『19のいのち』寄せられた思い
1月30日(月)NHK総合 午後6時10分~ 午後6時52分 首都圏ネットワーク
先週私たちは,相模原市の知的障害者施設津久井やまゆり園で起きた殺傷事件で亡くなった19人の方々の人柄やエピソードを,こちらのウェブサイト( 19のいのち -障害者殺傷事件- TOP | NHKオンライン )で紹介し,「19のいのち」としてお伝えしました.
そうしたところ,亡くなった方々やその家族などへ多くのメッセージを頂きました.150通余りにのぼっています.
大阪府の40代の女性の方からです.
「このサイトで被害者の方々のエピソードを読むと,一人一人が確かに生きてというぬくもりを感じて,胸が熱くなりました.同時に,もう19人全員が,この世界にいないという現実を感じて,悲しくなりました」
障害のある方々からも,多くのメッセージを頂きました.
脳出血で半身マヒとなった30代の男性です.
「財布にお金をしまうのも,手のマヒによって大変で,お店のレジが込んでいるとききっとジャマに思われているだろうと思い,とてもみじめで暗い気持ちになります.しかし,亡くなった方のエピソードをみて,家族と共に過ごしたり,歌ったり,葉っぱで遊んだり,缶コーヒーを飲んだり,本当に小さな事で,人は幸せになれると思います.それは障害のあるなしに関係なく,誰でも共感できるはずです」
障害のある家族がいる方からも,多くの声を頂きました.
長崎県の40代の女性からです.
「うちの次男は発達障害を持って生まれてきました.見た目は普通の青年ですが,強いこだわりなど,生きにくい社会を日々生きていくだけに必死です」
そして,容疑者の障害者を否定する言葉について,
「容疑者に言いたい.この世の中,いつ自分が重度障害になるか分からないんだよ.いとおしいわが子が障害を持って生まれてくるかもしれない.大切な両親が,兄弟が,最愛の妻が,-----.あなたには想像力はありますか?」
一方で,こうした声もありました.
福岡県の40代の女性です.
「知的障害の息子との毎日は,彼を産み育てる母としての存在意義を問い続ける日々でした.社会的に理解されがたい息子の行動に,『理解して』という気持ちと,その思いの届かない日々の連続で,どうしたらよいか分からなくなりました.この事件は,起こるべくして起きたとも思います.誰の心の中にも容疑者のような思想は少なからずある.私自身の中にもあるかもしれません.息子を育てていなければ,容疑者の発言に疑問も抱かなかったかもしれません」
さらに,自らの生き方を改めて問いかけるメッセージも少なくありません.
30代の女性は,
「障害がある人とない人,見守る人と背ける人,容疑者と私,その違いとは一体なんなのか?19のひとつひとつきらめく魂に,『あなたは一体どういう人として生きていくの?』と問いかけられている気がします」
19の命に寄せられたメッセージをお伝えしました.