クレマチス「篭口」は,「小花を咲かせる品種」の一つインテグリフォリア系(Integrifoliaグループ)に分類されます.しかし,インテグリフォリア系って?アメリカの販売会社の解説を翻訳してみたところ,その最後尾に「篭口」が特に取り上げられていて,この篭口という品種,日本が生んだ世界に誇るクレマチスであることが判明.ますます育ててみたくなります.

写真を送ってもらったクレマチス「篭口(ろうぐち)」

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クレマチスを何となく敬遠していた私ですが,かなり気に入って,クレマチスについて少し勉強してみようと思い立ち,その分類について調べ始めました.

 

昨日は大形種グループを紹介しましたが,

http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/08/20/003846

「篭口」は,「小花を咲かせる品種」の一つインテグリフォリア系(Integrifoliaグループ)に分類されます.

 

あらゆる庭に合うクレマチス

https://www.joycreek.com/clematis.htm

----第二に,小花を咲かせる品種は,より多くのグループに分類されていますが,その多くはそれぞれの原産地を反映しています.最も一般的に見られるグループは以下の通りです.

Armandiiグループ,Atrageneグループ,Cirrhosaグループ,Flammulaグループ,Forsteriグループ,Heracleifoliaグループ,

Integrifoliaグループ,

Montanaグループ,Tanguticaグループ,Texensisグループ,Viornaグループ,Vitalbaグループ,およびViticellaグループです.

取引される品種が数種類しかないグループもあります.

 

しかし,インテグリフォリア系って?

同じJoy Creek Nurseryによるインテグリフォリア系(Integrifoliaグループ)の解説は,以下の通り.DeepL無料翻訳の助けを借りた拙訳で.

そして,読み通して驚いたことは---

最後尾に「篭口」が特に取り上げられていたこと.この篭口という品種,日本が生んだ世界に誇るクレマチスでした.

ますます育ててみたくなります.

「篭口」の育種に成功した世界的な育種家小沢一薫(かずしげ)氏については明日.

 

 

インテグリフォリア系(Integrifoliaグループ)

 

このグループの植物は,一般的に非登攀(とうはん)性(木立性)または半登攀性(半木立性)です.

ほとんどの植物はC. integrifoliaという多年性草本に由来しています.

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Clematis integrifolia - Wikipedia

このタフな種は,中央ヨーロッパからロシアを越え,西アジア中央アジアにまで分布しています.integrifoliaは,一重に結節したベル型の花を茎の末端に,時には茎の葉腋にも咲かせます.

この種(C. integrifolia)の多くの選抜品種は,多数の茎を生長させ,混合の花壇では非常に魅力的です.中には,白花を咲かせるハクレイのように,柑橘類のような甘い香りを持つものもあります.

 

この種の選抜に加えて,インテグリフォリア系には,C. integrifoliaとC. viticellaなどとの交配種も含まれています (これらの交配種の植物はしばしばDiversifolia系に分類されますが,これはまだ英国王立園芸協会が認めているグループではないので,ここではそれらを含めています).

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Clematis viticella - Wikipedia

これらの植物は木本で,その年の成長に合わせて花を咲かせます.冬の間にこれらの植物を強く切り戻します.

この交配種の花は一般的に原種の花よりもはるかに大きく,変化に富んでいる傾向があります.

C. x durandiiは,かなり大きな扁平な藍色の花を咲かせます.

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Clematis × durandii (Integrifolia Group)

 

C. 'Alionushka'は大きなバラ色のベル状の花を咲かせます.

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Clematis Gallery 131 - International Clematis Society

どちらも長い茎を出しますので,トレリス(蔓垣)にからめたり,隣の低木に通したり,庭に放っておくと,驚くような仲間と一緒に花を咲かせることができます.

このグループは日当たりが良く,水はけの良い場所で育てます.ていねいに摘花すると3ヶ月以上花を咲かせることも珍しくありません.

C. x durandiiは,私たちの庭のクレマチスの中でも最も渇水に強い品種の一つです.

このグループは,園芸家にとっては最も簡単で報いも大きな品種の一つですが,まだ十分に利用されていません.

受け継いだ形質からから,非常に耐寒性に優れています.それだけで,冬が厳しい地域でも歓迎されるはずです.また,多くは暑さにも耐えます.

特に寒い気候の地域では,冬の間に根が持ち上がって解凍したりしないように,根を深く植えるようにしましょう.

 

非登攀性というこのグループの例外は,C. 'Rooguchi'(篭口).

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Clematis 'Rooguchi' - Plant Finder

Clematis Gallery 102 - International Clematis Society

C. integrifoliaとC. reticulataの交配です.

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Clematis integrifolia - Wikipedia Clematis reticulata page

ゆるやかですが登攀し,茎は木質ではありませんが,由来のため,この品種をこのグループに含めています.

このつる植物は,多肉質プラム色ベル状の花を無数に咲かせます.南部アメリカの温暖な州のお客様から,この種を使って成功したという報告を受けています.また,ミシガン州でも成功したという報告もあります.

株が若いうちは,粉カビが発生することがあります.このような症状が見られたら,強く切り戻します.すぐに新しいきれいな茎が生えてきて,シーズンの少し後に花を咲かせます.