7月26日金曜
NHK総合1 午後6時10分~ 午後6時52分
今日7月26日は,19人の命日です.
(1)
相模原市の知的障害者施設で,19人が殺害された事件から,今日で,3年となりました.
事件の現場となった,施設の前から中継です.
かけがえのない命が,理不尽な理由で奪われたあの日から3年.現場に設けられた献花台には,多くの人が訪れ,犠牲になった19人を悼みました.
事件を自らに重ね,自分のこととして捉えようとする姿が印象的でした.
献花に訪れた,重い障害がある息子がいるという60代の女性は,
「障害者というだけで,自分の息子も殺されていたかもしれず,事件を許すことができない」
と涙を滲ませながら話していました.
今日一日,この場所に,心を寄せ続ける人たちが絶えない現実を目の当たりにして,事件の衝撃の大きさと決して消えることがない,痛みを感じました.
(3年前の事件後の施設前の映像.救急車のサイレン)
3年前の今日,相模原市の知的障害者施設津久井やまゆり園で,入所していた19人が殺害され,26人が重軽傷を負いました.
殺人などの罪に問われている,元職員の植松聖(さとし)被告(29).来年1月に初公判が開かれる予定です.
これまでの接見や手紙のやりとりなどの取材に対し,「意思疎通のできない人間は,生きる価値がない」という,差別的な主張を変えることなく,繰り返しています.
事件で犠牲になった19歳の女性の母親が,事件から3年になるのを前に,初めて思いを語りました.
女性は3歳半で自閉症と診断され,言葉はなくても,豊かな表情で意思を伝えてくれたといいます.
活発で,プールやジェットコースターが好きだったほか,ミッフィーや機関車トーマスがお気に入りだったということで,母親は,事件後ミッフィーのぬいぐるみをそばに置いています.
3年がたった,今の心境について,
「笑顔が素敵で,可愛くて仕方がない自慢の娘でした.
今も娘に会いたくて会いたくて仕方なく,あの笑顔がもう一度見たいです」
と語りました.
「障害ゆえに本当に大変なときもありましたが,その分,何かできたときのうれしさは倍増し,信じて待つことの大切さも教えてもらいました.
なにより,うそ偽りのない笑顔に助けられてきました」
と振り返りました.
そして,
「苦労しながらも大事に育ててきた娘を『不幸をつくる』と勝手に決めつけられ,奪われたことに,やり場のない思いを抱えています.
全然,不幸なんかではありませんでした」
と話していました.
その上で,何より伝えたいこととして,
「娘は,私の人生の全てでした.娘が一生懸命に生きてきたことを,覚えてもらいたいです」
と語っていました.
(⇒19歳女性遺族 初めて語る思い|NHK 首都圏のニュース 19人それぞれのエピソード | NHKオンライン )
一方,現場となった施設は,事件を受けて建て替えがすすめられていて,123人の入所者は,横浜市内にある一時的な移転先などで暮らしています.
神奈川県は,一人一人が今後どのような暮らしを望んでいるか,入所者の様子から意向を読み取るほか,家族などへの聞き取りをして,施設での生活か,施設を出て地域で暮らすか,一人一人の意思を確認したいとしています.
(続く)