大分県中津市には市内に60店以上の唐揚げ専門店があり,「唐揚げの聖地」を宣言しています.
お隣の宇佐市は「唐揚げ専門店発祥の地」として元祖から揚げ宣言.
先日の卵焼き京都のだし巻き卵/東京王子の厚焼き卵 & 卵焼きの歴史yachikusakusaki's blog
に続いて,
今日はから揚げ!
から揚げが広まったのは,戦後のようですね.また,鶏肉をどのように食べてきたかについて,いろいろ調べようと試みたのですが,手元の資料では残念ながら確かな情報が余り得られませんでした.時間切れ.
先日,卵焼きを取りあげた時に付記した食文化の部分は,今日は割愛.ほぼ「趣味ドキッ」の内容に添って---
九州地方は鶏肉の消費量が断然多い地域です.大分県の一世帯(2人以上)の消費量は全国四位(平成25年(2013年)~27年(2015年)平均
統計局ホームページ/家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(平成25年(2013年)〜27年(2015年)平均)
⇒上記家計調査結果からの肉の消費量等については近日中にこのブログで取りあげる予定).
番組中では,戦後食糧難を解消するために政府からも奨励されて養鶏場が多くできたから,と説明して言いましたが---.大分県の昨年度の生産量はそれほど多くありません.大生産地:鹿児島,宮崎に押されてしまったのかもしれませんね?
宇佐市ホームページでは,から揚げに関して次のような記事を掲載しています.
からあげ専門店発祥の起源は、宇佐市四日市の中華料理店「来々軒」にあります。
戦後間もない頃に店主が、養鶏場から処分していた規格外の鶏を安く譲ってもらい、「多くの人に安くお腹いっぱいになって欲しい。」と、からあげにして売り出したところ、人気を博しました。
そのからあげの美味しさを聞きつけた居酒屋「庄助」が揚げ方を習い、後に居酒屋から、からあげ専門店に衣替えしたことが、からあげ専門店の始まりと言われています。
その後、庄助が、その味を教え、からあげ専門店が宇佐市だけでなく、お隣の中津市にまで徐々に広がっていきました。現在は、宇佐市がからあげ専門店発祥の地として、中津市がからあげの聖地としてご当地「からあげ」をPRしています.
番組でのから揚げの紹介は次のように進んでいきました.
から揚げマップをつくって多くの観光客を集めていますが,その中に
冷めても美味しいから揚げにこだわるお店がありました.お客さんの多くはから揚げをテイクアウト.
からあげの鳥しん大分県中津市専門店通販 鶏鳴新聞 -からあげグランプリ
人気なのは歯ごたえがあってジューシーなもも肉やさっぱりとしたむね肉.このお店の特徴は薄い衣にあります.厚めの衣はお薦めしないそうです.
鳥しん店主角信一さん
「温かい間は衣がサクッとして,あれはあれで美味しいなって思うんですけど,冷めたときにあの衣がジャマするというか,キュッとなる感じが美味しいものは違うものになってると思うので,うちは薄衣で」
◎お店での作り方
肉を軽く塩もみ
自家製の「秘伝のダレ」を加えて揉み込む
(しょうゆ,にんにく,しょうが,一味とうがらし,すり下ろしリンゴ 等々)
ポリ袋に入れて冷蔵庫で一晩以上ねかせ,味がしっかりしみこむのを待つ.
1日ねかせたもも肉にかたくり粉を薄くまぶします
(かたくり粉のみで他のものは混ぜない)
ざるに入れ,軽くふるって粉を優しく落としていく
(お肉の色がピンクに見えるぐらいまで)
揚げる時間はきっちり4分20秒
残り30秒ぐらいになったら,すくい網ですくって3-4秒ぐらい油から上げてまた揚げ油の中へ.油から3-4秒出すことで,二度揚げの効果みたいなものが出て表面がパリッと仕上がる.
薄衣で冷めても美味しい唐揚げの誕生!
お隣の宇佐市
テイクアウト専門のから揚げ店発祥の地!
味の方はお隣の中津とあまり違いはないそうです.
そこで宇佐市では塩から揚げのお店(“いんないからあげ巧” )を取材することに
いんないからあげ巧 江藤 裕一 | Facebook Ryuuta Takeuchi - | Facebook
28歳という若い店主(大弓功さん)がこだわっているのがこの塩です.
◎お店での作り方
オーストラリア デボラの塩で,南極に近い塩,最初パンチがある,そこから塩らしさを感じた後にさっと甘みが消える.
そこにお酒と砂糖を加えてよく混ぜます.
冷蔵庫で一晩寝かせます(ボールのまま).
寝かせた肉にニンニクとショウガの利いた「秘伝の調味料」を加えて,更に混ぜ合わせます.
衣はかたくり粉100%.
皮を外側にして丸める⇒パリッと仕上がる.
揚げるところは中津とほぼ同じ.
◎専門店の技から「明日使える!ヒント」
・つけ込むダレは,しょうゆ,リンゴ(すり下ろし)など
・一晩寝かせることで,味がしみこむ
・かたくり粉で薄くパリッと仕上げる
・皮を外側にして丸めるとパリッと仕上がる
以上を活かして料理研究家渡辺あき子さんが考えたレシピ
▽唐揚げなますかけ
たれに漬け込んでしっかり味をつけたから揚げを紅白なますで,さっぱりと.衣は薄い方が冷めても美味しく味わえます.
材料(2人分)
鶏のもも肉 -------200g
塩 --------------小さじ1/4
〈たれ〉
しょうゆ---------小さじ1
酒 --------------小さじ1
しょうが(すりおろし)
--------------小さじ1/2
にんにく(すりおろし)
--------------小さじ1/4
りんご(すりおろす)
--------------大さじ1/2
ごま油 ---------小さじ1/2
かたくり粉 ----適量
揚げ油 ---------適量
紅白なます -------適量
つくり方
(1)鶏肉は余分な脂肪を取り,30gずつに切り,塩をもみ込む.
(2)たれの材料を混ぜ合わせる.
(3)ジッパー付き保存袋に鶏肉を入れ,(2)を加えてなじませる.冷蔵庫に2時間以上,できれば一晩置く.
(保存するときに空気をよく抜いておくと,少なめのダレでも肉全体になじみ,下味がよくつく)
(4)(3)の汁けがあれば切り,かたくり粉を全体にまぶして余分をよく払う.
(5)180℃に熱した揚げ油に入れ,時々返しながら4分ほど揚げる.
(弁当用: 揚げたらトレイなどにしばらく置いて余熱をとる)
(6)油を切って器に盛り,紅白なますを散らす.
(皮を外側にして丸める,とは,レシピには書いてありませんでした)