様々な楓の種 & 紅葉(もみじ/こうよう)を詠った短歌[2] ヤマモミジ,オオモミジは,イロハモミジとは別種とされてきましたが,現在は共にイロハモミジの変種として学名がつけられています.沢山の園芸種があります.海外での人気も高く,Acer palmatumの園芸種21種がイギリス王立園芸協会ガーデン・メリット賞を獲得しています. もみぢ散る野原を分けて行く人は花ならぬまた錦着るべし 西行  見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ 藤原定家 

160種あると言われるカエデ(=ムクロジ目 Sapindales,ムクロジ科 Sapindaceae,カエデ属 Acerの植物)は,古来から日本で愛され続け,今では世界でも重要な観賞用樹木になっています.

今日は,「様々な楓の種」&「楓/紅葉(楓の紅葉に限らない)を詠った短歌」を取り上げるブログの2回目です.

昨日はイロハモミジ(いろは紅葉,伊呂波紅葉、学名:Acer palmatum)を取り上げましたが,その変種とされ,イロハモミジと同じように人気のある品種にオオモミジ,ヤマモミジがあります.

 

楓の品種(2)オオモミジとヤマモミジ

ヤマモミジ,オオモミジは,イロハモミジとは別種とされてきましたが,現在は共にイロハモミジの変種として学名がつけられています.

イロハモミジ Acer palmatum,

オオモミジ Acer palmatum var.amoenum,

ヤマモミジ Acer palmatum var.matsumurae.

この三者は,葉の縁の形状,実の付き方が異なるとのこと.

見分けるのは,なかなか難しいようですが,イロハモミジとオオモミジが自生する福島の仲田種苗園のサイトが詳しく解説しています.

図をお借りして掲載させてもらいます.詳細はサイトを直接参照して下さい.https://www.eco-plants.net/New/maple_p/maple

「実の付き方:イロハモミジの実は一番小さく,翼状の実(翼果)は竹とんぼのように,水平に開きます.また葉の上からかぶさるように実をつけるのが,ヤマモミジやオオモミジと区別する大きなポイントです.----」とのこと https://www.eco-plants.net/New/maple_p/maple

イロハモミジ,オオモミジ,ヤマモミジには,沢山の園芸種があります.

日本はもとより,海外での人気も高く,これらAcer palmatumの園芸種は,実に21種がイギリス王立園芸協会ガーデン・メリット賞を獲得しており,https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Award_of_Garden_Merit_maples

以下に紹介する中では,大盃,珊瑚閣がその栄誉を獲得しています.

イロハモミジ,オオモミジ,ヤマモミジ三者のどれに由来しているか分からなくなっている品種もあるようで,ネット上でも異なった記述があります.このブログではニッポニカ https://kotobank.jp/word/カエデ-43207 の分類に従って,様々なサイトからお借りした画像を紹介します.

 

https://item.rakuten.co.jp/hana-online/niwaki_kaede_ougon_s/

https://www.uekipedia.jp/ノムラモミジ/ http://www.neogreen.co.jp/archives/2010/12/post-1387/

https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_image https://www.worldflower.net/shop/growth/g0230?site=w1&ima=0257

 

「楓/紅葉/黃葉を詠った短歌」(2)

 

もみぢ葉の散らでしぐれの日数経ばいかばかりなる色にはあらまし  西行 山家集

 

 

もみぢ散る野原を分けて行く人は花ならぬまた錦着るべし  西行 山家集

 

 

紅葉よる網代の布の色染めてひをくくりとは見えぬなりけり  西行 山家集

 

 

星合の夕べ涼しき天の川紅葉の橋を渡る秋風  藤原公経 新古今集

 

 

見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ  藤原定家 新古今集

 

 

下紅葉かつ散る山の夕時雨ぬれてやひとり鹿の鳴くらん  藤原家隆 新古今集 (下紅葉:もみじした樹木の下葉のこと)

 

 

蔦も枯れかへでも枯れて宇津の山うつればかはる雪の下道  契沖 漫吟集

 

 

松の葉のいつともつかぬ岡のべに今一しほの下紅葉かな  細川幽斎 衆妙集

 

 

よのつねの色ならめはやさがの山もみづる秋のいでましどころ  賀茂真淵 賀茂翁歌集