ウェブ・書籍を頼りにスイーツの歴史を調べるシリーズ8
イチゴのケーキ2 フレジエ Fraisier
フランスの多くの伝統菓子にも,イチゴはよく使われていますが,その中で,最も日本のショートケーキに近いと言われているのが,フレジエ Fraisier.
https://www.google.com/search? Fraisier vendu dans les pâtisseries parisiennes
「春を告げるイチゴのケーキ」と紹介され(フランス伝統菓子図鑑 山本ゆり子 誠文堂新光社 )
「フランスでは春になると,パティスリーのショーケースにこのケーキが並び,季節の訪れを感じるのだという」とされています.https://www.tjapan.jp/food/17632761
菓子の名前「フレジエ Fraisier」はイチゴという意味!
フランス人のイチゴとこのケーキへの愛着が感じられる名前といえますね.
Fraisierは,植物としてのいちごの名前.
お菓子のFraisierが,いつ頃,誰によって考案されたかは曖昧で,
・ピエール・ラカンは現在のフレジエに近いレシピを記載している(1900)
・ガストール・ルノートルはバガデルBagatelleを考案したが(1966),これは,今のフレジエの手本となり,フレジエを有名にしたケーキ.
とのこと(フランス伝統菓子図鑑 山本ゆり子 誠文堂新光社,
https://fr.gaultmillau.com/news/il-etait-un-gateau-episode-2-–-le-fraisier )
フレジエの基本的な作り方は:
(フランス伝統菓子図鑑 山本ゆり子 誠文堂新光社)
キルシュ(サクランボから作られる蒸留酒)をしみ込ませた2枚のスポンジの間に,クレーム・ムースリーヌ(カスタードとバタークリームを合わせたクリーム)とフレッシュないちごをはさむ.
表面をフォンダン(砂糖と水を混ぜ合わせたアイシング)や薄くのばしたマジパン(砂糖とアーモンドに,卵白などを混ぜあわせたもの)で覆い,イチゴを飾るなどして愛らしく仕上げる.
パティシエによって,様々な工夫が施されているようで:
▽日本のショートケーキに近づけたレシピと作り方もネット上で紹介されています.日本語です.
https://www.tjapan.jp/food/17632761
パリのパティシエール長江桂子さんのレシピです.
フレジェは本来,カスタードクリームとバターを合わせたクリームを使うが,軽めに仕上げたいため,カスタードクリームと泡立てた生クリーム,ゼラチンを合わせたクレーム・シャンティ・ヴァニーユを使う.
「クリームがだれずに美しく仕上がりますので,トライしてみてください.
泡立てた生クリームだけを使う日本のショートケーキより,コクと風味がプラスされます.フランスと日本のいいとこどりをしたケーキです」
▽四人のパティシエの新作を紹介しているサイトもあって(こちらはフランス語),四人目は日本人のパティシエMorihide Yoshidaでした.
https://fr.gaultmillau.com/news/il-etait-un-gateau-episode-2-–-le-fraisier
紹介文は次の通り:
(DeepL翻訳)
モリ・ヨシダが新感覚の日本スタイルの一皿を考案した:
いちご果汁をしみ込ませたしっとりとしたシュー生地,甘さ控えめの軽いシャンティクリーム(生クリームに砂糖を加えて泡立てたもの),そしてガリゲット,シャルロット,マリゲットといった季節のフレッシュないちご.
真っ白で,驚くほどフレッシュで,羽のように軽く,苺の妖艶な香りが漂う苺料理は,7区にある控えめなブティックでシェアして食べたい.苺の果汁は入っていないが,苺のジャムがほんのり香る,ビスキュイを巻いた個包装バージョンもお試しあれ.
吉田守秀さんは,今フランスで最も注目を集めるパティシエの1人.
https://www.kateigaho.com/article/detail/72873
上記は,素人目に見ると,ほぼ日本のショートケーキ(高級品)といって良いようにも思われます.スポンジケーキは「しっとりとしたシュー生地」になっているようですが---どのような味がするのか,食べてみたいもの.