新型コロナウイルスの感染が収まる気配はありません.
クラスター発生を抑えることが感染を収束させるポイント.
尾身新型コロナウイルス感染症対策分科会長「クラスターをどう早く見つけて対応するかがこれらの肝(きも).このことを徹底してやることが非常に重要」(NHKニュースより)
▽新規感染者数は増加することなく,かといって減少することもなく推移.
「新規感染者数は,全国的に見ると, 8月第1週をピークとして減少が続いた後,ほぼ横ばいから微増傾向となっており,感染の『増加要因』と『減少要因』が拮抗していると見られる」(10月23日新型コロナウイルス感染症対策分科会の報告)
▽実効再生産数は1に近い水準ながら,1を超える地域が多いことから,徐々に増加する恐れも?
「実効再生産数は,東京,大阪,北海道,沖縄などで1をはさんで前後しており,直近1週間の平均は1を超える地域が多い.
全国的には,1に近い水準が続いている」(10/23 分科会報告)
▽クラスターが発生し続けていることが収束しない原因と考えられています.
10月27日のNHKニュース.
見出しに「クラスター相つぐ」とかかげ,
北海道:芸能事務所と繁華街薄野にある飲食店,
千葉:船橋市の物量倉庫,
青森県弘前市:接待を伴う飲食店(最初の感染報告10/12,客の同居人,病院,役場今までに関連する感染者140人超),
などを報道していました.
神奈川新聞で地元神奈川の感染動向を毎日チェックしていますが,病院,高齢者施設/障害者施設/保育園等,パーティー/食事会などでのクラスターが,毎日ではありませんが,継続的に報告され続けています.
▽クラスター対策が重要なのは,新型コロナウイルスの感染拡大の特徴によるものです.
押谷仁東北大教授(文藝春秋2020年11月号)
「国内の4800の症例の解析結果によれば,感染者の8割は誰にも感染させず,ほとんどの感染連鎖は維持されずに消えています.
感染拡大の規模は,拡大初期のクラスターの大きさにかかっています.
10人のクラスターならば、うち2人が家族に感染させることは起こりえますが,確率的にはそこで終わる可能性が高いことになります.
100人だと,他の人に感染させる人が20人出る.
そうなると,家族から友人へ,そして祖父母が入院する病院へ……と4次感染,5次感染とつながって,なかなか連鎖が消えないのです」
▽「クラスターを防ぐために大切なのは,やはり私たち一人一人の行動.対策を改めて徹底していきましょう」とはNHKニュースでの呼びかけ.
「感染リスクが高まる五つの場面」が分科会により例示されています.
①飲食を伴う懇親会
②大人数・長時間の飲食
③マスクなしの会話
④狭い空間の共同生活
⑤居場所の切り替わり