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新日本風土記「ビール」2
https://www4.nhk.or.jp/fudoki/5/
http://www.nhk.or.jp/fudoki/backnumber/
ビールを積んであの町へ
【ベアレン醸造所】予約・アクセス・割引クーポン - じゃらんnet 盛岡「ベアレン醸造所」工場見学&ベアレンクラシックを飲んできた。 - 毎日ビール.jp ベアレン醸造所 – 岩手県盛岡市にある、100年以上前の仕込釜で造るヨーロッパスタイルのクラシックなビールブルワリー
https://co-trip.jp/article/78564/ ベアレン醸造所 – 岩手県盛岡市にある、100年以上前の仕込釜で造るヨーロッパスタイルのクラシックなビールブルワリー https://www.facebook.com/baerenbier/
社長(木村剛さん)の出勤は毎朝5時.誰もいない工場で,仕込み釜と静かに向き合い,1日が始まります.
盛岡の小さな醸造所.16年前からクラフトビールをつくっています.
大事にしているのは,風味の強いドイツ伝統の味です.
(仕込み釜は1906年ドイツ製 砕いた麦芽を煮詰めて,デンプンを糖に変える)
その決め手は麦芽の量.
数字は企業秘密で言えませんが,一般のビールよりもかなり多い麦芽を使い,飲み応えのあるビールを目指します.
取材者「すごい量ですね」「そうですね.約500kgあります」「500kg!」
ひとたび仕込みを始めると,10数時間,かかります.社長の木村さんが,一人,早朝出勤するのは,社員に残業をさせないため.
「楽しく今日も1日頑張るぞ!」「おー」
社員の出勤時刻は,朝9時.社長からバトンタッチして,醸造技師が仕込み作業に当たります.
苦みと香りの決め手となるホップを投入.
https://discoverjapan-web.com/article/11756 https://jp.depositphotos.com/47717221/stock-photo-hops-pellets-used-for-brewing.html
「今日使う酵母はこれです」
発酵,熟成に約1か月.
小さな醸造所ならではの個性的なビール.
でも,受け入れてもらうまでには---
社長「ずいぶん大変な思いをしました.自分たちの思ったようには,ビールが売れない.と」
「確かに新しいビールが出たってことで,一度は皆さん飲んで頂くんですけど,いっぺん飲んでもらうのと,それをリピートして飲んでもらうの間には,かなりのギャップがありましたね」
「おまたせしました.ありがとうございます」
木村さんたちが心がけたのは,お客さんの顔が見える場所に出ていくこと.
「たとえば,盛岡(盛岡市材木町)に,よ市って,地元の商店街の方が昔から続けている,週末の土曜日にできる市があるんですけど.
そこで出店させてもらうことになって,最初知り合いが来て飲んでくれるんですよ.そうすると,また,知り合いの知り合いが通りかかって,いつのまにか,2〜3人だったのが,5〜6人になって,それが10人20人って,だんだん人の輪が増えてですね.
みなさんすごく楽しそうにですね,ビールを飲んでくれるんですよ」
材木町よ市
「ほぼ毎週来てます」「ほぼ,皆勤賞ですよね」「家でもベアレンです.もちろん」
ベアレン醸造所にみる地域とビールの繋がり方vol.1 【材木町よ市ジョッキ倶楽部】 | 日本ビアジャーナリスト協会 盛岡の観光スポット43ヶ所をまとめてチェック! - TRIIPGO
専務「ほんとにね,すごい方々,支えられてるなと思いますね」
取材者「もう,顔見知りで?じゃあ」
「そうですね.もう,そうですね.毎週のように.こうやって飲んでると,知り合いが次々と来ますし」
木村さんたちは,ビールを楽しむイベントを,県内の33全ての市町村で開いています.
8年前の3月11日.
ビールを満載した車は,この日,イベント会場山田町を目指していました.その途中で起こった大震災.町に到着することは出来ませんでした.
やがて,会社では,支援物資として,ビールを山田町に届けるプランが持ち上がります.
しかし,実行に移すには,ためらいがありました.
専務「かなり,いろんな所への配慮とか躊躇がありましたね.震災直後っていうのは,やっぱり生活必需品とか,生活物資が,やっぱりメインでありましたから.
生きるか死ぬかという場面において,ほんとにビールというのは無力なものだなあというのを実感して」
「でも,ビールには,人を励ます力もあるはずだ」.
会社のみんなで意を決して,山田町にビールを届けたのは,5月8日でした.
「ああ,頂きました.何もないときだったですから,元気出ましたよ.力出ますよね」
山田町夢プロジェクト - 東日本大震災被災地支援~岩手県山田町から~ NPO法人大雪りばぁねっと 特別編・ベアレンの311 | 岩手の地ビール・ベアレンのインナーチャイルド・マーケティング
小高い丘に集まって,久しぶりに味わったビール.
「ここです」町の人たちにとっても忘れられないひとときになりました.
山田町昆尚人さん「ほんと楽しい1日だったっていう記憶は残っていますね.みんなで,わいわい,いろんな人が来て,みんなで励まし合って,助かった命なんで,これから頑張っていくぞっていうのに,一番最初になったときかもしれないですよね.うん.ビールに救われた部分というか,気持ち的にね,ありましたからね.本当感謝でしたね」
盛岡のよ市に来たのは,山田町でスーパーを経営する間瀬さん.
「かんぱ〜い」
あの日のビールから始まった縁.商売の上だけではありません.
「何かやりますか.10周年」「10周年ね.来年?」「再来年」「やりましょうよ.10回目記念」「これ(ビール)のおかげですよ」
社長「同じ場所で同じビールを飲むことで話がはずんだりとか,新しい知り合いが出来たりとか,そんなことが,もしかすると,ビールのほんとの役割かなっていう.
ビールの持っている力だなっていうふうに,今,思ってますね」