「ハクサイには特に目立った栄養は無い」
これは,日本語版ウィキペディアによるハクサイの評価.ハクサイ - Wikipedia
日本語版ウィキペディアには常日頃お世話になりながら,いろいろ問題ありと文句を言ってきました.しかし,上記は,間違ってはいません.
ただ,ここでも難癖をつければ----
ハクサイの特徴である「沢山食べることができる」という点を無視した言い方とも言えるでしょう.
ハクサイは1/4球でも500〜600グラムはあります.
この1/2,250グラムぐらい食べることも決して無理とは言えませんよね.
栄養の点では王様級のホウレンソウは一束で150〜200グラムほどでしょう.
1人で一束食べるのは,かなりキツい.普通の食べ方なら,多くて半分ほど,80〜100グラム程度でしょうか.
ハクサイを沢山食べられる代表的な鍋ものと言えば,バラ肉またはベーコンとの重ね鍋(ミルフィーユ鍋).
豚バラと白菜の重ね鍋のレシピ・作り方 | 豚バラ薄切り肉 【AJINOMOTO PARK】
味の素のサイトのレシピは次の通り.
豚バラと白菜の重ね鍋の作り方
材料(4人分)
豚バラ薄切り肉 300g
白菜 1/2株(1000g)
「ほんだし」 大さじ2
A 水 6カップ
A しょうゆ 大さじ2
A 「瀬戸のほんじお」 小さじ1/2
白髪ねぎ 1本分(100g)
小ねぎの小口切り 3本分(30g)
しょうがのせん切り 1/4かけ分
(1)白菜は1枚ずつはがし,白菜と豚肉を交互に4回重ねる.5cm幅に切り,鍋のフチに沿って敷き詰める.これを3~4回繰り返す.
(2)「ほんだし」をまんべんなくふり入れ,Aを加えて火にかける.沸騰したらフタをして煮る.
(3)火が通ったら白髪ねぎ,小ねぎ,しょうがを混ぜ合わせたものを上に盛る.
食品成分データベースで栄養計算してみると---
(下表を参照して下さい)
ビタミンA(下記表ではレチノール活性当量に相当),ビタミンDを除いて,ミネラル,ビタミン,食物繊維の成分は,この鍋でかなり補えます.
そして,ビタミンB群(ビタミンB1,ビタミンB2,ナイアシン,ビタミンB6,ビタミンB12)は,主にぶた肉から供給されますが,その他はハクサイが主要な供給源となっています.
中でも,ややマイナーなビタミンではありますが,重要なビタミンである,ビタミンKは1日に食べるべき量を補うことができ,葉酸もこれに近いことが分かります.
多くの方が気にしているカルシウムも,一食で食べるべき量(一日量660÷3=一食量220mg)の半分以上(四人前510÷4=一人分128mg)を補えます.ただし,同じく気になる鉄分はどうしても不足してしまいますが---.
(四人分の量が記載され,これと1日にとる量を比較する表になっていて,見づらくて申し訳ありません)
「日本人の食事摂取基準(2015年度)」策定検討会審議会資料 |厚生労働省
他の野菜や牛乳と比較した表を載せておきます.
時間がある時にでも比べてみてもらえれば---.
「ハクサイには特に目立った栄養は無い」.しかし,「他の野菜と同じようにビタミンやミネラル,食物繊維を含んでいる」点に注目.
そして,ハクサイの良いところ「沢山食べられる」に留意して.
ただし,ビタミンA,ビタミンD,ビタミンB群,鉄分は,ハクサイだけではどうしても足りなくなりますね.
ビタミンAを補うのなら,ニンジンを入れればすみます.鉄はホウレンソウでしょうか.しかし,ビタミンB群,ビタミンDは他の野菜でも難しく,例えば豚肉,魚などを食べる必要が出てきます.