まんぷく農家メシ 「大根〜鹿児島県大崎町,鹿屋市」
さあ,最後は
▽「『だれやめ』にピッタリ! 絶品カンタンおつまみ
「『だれやめ』って何ですかね?」「どういう意味なんですかね?」
「だれやめ」「お料理のお名前ですかね」
さあどうなんでしょうね.
「すみませ〜ん」「はい,どうぞ」
「農家メシでございます.梅沢さんです.よろしくお願いします」
迎えたのは新城等さん,妻香織さん.
「『だれやめ』って何ですか?突然」
「だれやめ?だれやめは,その日の疲れを飲んでとる.忘れるぐらい飲む」
「『だれ』っていうのが,『疲れ』っていうことで--」「『だれ』が疲れ---『やめ』が?」
「疲れがやむ」「疲れがなくなるぐらい飲むこと.好きそうな顔してますね.お父さん.だれやめに合う,オススメ料理」
早速作っていただきましょう.
「まずは何を作ってくれるんですか?」「『いりなます』っていって」
「なます!はいはい」「一般的になますっていったら,酢の物系だと---.酢の味じゃないんですけど,こっちではなますを炒る.炒めるって感じで」
「なますを炒める」
▽料理1: 炒りなます
http://www4.nhk.or.jp/manpuku/23/
材料: 大根(小さめ1本),にんじん(1/3本),しいたけ(2個),さやいんげん(3本),サバ缶(みそ味/1缶),木綿豆腐(1丁),サラダ油(大さじ1),白だし(大さじ2),みりん(大さじ1.5)
作り方:
(1)大根は皮をむき,スライサーなどで千切りにする.
(2)大根の水気をしっかりと絞り,サラダ油を熱したフライパンに入れる.
(3)大根に軽く火が通ったら,食べやすい大きさに切ったにんじん・しいたけ,さやいんげんを入れて加熱する.
(4)野菜がしんなりしてきたら,白だし,みりんで味付けする.
(5)みそ味のサバ缶と木綿豆腐を入れ,軽く煮立たせる.
「大根たっぷり入れるんですね」「炒めてれば,かなり--しんなり.水分が抜けて」
「どうですか,お父さん.奥さんの料理は美味しいですか?」「ですね」
「あ〜なるほど.お酒に合いますか?」「あう」
「二人で飲んでるんですか?一人で飲んでるんですか?」「二人で」
「合わしてるんですか?お父さんに」「強いですよ」「強いですか?」「いや」
「ここで,キッチンドリンカーで」「はははは,ビール飲みながら料理作って」「いいじゃないですか.それくらいね」
「これ,晩酌もいいけど,昼のお弁当のおかずに」「おかずにもバッチリ」
「ばっっちり.冷えても美味しくなる.弁当に入れて,汁がご飯にしみ込んで,『え〜』ってなっても,おいしく」「見た目はちょっとね」「ははははは」
「なんか,あれですね.お父さん,何か食べる事への執着がすごいですね.説明がすごく上手というか」
お父さんの大好物,『いりなます』です.う〜ん.おいしそう.
そして,一品.
「大根ステーキです」「大根ステーキ---ステーキ?これ?」
「じゃーん.これはコンソメスープで煮たもの」
料理2: 大根ステーキ
http://www4.nhk.or.jp/manpuku/23/
材料: 大根(1本),固形洋風だし(3個),水(600ml),バター(10g),しょうゆ(適量),カイワレダイコン(飾り/適量)
作り方:
(1)大根は皮をむき,1.5cm程度の厚さの輪切りにする.
(2)鍋に,(1)の大根,洋風だし,水を入れ,20分程度弱火で煮る.
(3)バターを熱したフライパンで,(2)の大根を焼く.
(4)しょうゆを垂らし,焦げ目がついたら完成.彩りにカイワレダイコンを添える.
※バター,しょうゆは焼く個数に応じて量を増減させてください.
「奥さんとは見合い?恋愛?」「一応,恋愛」
「一応って,どういうことなんですか?」「いやいやいや,普通の」
「どこで知り合ったんですか?「地元の,昔は青年団」
「あ〜,はいはいはい」
「何で,眉毛,動かすんですか?」
「若者の集いの場所」「何か,いやらしい言い方するな」
「デートは,ほとんど飲みでしたよ」「あ〜,そうか」
「お父さん,よう眉毛動かしますね」
かわいらしいお父さんですね.
まずは,いりなますから頂きましょう.
