小麦と大麦(3)
小麦と大麦の自給率
古事記の記述から,麦の話に移ったのはいいのですが,だんだん堅い話になってきて---
今日は,中でも極めつき.
自給率の話.どうしてこの話になってしまったのか自分でも分かりませんが,興味を引いて貰えるとはあまり思えない.スミマセン.
小麦の自給率が低いことは誰でも見当がつきますが---
日本人のエネルギーの6%を供給している小麦.
その自給率は12%(カロリーベース).
米との違いはあまりにも大きい.(言い方を変えれば,国全体で米をプロテクトしている力の大きさに感嘆)
http://www.maff.go.jp/j/seisan/boueki/mugi_zyukyuu/attach/pdf/index-17.pdf
小麦自給率は,昭和60年以降あまり変わっていない.
そして
昭和40年〜昭和60年の間に大きな変化が起きたようにみえます.
上の表では大麦のデータも載っていて,現在10%を切る値.
しかし昭和40年には73%.何かの間違いかと思える値です(私の写し間違いかどうかは後でチェック).
いわゆる高度成長期(〜1973年)がピークに達した頃.食生活が大きな変化を遂げた時期でもあります.
小麦の自給率の内訳はどうなっているのでしょうか.少し前のデータが見つかりました.
日本めん用は国産60%で,小麦製品としては飛び抜けて優等生.
家庭用小麦粉がなんとか20%以上ですが,そのほかの小麦粉製品/本体はすべて20%以下.パンに至ってはなんと3%!
同じ数値に飼料用などを加えて表にすると以下の通り.
日本でも小麦を飼料用にしているんですね(全体の10%強).
味噌醤油は5%.これが国産小麦かどうか,正確な数値が示されていないのものの,かなり輸入に頼っていることは確か.
https://jataff.jp/project/inasaku/koen/koen_h24_2.pdf
大麦はどうなっているのでしょうか?同じ年のデータがあります.
日本で利用されている大麦の55%は飼料用.
優等生は主食用.100%国産.
主食用の麦.代表的な物は押し麦ですが--
押麦: 精白した大麦を押しつぶしたものです.真ん中に黒いすじ(黒条線)があるのが特徴です.よく「麦とろ」に使われるのは,この押麦です.
白麦: 原料麦を黒条線で二つに割り,押しつぶしたもの.麦飯の外観・舌触りが米飯に似ています.
米粒麦: 押しつぶさない白麦.お米とそっくりに加工されているので,食べやすく,またお米と比重がほぼ同じなので,ご飯を炊く時に麦が浮き上がりません.
これであなたも麦博士 | ほおばる幸せ 富山米 富山県 米麦改良協会