファイザーから当初予定より2400万回分上積みしたが,供給時期は「年内」にずれ込んだ.政府関係者は「日本政府側から供給の上積みを求めた.世界的争奪戦の中,日本優遇と映らないよう時期を修正した」と明かす.

 

 政府は,ファイザーのワクチンについて2月中旬にも承認する構えだ.同月下旬から医療従事者1万人,3月下旬から65歳以上の高齢者,4月以降に基礎疾患のある人に接種する想定だったが,スケジュールの見直しを迫られている.横田愛,阿部亮介】

 

 

www.nikkei.com

news.yahoo.co.jp

 

 

WHO “宣言”から1年 ワクチンの世界的な公平分配呼びかける(1/30)

NHK 2021年1月30日

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/medicine/detail/vaccine.html?tab=2#mokuji85

 

新型コロナウイルスの感染拡大を受けてWHO=世界保健機関が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言してから1月30日で1年になります.

テドロス事務局長は,ワクチン接種を始めている国に対し,医療従事者や高齢者を優先したうえで,世界への公平分配の枠組みにも提供を呼びかけました.

 

WHOは2020年1月30日,中国を中心に拡大していた新型コロナウイルスの感染がほかの国にも広がるおそれがあるとして「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました.

 

テドロス事務局長は1月29日,定例の記者会見で,1年前は中国以外で感染が確認された人は100人に満たなかったのに対し,今週,感染者の累計が世界で1億人を超え,なお速いスピードで感染が広がっていると述べました.

 

そのうえで,ワクチン接種が始まっている国々に対して「医療従事者や高齢者に優先的に接種し,ほかの国も同じようにできるよう,世界への公平分配の枠組み『COVAXファシリティ』にワクチンを提供してほしい.リスクが低い人たちは,自分の順番を待ってほしい」と述べました.

 

ワクチンは,資金力のある先進国を中心に接種が始まる一方で,ほとんどの途上国では始まっておらず,テドロス事務局長は「世界全体で終わらせなければ,パンデミックは終わらない」と述べ,各国に協力を呼びかけています.