COOL JAPAN「笑顔~Smile~」4
[BS1]2020年8月9日(日) 午後6:00~午後6:45(45分)
【司会】鴻上尚史,リサ・ステッグマイヤー,【ゲスト】iU学長…中村伊知哉,【語り】日高のり子,中井和哉
COOL JAPAN「笑顔~Smile~」1
COOL JAPAN「笑顔~Smile~」2
COOL JAPAN「笑顔~Smile~」3
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/08/26/003816
毎日が笑顔で埋め尽くされたカレンダーがあります.
https://pear-farmers.life/smile_calendar/
*笑顔撮影イベント スライドショー * - *365日を笑顔でつなぐ笑顔カレンダー*
このカレンダーが生まれたきっかけは,2011年の東日本大震災でした.
宮城県に住む吉川一利さん.
梨を育てながら,カレンダーづくりをしています.
吉川さん「僕の地元の町,宮城県七ヶ浜町が津波被害を受けまして,そこを元気にしたいという願いから始めたことですね」
当時,大学生だった吉川さん.ふるさとの変わり果てた姿に衝撃を受けました.笑うことも忘れ,涙に暮れる日々.一日が終わるとカレンダーに×印をつけ,その日その日をなんとか生きていました.
そんな時,目にしたのが,懸命に働くボランティアの笑顔.毎日こんな笑顔を見ていれば,元気が出るかもしれない.吉川さんは笑顔が並んだカレンダーを思いつきました.
震災発生から2ヶ月.カレンダーのための写真撮影を開始.
吉川さん「はい,チーズ」「はい,いきますよ.はいチーズ」
笑顔だけでなく,思いも書いてもらいました.
“2月16日 俺の古里だ!必ず復興する”
“7月21日 子ども達の笑顔を取り戻したい”
“10月30日 笑おう”
“11月14日 はやくおうちにかえりたい!!
“12月15日 しんどい時こそ”
吉川さん「記録に残さないと駄目だな,と思ったんです.復興したときに,ここまでつらかったこともあっただよ,と言わないと,伝えることができないなって思ったので」
笑顔を記録し,希望につなげたい.
撮影を通し,吉川さんは,様々な思いに触れました.
吉川さん「『実は,こういうことがあってね』とか,『全然,僕も笑えなかったんだよ』とか言ってくださる方もいるんですよね.例えつらくても,無理に笑うことも必要なんじゃないかな,って思いますね.笑えない状況だからこそ」
翌1月,笑顔を集めたカレンダーが完成.
受け渡される笑顔のたすき 「笑顔カレンダー」 (仙台市) - 宮城県復興応援ブログ ココロプレス
仮設住宅などに配られました.
撮影に協力した,星真由美さん.カレンダーに載ったことで,気持ちにも変化が起きたと言います.
星さん「自分も撮ってもらって,笑顔になって,何か自分自身,元気になれてたんだなって思いますね」
その時書いた言葉は,
“夢に向かってゴーヘ!明日につなげよう”
星さん「ゴーへというのは,漁師のことばで前進という意味があるんですよね.それがカレンダーになってるので,何か責任もあるっていうか.『ゴーへって書いたよな,自分は』.それに今もずっと励まされてるような感じですよね.ゴーへって」
吉川さんは,9年間カレンダーを作り続け,利益を被災した地域に寄付しています.
これまでに掲載した笑顔は3200人以上.
6歳の頃から連続して登場している佐藤禅介君.毎年参加する理由とは,
佐藤君「笑顔カレンダーを撮って頂くのが,毎年3月ごろになるんですけれども,ちょうど次の学年に切り替わることなので,笑顔を作ることによって気持ちが上がったり,被災したときのことも思い出して,その時のことを忘れないというきっかけになったりしていますね」
カレンダーの取り組みに触れ,「自分も地域の力になりたい」と思うようになった佐藤君.
去年,防災士の資格を取りました.(中学一年生で)
佐藤君「僕も周りを笑顔にする人になりたいと思っていて,どんなつらいときでも明るい気持ちで次に向かっていけるような大人になりたいと思っています」
一人一人の思いが詰まった笑顔のカレンダー.
今では,海外からも写真が届くようになりました.
吉川さん「新形コロナウイルスでつらい経験されている方とか,いろんな経験をされている方がいると思うんですよね.
