夏の宵の中天に見えるわし座 わし座(わしざ)とは - コトバンク
はくちょう座のデネブ,こと座のベガとともに,夏の大三角形をつくる一等星.
このアルタイル.わし座の名前にあまりなじみがなかった私でも,アルタイルの別名ならよく知っています.
日本では七夕の「彦星」,中国名「牽牛」.
ベガが,「織り姫」(中国名 織女)ですね.
星座図鑑のサイトでは,次のような補足をつけて,アルタイルとベガを紹介しています.星座図鑑・わし座
「アルタイルが『飛ぶ鷲』を意味している」ことを含めて.
“α星のアルタイルは、全天21の1等星のひとつで,視等級0.77等で輝いています.
アルタイルは、日本ではベガと共に七夕星として親しまれていますが,アルタイルは,アラビアでもベガと一緒にとらえられていたようです.
アルタイルは,アラビア語で「飛ぶ鷲」という意味ですが,アラビアでは,アルタイルを挟んで,β星のアルシャイン,γ星のタラゼドの三つの星でわし座を形付けていました.
これに対して,ベガを含むε星,ζ星の三つの星は,「落ちる鷲」などと呼ばれていて,翼をたたんでいる鷲の姿としてとらえられていたようです.星座図鑑・わし座
上記の解説にある,
“アラビアでは,アルタイルを挟んで,β星のアルシャイン,γ星のタラゼドの三つの星でわし座を形付けていました” が
いつの頃(古代から?現代も?),アラビアのどの地域(アラビア語を使用する地域・国家は広い・多い)話なのかは不明です.
「アルタイルAltairが,
アラビア語(al-nasr)al-tɑ̄'ir 飛んでいる(ワシ)」
であることは,ランダムハウス英語辞典でも確かめることができました.
ベガに関しては
日本大百科全書でも
“こと座の織女星ベガの名の意味は「落ちるワシ」”
としています.わし座(わしざ)とは - コトバンク
ランダムハウス英語辞典にも
“ Vega 1638.<中世ラテン語<アラビア語(al-nasr-al-)wɑ̄qi‘「降下する(タカ)」,もとは Alpha, Epsilon, Zeta Lyrae の三星を表す.”
とあります.
ベガ、アルタイルは、共に三つの星で「飛ぶ鷲,落ちる鷲」,
いつの頃から、そのように呼ばれていたかは不明ですが,
わし座が,古代メソポタミアから「わし」と呼ばれていたことは確かです.
わし座 AQUILA はアッカド語でもシュメール語でも「わし」.
Star Myths | Theoi Greek Mythology
AQUILA わし座
Latin : Aquila (the Eagle)
Greek : Aiêtos (the Eagle)
Akkadian(アッカド語) : Erû (the Eagle)
Sumerian(シュメール語) : Á.MUSHEN (the Eagle)
わし座のギリシャ神話
the Theoi project のサイトでは,六つの候補が挙げられています.
Star Myths | Theoi Greek Mythology
① アプロディーテーの鷲 EAGLE OF APHRODITE
② プロメーテウスの鷲 EAGLE OF PROMETHEUS
③ ゼウスの鷲1 EAGLE OF ZEUS 1(ガニューメデスをつかみ去った鷹)
④ ゼウスの鷲2 EAGLE OF ZEUS 2(ティターンとの戦いの前に吉兆として現れた鷹)
⑤ ゼウスの鷲3 EAGLE OF ZEUS 3(ヘルメースのためにアプロディーテーの履き物を掴み取ってきた鷹)
⑥ メラプス(?) MEROPES
ゼウスの鷲が三つあげられています.
プロメーテウスの鷲もゼウスが放ったもの.
ゼウスのシンボルアニマルは鷲.
さまざまな場面で,ゼウスと共に登場します.これらがわし座と結びつけられました.
ZEUS - Greek God of the Sky, King of the Gods (Roman Jupiter)