ギンバイカ(銀梅花 マートル)
(「梅/梅花の名前が付けられた植物」10)
ギンバイカ Myrtus communis は,英語でマートル(myrtle).
三年前,園芸店でたまたま見つけた“マートル”の苗.
この時はギンバイカとは知らず,班入りの葉が気に入り,それほど大きくならないということもあって購入しました.
購入後にギンバイカと知り,花を期待していたのですが---
それからあまり大きくならず,花も咲かず----
庭の片隅に追いやられています.病気でなければ良いのですが---今の時期,葉がやや黒ずんでいます.
「よく知られた植物」
日本では,こうは言い難い.しかし,欧米では当てはまるようです.
英国の「ロイヤルウェディングブーケ」.
多くの白い花でつくってあるのですが,必ず入っているのが,マートル!
Queen Victoria's garden of myrtle, used in every Royal wedding since, opens to public
1840年にビクトリア女王が結婚式を挙げたときにブーケに入れて以来,イギリス王家の伝統となっているそうです.
Every Royal Wedding Bouquet Must Have Myrtle | Reader's Digest
ギンバイカ(マートル)は,古くは美と愛の女神アプロディーテー(ウェヌス/ヴィーナス)の神木として知られる植物.
一説には,彼女の恋人アドーニス(アドニス)の母ミュラーが変身したのがマートルであったため.(オウィディウスをはじめ,多くのギリシャローマ作家は,マートルではなく『ミルラ;没薬もつやく』を採取する樹としていますが).
APHRODITE ESTATE & ATTRIBUTES - Greek Mythology PLANTS & FLOWERS OF GREEK MYTH 2
また,古代ローマのウェヌスを讃えるウェネラリア祭では,愛情,セックス.婚約,結婚を願って,女神の神像を洗い,マートルで飾ったとされています.
ギンバイカの葉は,その芳香からハーブとして用いられ,採取したエッセンシャルオイルも販売されています.
また,薬用としての利用の歴史も古く,その,抗炎症,解熱鎮痛,抗酸化作用が,現在でも注目されています.
そして,お酒にも.
コルシカ島,サルデーニャでつくられるミルト(Mirto)というリキュール.
実と葉をアルコールに漬け込んでつくられ,「濃厚な香りとほろ苦さがある甘い飲み口で、食後に飲むとすっきりする」そうです.
イタリア・サルデーニャ島のリキュール「ミルト酒」は愛と美の女神の贈り物 | 食・料理 | オリーブオイルをひとまわし