「感染者の8割は誰にも感染させず,感染連鎖は維持されずに消えています.感染拡大の規模は,拡大初期のクラスターの大きさにかかっています.10人のクラスターならば、うち2人が家族に感染させることは起こりえますが,確率的にはそこで終わる可能性が高いことになります.100人だと,他の人に感染させる人が20人出る.そうなると,なかなか連鎖が消えないのです」「クラスター対応が肝」我々は?「私たち一人一人の行動.対策を改めて徹底」8/23分科会,8/27NHKニュース,文藝春秋11月号等より

新型コロナウイルスの感染が収まる気配はありません.

 

クラスター発生を抑えることが感染を収束させるポイント.

尾身新型コロナウイルス感染症対策分科会長クラスターをどう早く見つけて対応するかがこれらの肝(きも).このことを徹底してやることが非常に重要」NHKニュースより)

 

▽新規感染者数は増加することなく,かといって減少することもなく推移.

「新規感染者数は,全国的に見ると, 8月第1週をピークとして減少が続いた後,ほぼ横ばいから微増傾向となっており,感染の『増加要因』と『減少要因』が拮抗していると見られる」(10月23日新型コロナウイルス感染症対策分科会の報告)

 

▽実効再生産数は1に近い水準ながら,1を超える地域が多いことから,徐々に増加する恐れも?

「実効再生産数は,東京,大阪,北海道,沖縄などで1をはさんで前後しており,直近1週間の平均は1を超える地域が多い.

全国的には,1に近い水準が続いている」(10/23 分科会報告)

 

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クラスターが発生し続けていることが収束しない原因と考えられています.

10月27日のNHKニュース.

見出しに「クラスター相つぐ」とかかげ,

北海道:芸能事務所と繁華街薄野にある飲食店,

千葉:船橋市の物量倉庫,

青森県弘前市:接待を伴う飲食店(最初の感染報告10/12,客の同居人,病院,役場今までに関連する感染者140人超),

などを報道していました.

神奈川新聞で地元神奈川の感染動向を毎日チェックしていますが,病院,高齢者施設/障害者施設/保育園等,パーティー/食事会などでのクラスターが,毎日ではありませんが,継続的に報告され続けています.

 

クラスター対策が重要なのは,新型コロナウイルスの感染拡大の特徴によるものです.

押谷仁東北大教授(文藝春秋2020年11月号)

「国内の4800の症例の解析結果によれば,感染者の8割は誰にも感染させず,ほとんどの感染連鎖は維持されずに消えています.

感染拡大の規模は,拡大初期のクラスターの大きさにかかっています.

10人のクラスターならば、うち2人が家族に感染させることは起こりえますが,確率的にはそこで終わる可能性が高いことになります.

100人だと,他の人に感染させる人が20人出る.

そうなると,家族から友人へ,そして祖父母が入院する病院へ……と4次感染,5次感染とつながって,なかなか連鎖が消えないのです」

 

▽「クラスターを防ぐために大切なのは,やはり私たち一人一人の行動.対策を改めて徹底していきましょう」とはNHKニュースでの呼びかけ.

「感染リスクが高まる五つの場面」が分科会により例示されています.

 ①飲食を伴う懇親会

 ②大人数・長時間の飲食

 ③マスクなしの会話

 ④狭い空間の共同生活

 ⑤居場所の切り替わり