まんぷく農家メシ「梅沢東野びっくり!ネバネバオクラ料理 鹿児島・指宿市」3
さあ,最後は,
3軒目「娘夫婦が贈るサンキュー・ファーザー・レシピ」
「あと,ほんとに他府県から女性を引っ張ってきてますね」「今度はどこからですかね」
「あはははは.だから,娘夫婦ですから,旦那を引っ張ってきたかも分かりませんね」「旦那は,今度,群馬だったらいいね〜」
迎えたのは
堀栗光幸さん(オクラ農家35年),娘さんの沼田直美さん,夫の沼田直之さん.
「息子さんは,というか,お婿さんは,どこの出身ですか」「横浜です」
「ほら!」「みんな,そうなんだ」「いや,惜しかった.俺,群馬って言ってたんだよ」
「で,今回は,サンキューファーザーレシピ,って,これどういうことなんですか?」
「えっと,ですね.私は生まれて1ヶ月ぐらいで,母が亡くなってるんですけど.で,まあ,今まで,この方,独身でいらっしゃいまして」
「いやいや,お父さんに向かって『この方』って,どういうことなん?ちょっと,距離があったの?」「あの,反抗期がひどくてですね.私が」
「何歳ぐらいから反抗期やったの?」「まあ,一番ひどかったのは,中学校3年間.で,そのあとも,なんとなく引きずって.まあ,上京するまで」
直美さんのお母さんは,出産後,まもなく他界.
お父さんは,親戚の手を借りながら,直美さんを育てました.
お父さんに反抗しがちだった直美さんは,20代で東京へ.
そこで,会社員をしていた直之さんと出会い,結婚したそうです.
「ほんで,まあ,都会で生活するとおもいきや,こっち帰ってくんのは何でなの?」「よく,お父さんがですね,作ったお野菜を」
「送ってくれる」
「送ってもらって.で,食べたらすごく美味しくって,そういうのを僕もつくってみたいなと思って」
「あららら----うれしい話.送っといてよかったですね」「涙が」
「涙が出て来るほど,うれしい!」
「食べて美味しいから,作ってみたいと思って.じゃあ,当然,旦那さんが鹿児島,指宿,行こうって話になるわけ?」「僕が,最初に言いました」
「どうだった?」「もう,ビックリしましたね」
「『え〜なんで?』って」「まあ,反対もしたんですよ」
「どういう.何言ったの?」「休みもないし,ボーナスもないし,サラリーマンの方が楽だよって」「アハハハハハ」
お父さん「朝早いし」
「朝早いし,それでもいいと?」「そうですね」
お父さん「ちゃんと起きて,4時半に来て,もう仕事してる」
「ちゃんとしてる.じゃあ,師匠と弟子みたいな,関係でしょ?」「そうです」
「師匠は厳しい?」「厳しいですね」
お父さん「優しい」「はははは」
「本人は言ってるだけで,弟子は『厳しい』言ってるんですよ」
「お母さんが,この状態の台本を作ったんだと思うよ」「なるほど」
「娘さんに,素敵な旦那さんを」「なるほどね」
「くっつけさせたのも母ちゃんだし,旦那さんが食べて『よし,俺,農家やる』っていうのも,チリチン,チリチンって引っ張ったんが,お母ちゃんだと思うよ」
「なるほど,じゃあ,ちょっと料理の方,作ってもらいましょうか.まずは何ですか?」
「まずはですね.ちらしずしを作ります」「お願いします」
実は直美さんご夫婦.
お父さんがオクラを食べているところを,あまり見たことがないんだそうです.
今回は,日頃言えない感謝を込めて,オクラをたっぷり食べられるレシピに決めました.
まずは,ちらしずし.
料理1 オクラのちらしずし
https://www4.nhk.or.jp/manpuku/24/
材料:ごはん(3合),ちらし寿司のもと(3合分),オクラ(10本),ゆでたむきエビ(10尾),錦糸卵(1個分),ミニトマト(5個),ハム(4枚)
作り方:
①温かいご飯に,市販のちらし寿司のもとで味をつける
②オクラをスライサーで薄く切って①の上に乗せる
③錦糸卵,4等分にカットしたハム,エビ,4つ割りにしたミニトマトを乗せたら完成.
