我が家のヤマアジサイのまわりの花が開き始めました.と言いたいのところですが----
正確にはなんといったら良いのでしょうか?
ガク(萼)が目立ち始めています---とでも言ったらいいのでしょうか?
紫陽花の花のつくりについては,ウェブ上でいくつもしっかりした解説があります.例えば
植物図鑑ajisai http://sizen-tenpaku.com/topikkusu/ajisai/
後者のサイトから,説明の図をお借りします.
この図はガクアジサイやヤマアジサイの周りにある「装飾花」の拡大写真です.
ガクが大きくてその中の花(花びら・おしべ)が可愛らしいですね.
http://sizen-tenpaku.com/topikkusu/ajisai/
ガクアジサイ・ヤマアジサイの「装飾花」以外は上の図の小さな花が集まったもの.ガクも小さい.こちらには雌しべがある場合が多いようです.
http://sizen-tenpaku.com/topikkusu/ajisai/
「我が家のヤマアジサイは『装飾花』のガクだけは目立つようになりました.でも花は,まだ,かたいつぼみ」
が正確な言い方?
ガクアジサイ以外の昔ながらの(この表現は不適当かもしれませんが)手まり咲きのアジサイは,全ての花が「装飾花」になっている!
まだまだガーデニング初心者のわたし.つい最近まで知りませんでした.
なお,ヤマアジサイの中にもほぼ全てが「装飾花」のものもあるようです.
アジサイ(ハイドランジア)とは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版
ヤマアジサイとガクアジサイ・アジサイは種として異なるとされています.
日本の園芸の世界ではもちろんしっかり分けられています.しかし,別種として認めない専門家も多いようです.
ヤマアジサイとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版
アジサイ(ハイドランジア)とは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版
によれば,
ヤマアジサイはHydrangea serrata.(種として認めずHydrangea macrophyllaと同じとする専門家も多い)
ガクアジサイ・アジサイはHydrangea macrophylla
広義にはガクアジサイと手まり咲きのアジサイを合わせてアジサイと呼んでいますね.以後は特にガクアジサイを特定する場合以外はこの使い方で---.
ヤマアジサイ・アジサイはどちらもミズキ目・アジサイ科・アジサイ属.
アジサイ属はハイドラジア属,そしてアジサイもハイドラジアと呼ばれることがあるようです.
アジサイの栽培品種はどこの園芸店の店先にもたくさん見られます.どれぐらいあるのかは知りませんが---
「ガクアジサイとヤマアジサイとは自然雑種 を生じるが,これらを人為的に交配させることによって、多くの栽培品種が作り出されている」
とのこと.
そして,「ガクアジサイの原種は特定されていない」との記述も.
アジサイ属で,ヤマアジサイやアジサイとは異なる種をいくつか.
アジサイの語源
いろいろな説があるようです.アジサイ - Wikipedia
日本国語大辞典も特定できないという書き方でした.
「あじ(あぢ)」は「あつ」で集まること,「さい」は真藍(さあい)の約で,青い花がかたまって咲く様子から名付けられたと思われる.(日本国語大辞典)
アジサイには「紫陽花」の漢字が当てられています.
これについては,湯浅先生の考察を以前取りあげました.
yachikusakusaki.hatenablog.com
興味深い話なのでもう一度掲載しておきます.
「アジサイは俳界ではふつう紫陽花が用いられていますが、『万葉集』では、その表記はされていません。
それもそのはず、これは中国の詩人、白居易(白楽天)の造語で、寺に栽培されている香ばしい花の名を誰も知らないので、紫陽花と名づけたと述べられています。
白楽天の紫陽花を日本のアジサイにあてたのは源順のようです。彼の編んだ平安時代中期の『倭名類聚抄』に初めて出ています。 考えてみればアジサイは日陰を好み、どちらかというと陰の花で、陽の花とはいいにくいものです。私は白楽天の紫陽花はライラックではないかと思います。ライラックは中国が原産なのです」
あじさい / 万葉集
あじさいの,やえさくごとく,やつよにを,いませわがせこ,みつつしのはぬ
あじさいの,八重咲く如く,弥(や)つ代にを,いませわが背子,見つつ偲はぬ 橘諸兄 (第二十巻 4448)
あじさいが幾重にも咲くように,いついつまでもいらっしゃいませ,あなた.(あじさいのように)お顔を見ながら,お慕い申しておりましょう.
▽楽しい万葉集
紫陽花(あじさい)の花が八重に咲くように,いついつまでも栄えてください.あなた様を見仰ぎつつお慕いいたします.
最期に,我が家の花たちを,いつものように載せておきます.