昨日のブログで,オリュンポス十二神をまとめていた際,神々の名前と太陽・月・惑星の名前が対応していることを,改めて見で,恥ずかしながら,海王星は海洋の王ポセイドーン,今は惑星でなくなった冥王星は,冥界の王ハーデースと対応していることに初めて気付づきました.
そして,新たな疑問も.
太陽・月・惑星に関連して名付けられている曜日の名前.一体,どのような経緯をたどって名付けられたのか?
オリュンポス十二神 - Wikipedia ギリシア神話の固有名詞一覧 - Wikipedia
どうにかこうにか調べた結果は以下の通り.
ウェブ上の記載をまとめたものですが,これらがどこまで正しいのかのチェックは困難で,間違えているかもしれません.また英語を訳した部分が正しいかどうかも自信なし.
主な引用先は 暦Wiki/要素/1週間とは?/曜日の名前 - 国立天文台暦計算室 Names of the days of the week - Wikipedia の二つのサイトです.どちらも信用できると判断しましたが---
特に引用を書き入れていない内容は,この二つのどちらかからの引用と考えて下さい.
“惑星”の名前と曜日
▽“惑星”の名は神の名
“惑星”に神の名前をつける習慣はシュメール人に始まり、古代バビロニア→古代ギリシャ→古代ローマと伝わりました.
Names of the days of the week - Wikipedia
伝わるたびに、自分たちの神話に出てくる神の名前に置き換えられています.
なお,古代ギリシャの占星術では,太陽,月,火星,水星,木星,金星,土星が“seven classical planets” (= 天空で独自の動きをする“固定されていない天体)とされていたようです.Classical planet - Wikipedia
▽1週間は7日.古代ローマで確立.
1週間は「1ヶ月よりも小さな生活単位」.7日である必要はありません.
10日 古代エジプト,フランス共和暦
5日or 6日 旧ソ連の一時期
7日とする習慣は古代ローマで定着しました.
8日 (8日毎に市場を開催 nundinal cycle)
↓
7日 1〜3世紀に徐々に移行
「なぜ移行したのか」の理由ははっきりとは分かっていません.
「なぜ7日で1週間か」のもともとの理由もはっきりはしていませんが,
①古代バビロニアでは,月の満ち欠けを元に月を4分画
7日毎の休日制も.
これがエジプトにも伝わった.
②旧約聖書創世記:神は6日で天地を創造し7日目に休んだ
の二つの考え方があるようです.
▽そして,太陽・月・惑星の名前が曜日の名前として使われ,世界に広まった.
古代ローマでは,1週間の曜日の名前を,ギリシャ占星術における太陽・月・惑星(上記,seven classical planets = 天空で独自の動きをする“固定されていない天体)の名前に従って命名しました.
各曜日を支配する天体が,その日の初めの1時間を管理すると考えられ,その天体の名前が曜日の名前にということです.
なお,別のサイトでは,曜日に惑星の名前を付けることはエジプトで既に行われ,ユダヤ教徒によって日曜日が週の初めに置かれたとしています.
http://www.ffortune.net/calen/calen/fromqa/qa107.htm
いずれにせよ,ローマ帝国で定着した週7日制は,4世紀までにローマ帝国全域で使用されるようになり,インドや中国にまで広まって行きました.
▽イタリア・スペイン・フランス・ルーマニア等, “Romance languages=ラテン語から派生した言語”を用いる国々では:
曜日の名前の多くを使い続けました(ただしポルトガル語を除く)が---
日曜日はDominicus(Dominica)=主の日Day of the Lord
土曜日はSabbath=安息日
に置き換えました.
▽ドイツ,オランダ,イギリス,スカンジナビア諸国等,“ゲルマン語派言語”を用いる国々では:
週7日の制度を取り入れましたが,ローマ神話の神々をゲルマン民族の神々に置き換えて曜日の名前を決めました.
この事から,導入した時期はゲルマン民族がキリスト教を受け入れた6~7世紀以前と考えられます.
▽東アジアでの曜日の名前
東アジアの曜日命名システムは,ラテン系のものにほとんど一致していて,その順序は「七曜」に基づいています.
中国では,4世紀までにローマの週7日制を採用していたとみられています.
宿曜経には,七曜が日月五星であると書かれています.
各惑星は,歳星・熒惑・鎮星・太白・辰星という名前のほかに,五行説と結びついた木星・火星・土星・金星・水星という名前も持っていました.これがその訳語として用いられることになります.
七曜はいわゆる1週間としてではなく、二十七宿とともに日の吉凶を占うのに用いられました.
日曜日が休日になったのは明治9年4月からのことです.
なお,上記は 暦Wiki/要素/1週間とは?/曜日の名前 - 国立天文台暦計算室 の引用で,「五行説と結びついた木星・火星・土星・金星・水星という名前」をとったとしていますが,
英語版ウィキペディアには,Names of the days of the week - Wikipedia
“Classical Chinese” で,「すでに木星・火星・土星・金星・水星の名前が付けられ,これが日本にもたらされた」としています.
中国語の曜日と日付 でも,
現代中国語では星期(天/日,一,二,三,四,五,六)または礼拝(天/日,一,二,三,四,五,六)などと表していますが,「唐代には,『月,火,水---』と言っており,これが日本に伝わった」としています.
ギリシャ〜ローマから一方はゲルマン系の諸国へは,天体名よりむしろ神様の名前が優先されて伝えられていったのに対し(ただし名前は自分たちの神に変えられて),インド・中国から日本へは,惑星の名前をつけるシステムがしっかり維持されたまま伝わっていったと言えそうですね.