防災の日の9月1日.感染者は150万人を超え,死者は,東日本大震災に迫る1万6141人.大災害です.そして,今も「未経験規模の感染続いている」ことは疑いない.「自分や家族の命を守るために必要な行動」がこれからも必要.とはいえ,朗報も.日本全体の感染者数にはピークアウトの様相がみえ,西浦京大教授も,この減少は見かけのものではなく,本当に減ってきているとしています.今後の予断は許せませんが.

9月1日は防災の日

 

関東大震災から98年,東日本大震災から10年の今年,

日本は新型コロナウイルス災害のまっただ中.

感染者は150万人を超えました.

 

「新型コロナ 国内感染150万人超える “第5波”で加速度的に拡大」 

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210901/k10013237121000.html

 

死亡者は,1万6141人.

感染拡大から遅れてピークになる死亡者.ジワリと増え始めています.

ワクチンが死亡者を減らしてくれることを祈りますが,一定の数は覚悟しておかなくてはいけないでしょう.

昨年秋のGOTO Travelに続き,今回も政府の間違ったメッセージが感染拡大を倍加させたと思うと---

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新型コロナウイルス 日本国内の感染者数・死者数・重症者数データ|NHK特設サイト

 

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COVID-19 Data Explorer - Our World in Data

 

震災や津波と違って,短時間での集中した被害が認識できないせいか「災害」というイメージが湧きにくいのですが---

東日本大震災の死者1万5900人,行方不明者2525人

行方不明、なお2525人 東日本大震災10年―警察庁:時事ドットコム

と比べてもいかに大きな災害かが分かります.

 

そして,今回の第5波.

日本全体の感染者数はピークアウトの様相も見えてきています.

(朗報:西浦京大教授も,この減少は見かけのものではなく,本当に減ってきているとしています.今後の予断は許せませんが ⇒*)

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(地域別の感染者については,東京をはじめ首都圏は減少が見られていますが,大阪・愛知は増加.沖縄の逼迫度はハンパない ⇒**)

 

 

厚労省の専門家会合は,いまだ「未経験規模の感染続いている」ことは疑いないとし,

「自分や家族の命を守るために必要な行動を」と呼びかけています.

具体的には

 ▽すでにワクチンを接種した人も含めて外出を最低でもこれまでの半分以下の頻度に

 ▽混雑した場所など感染リスクが高い場所を避けるように

厚生労働省の専門家会合)

厚生労働省の専門家会合 「未経験規模の感染続いている」 | 新型コロナ 国内感染者数 | NHKニュース

 

 

 

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-nishiura-20210831-1 

www.buzzfeed.com

西浦博京大教授

 ”総合的にみると、今の状態が続けば、感染者の減少はさらに続くと判断していいと思います。もちろん、接触が増えると感染者数は増加します。

 

 ”この3〜4週間、あれこれ本当はどうなのかずっと考え続けていました。研究室の中で、研究員らとデータをこねくり回して「ああでもない」「こうでもない」と毎日ずっと思考を巡らします。

分析で得られた考えを含めて、感染研の鈴木基先生や東北大の押谷先生含め疫学メンバーらと議論をして擦り合わせをします。

結果として時間がかかって恥ずかしい限りではあるのですが、「うん。これなら減っているね」と自信を持って言えるところまでやっとたどり着きました。”

 

 ”感染者数の実数が減ると、主に高齢者が中心となって重症化していた頃の流行よりもはやいスピードで重症患者数も減り始めると思います。”

 

 ”ものすごくいいニュースだと思っています。デルタ株に関して、これまでもお話してきた通り、減るのかどうか怖いところがありました。

 

基本再生産数(※何も対策しない場合の一人当たりの二次感染者数の平均値)で言うと5を超えるような感染症を、人の行動を制限することで食い止める経験は、過去に一切なかったことだと思います。

しかも、社会経済活動はそれなりに続いています。すごく制御にとって後ろ向きな条件下なのです。緊急事態宣言が長引いて、声が届いているとは言い難い。中でも、オリンピック開催の心理的な影響は相当大きかったと思います。

宣言に効果がなく、ますます医療が厳しくなったらさらに厳しい措置をしなければなりません。どうしても仕方なければ、立法でロックダウンを考えてほしいという議論もこれまでになされてきました。

そんな中、私権が制限され、経済的な影響も甚大である対策を打たずに済む可能性が出てきたのは、本当に良い兆候だと思います。

ですから、ここで再上昇が起きないように、さらなる対策が必要ならやる。確実に減らすことが必要です。学校再開がある9月に、社会全体で接触が増えて感染が再び増えてしまうことは何としてでも避けたいです。

 

 ”ニュースでご覧の通り、政府はロックダウンをしようとしませんでしたよね。

専門家としては、その条件下でどんな措置ならできるのか、水面下で必死に検討していました。措置の中身によっては社会に大きな影響を与えるだろうし、かと言って自粛が限界を迎える頃です。どうすればいいんだと頭を抱えていました。

その中で、今のような対策を何重かに重ねてしっかり実行していれば減少傾向に転じたということは、まずみんなで自信を持つべきことです。自信を持ってそのままもう少し継続したい。しっかり頑張れば9月中に、安定的に減っているように見えてくるはずです。

近未来をどんどん皆さんの力で明るくしていけたらと思います。”

 

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厚生労働省の専門家会合 「未経験規模の感染続いている」 | 新型コロナ 国内感染者数 | NHKニュース

東京都

 感染者数:減少

(東京都と千葉県ではお盆明けから繁華街などでの夜間の人出が増加に転じていることから、首都圏では再び感染拡大に転じることが危惧)

 入院者数:20代から50代を中心に増加

 重症者数:40代から60代を中心として高止まりの状態(過去最多の水準)

 新たな入院の受け入れや救急搬送が困難なケースや、一般医療を制限も起きている.

 

沖縄県

 感染者数:減少の動きが見られる

(夜間の人出は増加に転じていて、今後の感染者数の動きに注意が必要)

 病床使用率:9割前後

 

大阪府・愛知県

 感染者数:増加の動き/急速な増加

 重症者数:多くなってきている