でも,何かつらいことがあった時だからこそ,ささいなことでも笑えると,たった一人の笑顔が他の人にも伝わって,『明日はがんばるぞ』とか,いい連鎖が広がっていくんじゃないかな,と思います」
笑顔の輪が広がるカレンダー.いかがですか?
「すごいな.素晴らしいですね」「素晴らしい.本当素敵です.何か嬉しい気持ちのなりますよね」
「だって,利益を寄付してるって.ボランティアでやってることだもんね.すごいね.へえ〜.さあ,どうですか?笑顔のカレンダー」
サスィウィモン(タイ)「幸せな気持ちにさせてくれる.素敵なアイデアだと思う.
笑顔を共有することで,毎日の生活が幸せな気持ちになり,心からの笑顔になれると思う」
アンドリュー(オーストラリア)「笑顔は伝染しますからね.素晴らしい考えです」
「そうだね」
ジェシー(アンゴラ)「カレンダーは部屋に飾って時計みたいに見るものだよね.
だから,いつでもステキな笑顔とメッセージを見ることができる.きっと幸せな気持ちで一日を始められると思うんだ」
「それはあるね.なるほどね.カレンダーだから,本当にジェシーが言ったように,目にするもんな.
カレンダーにしたっていうのがすごいよね」
サラ(イタリア)「これ自体が“支え合う仲間”みたいになっていると思うの.お互いの笑顔とメッセージを交換しているようでステキだわ」
シン(中国)「サービス業で使う笑顔とは違うわ.素晴らしい使い方よ」
「その通りだ!そうだね.
あと,メッセージはどう思いました?みんなが書かれてて持ってたメッセージなんですけど」
ケリー(アメリカ)「ホントに素晴らしいと思った.世界に向けて笑顔と特別なメッセージ.そして,特別な経験を発信している.美しいと思うわ」
ジョアオ(ブラジル)「VTRの女性は,他の人だけじゃなく,自分へのメッセージと言っていた.ウソのない自分の姿を見せている.これはクールだよ」
「だから,単に写真だけじゃないっていうのが,すごいね.本当に.
皆さんの国で,いいですか.笑顔のカレンダー.これはあったらはやりますか?
Q 皆さんの国で笑顔カレンダーははやる?
シン(中国)「このカレンダーの背景を考えると,一年中災害を思い出すものを,中国人はあまり好まないから」「なるほど」
ジェシー(アンゴラ)「長く内戦が続いたアンゴラでも,かつて応援する企画があった.不幸に見舞われても人生は続くし,傷が癒えるのには時間がかかる.このカレンダーの良いところは,何年も続けていること.いつまでも前向きに生きようとすばらしいメッセージを伝えてるよ」「なるほど」
ジョアオ(ブラジル)「まさしくそうだね.新形コロナウイルスで世界中が大変な今こそ必要かもしれない.いい応援になるよ」
「なるほどね.さあ,いろいろ出ましたけど,中村さん,いかがですか?」
中村「笑顔は強いですね.そして笑顔は伝播する.伝わります.
これ,まさにそんな機能,効果が最大限に引き出されたもので,カレンダーに載っている笑顔.多かれ少なかれ,震災で何らかの被害とか影響を受けている人.辛い思いをしながらも,笑顔を浮かべるっていう強い人たちで,そんな笑顔を毎日見ながら,『今日も笑顔でがんばろう』っていうような力を,こっちが頂くっていう.
このカレンダー,そんな笑顔の製造装置ですね」
「はい,ありがとうございます」
「さあ,今日は日本の笑顔,見てまいりました」
「鴻上さんが一番気になったのは何ですか?」
「ペターが言ってたけど,最初,ツーリストで来たら,そのほほ笑みがすごい安心したけど,一度住み始めると,何か,何かこの笑顔,ウソくさいなっていうのは.
でも,日本人も,本当に,何て言うかな,ほほ笑んでくれるときと,会話してないでしょ!っていうのは,みんな感じていると思うんだよね.
で,笑顔することで,コミュニケーションを遮断するっていうふうな使い方をしてしまうと,すごくもったいないな,と思って.
ナチュラルな笑顔でできる関係を作りたいと思いますけどね」
「ナチュラルなっていう点ですよね.さあ,皆さん.いかがですか?皆さんはステキな笑顔ですからね」(笑い)
「今日,練習したしね」
「じゃあ,最後は笑顔でお別れしましょうか.また,次回のクールジャパンをお楽しみに.バイバイ」「バイバイ」