※ポイント・オクラはすぐに乾燥・変色してしまうため,食べる直前にスライスする.
https://www4.nhk.or.jp/manpuku/24/
「孫,います?」「います」
「孫,いくつ?」「えっと,10ヶ月です」
「あ〜,どうです?孫,いい?」「孫はいい」
「たまらないでしょう?」「たまらないでしょう?孫は全然反抗しませんからね.はははは」
「でも,再発見した?指宿の再発見?帰ってから.やっぱ,いいとこやなって」「あの〜何もないな---」
「ハハハハハ」
「あんた,いいかげんにしいや.だんなが来てくれたんやんか」「はははは」
「こちらは?」「こちらは.オクラのスープです」
「そうか,オクラ入れることによって,とろみが出るもんね」「片栗粉はいらないです」
料理2 オクラの和風スープ
https://www4.nhk.or.jp/manpuku/24/
材料:お水(600㏄),和風ダシ(1パック),薄口しょうゆ(大さじ1/2),市販の冷凍鶏肉団子(6個),卵(1個),オクラ(3本)
作り方:
①鍋に水と和風ダシパックを入れ火にかける.沸騰してから中火にし,そのまま3分ほどダシを取り,パックを取り出す.
②①に冷凍の肉団子を入れ沸騰するまで煮る.
③②に薄口しょうゆを入れて火を止め,溶き卵を回し入れる.※溶き卵を入れたら固まるまで混ぜすぎないようにする.
④③にスライサーで薄く切ったオクラを入れ,弱火でとろみが出るまで混ぜたら完成.
梅肉和えも副えて,オクラたっぷり料理の完成です!
料理3 オクラの梅肉和え
https://www4.nhk.or.jp/manpuku/24/
材料:オクラ(10本),長いも(120g),梅干し(2個),かつお節(2.5g),ゆずポン酢(大さじ2)
作り方:
①洗ったオクラのガクの部分を取り,5mm幅の輪切りにし,長いもは,1㎝のさいの目に切る.
②ボールに,種を取って包丁で叩いた梅干し,ポン酢,かつお節を加えて混ぜ合わせる.
③②に①を入れて,よく混ぜ,密閉容器に入れ冷蔵庫で冷やせば完成.
「じゃあ,梅沢さん.たべましょう」「はい,いただきます」
「ね〜ちらし.オクラの入ったちらし」「初めてですよ.絶対おいしいでしょ」
「うん,うまいよ.ホントに」
「(お父さんに)ちょっと食べてみて下さいよ.オクラのちらしずし.うれしいでしょ?お父さんも」「うれしいです」
「娘がね,お父さんの分って」「『ごめんね』って言って」「反抗した娘が」「おいしいね」
お父さん「おいしい」
「(スープを手にとって)あ,ホントにとろみが出てきた.あ〜カタクリなんかいらないわ.うん.おいしいおいしいおいしい」
お父さん「ほんと,おいしい」
「おいしいですか?」
「お父さんはですね.本当は,作る専門で,あんまり僕ら,オクラを食べてるところは,見たとこないんですよ」「あ,そうなんだ」
「オクラあんまり好きじゃないの?」
お父さん「食べますよ」
「ホントですか?」
お父さん「見てないところで,隠れて食べてる」(笑い)
「ホントですか?」「うれしいね」
お父さん「うれしいけど,涙を--」
「ぐっとこらえる?」
お父さん「ぐっとこらえて」
「で,終わってから,家,帰って,お風呂入って,ちょっと泣く?」
お父さん「人のいないところで」
「泣く時は人のいないところで,オクラ食べんのも,人のいないところで」(笑い)
お父さんへ感謝のオクラ料理.ごちそうさまでした.
「さあ,梅沢さん」「はい」「今回は,鹿児島県指宿のオクラ」「いや〜ね.オクラより驚きましたよ.人間関係で」
「はい」「嫁さんが,全部,埼玉,千葉」
「そうですね.だから,要は,この,こっちに指宿の方に,こう引っ張っていくっていうのは」
「特に印象的だったのは,一番最後の娘さん」「生まれてすぐに亡くなったお母ちゃんが台本書いたと」
「でも,いいね.人生って」「いや〜いいです.いいです.ホント.何があるか分かりませんし」
「よかった.今回よかった.ホント良かった」
「美味しい美味しい,オクラでございました.ありがとうございました」
指宿の美味しいオクラ.皆さんは,どうやって楽しみますか?