「いりなます大根」「やっぱりこのサバ缶.合いますね.これは焼酎のおかずでしょ」
「おいしい.これはうまいわ.確かに分かる.お酒のアテでも良いし,お弁当に入れて,このおつゆがじわ〜っとご飯について」
「あれ---.東野さん.これ,いります?」「いります.いりなます」
う〜ん.ご機嫌ですね.東野さん.
お父さんが,『だれやめ』の準備を始めましたよ.鹿児島と言えば芋焼酎.
梅沢さんは,運転がありますから,お茶という事で.
「すっげえな.久しぶりやは.芋焼酎のお湯割りなんて」
「上手ですね.ほら.たっぷり」「表面張力が」
「ちょっと,え〜!ちょっと何を-----はしゃぐな〜 この出会いに乾杯.農家メシに乾杯.どうもすみませ〜ん」
「う〜!ホントに,お茶?」「ホントにお茶でした」「ははははは」
「大根ステーキ」
「いただきます.うまい」「おいしいわ」
「焦がし醤油バターが非常に大根にしみて,美味しいですね」「おいしい」
「また,これ全然同じ大根なんだろうけど,全然違う」「違う」「料理が」
ここで,お父さんが,お料理に使ったご自慢の大根を持ってきてくれました.
「でかっ!でかっ!ものすごい,でかないですか?」「オレ今まで見た中で一番でかいですね」
「じつはこれ,おでん用の大根なんです」「え〜,おでん用の大根なんか,あるんですか」
実は新城さん.6年前から,コンビニで使われるおでん用の大根を専門に作ってるんです.
おでん用の大根は,輪切りが多く取れるように,太くて長いのが特徴なんですって.
「規格もあってですね.曲がりもいかんし,小さいのもいかん」「難しいですか」
「難しいです」
せっかくなので,おでんも作っていただきました.
新城家のおでんは,白だし,ざらめ----,豚の軟骨---
▽料理3: おでん
http://www4.nhk.or.jp/manpuku/23/
材料: 大根(8切れ),豚の軟骨(100g)
具材(ゆで卵・はんぺん・厚揚げ・糸こんにゃく・里芋)(各4つ ),餅巾着(2つ)
※おでんの具材はお好みで
スープ:白だし(大さじ7),ざらめ(大さじ0.5),みりん(大さじ1),塩(小さじ0.5),おでんのもと(10g),水(600ml)
作り方:
(1)大根は皮をむき,2cmの厚さの輪切りにする.その他の具材も食べやすい大きさに切る.
(2)鍋に豚の軟骨と水(分量外)を入れ,火を通し,アクを取り除く.
(3)土鍋に,大根・ゆで卵・厚揚げ・糸こんにゃく・里芋・(2)の豚の軟骨,スープの材料を入れ,火にかける.
(4)はんぺんや餅巾着は形が崩れやすいので,食べる直前に入れる.
「おやっさんが,こん身の作った大根を」「ちょっと軟らかいですか?」
「箸がす〜っと入って.味がしみてます.お口の中で溶けました」「え〜.---おいしい.シンプルにおいしい.いや,ここはあかんわ.長居してまう感じがする」
「今日泊まってったらどう?」「ホントですよ.そんな感じで」
「やっぱり,ほら,だれやめ,今日の疲れは忘れるまで飲む」「そうだったねえ」
「眉毛---今,眉毛,動いてましたよ」
今夜は長くなりそうですね.
疲れが吹っ飛ぶ,大根の絶品おつまみ.
ごちそうさまでした.
「さあ,梅沢さん.今回はですね.鹿児島県の大崎著と鹿屋市(かのやし)で,大根を頂きましたけど,いかがでした?」
「いや,本当に大根が甘いって.一番初めに食った大根のスティック.食べた瞬間に梨かと思いました」「うん---確かに甘かったですよ」
「それと,最後のおうちのお父さんとお母さん.飲み助だったね」「はははははは」
「やっぱり何だろう.こうやって一日の疲れをその日のうちにとると.これは大事なことですよ」「大事でございますよ.ホントに一生懸命ね,大根作ってるんですから,夕方から夜にかけては,もう,好きなもん食べて,好きなもの飲んでください,と」
「奥さんは,旦那にお湯割りのませて.母ちゃん,こっちでビール飲んで.いいじゃないですか」「ははははは.いいですよね」
今が旬の甘い大根.皆さんはどうやって楽しみますか?